藤原氏と陰陽師と天皇(9)
- 2015/02/25
- 05:55
物だけではなく、女性に対しても、
美に対する関心があり、
熱しやすく冷めやすいタイプでした。
天皇になる即位式開始の合図がある前に、
高御座の帳を、上げ下げするなどの
式典業務をしていた美しい女官『馬内侍』に一目ぼれして、
突然、玉座の高御座の帳の中に引き込み、
性行為を、はじめました。
腰を上下したせいで、
即位式用の冕冠についている
宝玉や玉佩がぶつかる音がしたそうです。
帳が下がっていたので、
高御座の中の様子が、見えなかったので、
側近たちは、『花山天皇』が、
即位式の開始を早くしろという意味で、
音を立てていると勘違いしたそうです。
そして、
「冕冠が邪魔で重たい。」と
高御座の中から聞こえると、
冕冠が下に落ちてきました。
そのため、
式典を進めていた側近の『藤原惟成』が、
冕冠と叙位の書類を持って、玉座に近づくと、
性行為をしていたので、
驚いて引き止めようとしたのですが、
『花山天皇』は、
手で追い払い、行為を続けました。
そのため、『藤原惟成』は、
何もなかったように式典を進めました。
そして、
『藤原惟成』は、左少弁なので、
位を勝手に決める立場ではありませんでしたが、
独断で位を言い渡しました。
とりあえず、即位式が終わりましたが、
その後も、女性が好きは止まらず、
美人であれば、年も関係なく、
他人の奥さんはもちろん、
誰でも手を出したそうです。
そして、『花山天皇』は、祭りが大好きでした。
賀茂社の臨時祭では、
通常より早い、朝8時に集合を命じました。
貴族たちは、
祭に関連する話があるのかと思って、
急いで集合しました。
すると、そこに、『花山天皇』が、
馬を連れてきました。
そして、嫌がる貴族達を馬に乗せては喜び、
やがて自身も馬に乗ると言い出しました。
一同が困惑していると、
『花山天皇』の面倒を見ていた
外叔父の『藤原義懐』が、遅れてやって来ました。
すると、注意されると思って『花山天皇』は、
顔を真っ赤にして、反省の色を見せました。
『藤原義懐』は、
『花山天皇』の行為に呆れましたが、
何とか雰囲気を変えようとして、
自分が乗りたかったような振りをして、
巧みに乗馬しました。
すると、『花山天皇』は、
顔色が戻って、調子づいて、はしゃいだそうです。
その状況に、
情けないと頭をかかえていた『藤原義懐』に、
周囲は同情したそうです。
しかし、
『花山天皇』が、即位してすぐに、
うしろだてだった『藤原伊尹』が、
死亡しました。
『藤原伊尹』の子『藤原義懐』は、
策士ではありませんでした。
そのため、『藤原伊尹』の弟『藤原兼家』が、
頭角を現してきました。(続く)
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