日本の外交手腕(2)-外務省『小林祐武』の告白(10)-キューバ大使
- 2023/06/09
- 05:05
59歳の時、キューバ大使に着任しました。
この外交官は、退職年齢が、近づいているので、
退職後、
キューバで、レストラン経営することを計画し、
首都ハバナ市内に、
レストラン用邸宅を、購入しました。
そして、
欧州の高級な家具類や高性能な冷蔵庫などを、
購入しました。
しかし、すべて、キューバ日本国大使館用として、
会計処理をしたそうです。
しかし、外務省は、
大使の公金流用疑惑を察知し、
秘かに、
キューバ日本国大使館の職員に、
会計調査を命じ、
確信をつかんだので、
中南米局幹部を、現地調査に派遣しました。
その結果、キューバ大使の不正を、確認しました。
そのため、キューバ大使は、
レストラン経営を断念しました。
不正流用額は、約3千万円以上とされましたが、
お金の流れが複雑なので、
詳細は不明で、「それ以上ある。」と、
指摘する関係者もいました。
そして、外務省では、よくある事だし、
長引くと、問題が大きくなると考え、
早期解決を第一にし、
公表せず、
その男性に対して、
全額ではなく、
3百万円の弁済金を支払うということで、
解決させる事にしました。
そして、1991年、
外務省は、目立たない様にしたかったので、
男性を、
満額の退職金が貰える、
円満退職させたそうです。
その後、その弁済金は、
男性が、退職後に、
暮らしたカナダ国内の銀行から、
支払われたという事ですが、
関係書類が、行方不明となったので、
実際の所、支払われたのか?、
支払われたのなら、
そのお金が、どのように、会計処理されたかは、
不明だそうです。
そして、
購入した物品は、現在も、行方不明だそうです。
そして、元キューバ大使の男性は、
1996年、病気で死亡したそうです。
そして、
2001年、野党が、この事を知り、
衆議院外務委員会で、
野党が、外務省を、追及した時、
外務省大臣官房長『飯村豊』は、
「問題があったのは事実だが、
組織としてきちんと対応した。
本人も亡くなっているし、昔の事なので、
関係書類が、すべて紛失し、
不正についても、
記録が残っておらず、実の所、分からない。
どのような処分をしたという記録も、紛失し、
会計書類も全て、残念ながら、紛失してます。
そのため、これ以上の追及は、無駄です。」と、
答えました。
ちなみに、公務員は、
書類関係の専門家で、保管のプロです。
そして、お金は、すべて、税金です。(続く)
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