火星から来たアリ

 アマゾンは常に新種が見つかる可能性が高い。
2008年に、テキサス大学の学生が、
ブラジルのマナウスで、
新種のアリを発見した。




 働きアリとみられる個体が1匹見つかっただけ。
(この流れは、オーストラリアで、3匹見つかり、
その後40年間見つからなかった幻の化石アリの
アカツキアリに似ている。)

DNA分析の結果、主要なアリの系統から1億年以上前に、
分岐した種の唯一の生き残りであると分かった。

 色白で目を持たないことから、地下生活に適応。
体長は2ミリと小柄だが、下アゴが長く発達しているため、
肉食でシロアリの幼虫のような柔らかい体の動物を捕食している可能性が高い。

 地球上の既知のアリとはかけはなれたその体から、
Martialis heureka(意味は火星から来たアリ)と名付けられた。

 一見するとほかのアリと似ているように見えるが、
シカゴのフィールド自然史博物館のコリー・モロー氏は、
「この新種の身体的な特徴や構造はユニークであるというより、
ほとんど異様ともいえるレベルだ」と話す。

 例えばマーティアリスの前脚は、通常のアリより長く、
ほかのアリにはない体節を備えている。
また、下アゴはまるで鉗子のように大きく発達し、
地面の穴から獲物を引きずり出すために使われているとみられる。

 さらに驚異的な特徴も遺伝子の調査で明らかになった。
アリの系統における太古の種の生き残りで、
現存するほかのすべてのアリの祖先よりも前に、
主要な系統から分岐した種であると判明したのだ。

 これまでにも地下生活をする盲目のアリは確認されていたが、
最近では分子レベルの研究でも地下生活を送るアリが、
進化のごく初期の段階で現れていたことが示唆された。
これについて、アリという種全体がこれまでカリバチのような
地下生活には適応しないハチから進化したと考えられてきたため、
多くの専門家が驚きの声を上げている。

 アリの仲間が初期の段階から地下生活に適応していたことは確かなようだ。
「たった1匹のアリで進化の謎がこれほど明らかになるとは。
地球上の生物の多様性について言えば、
われわれはほとんど盲目といえるかもしれない」
とモロー氏は感想を語っている。

 一方、カリフォルニア大学のフィリップ・ワード氏は
「すべてのアリの祖先は盲目で地下生活を送っていたという説には
疑わしい点が残されている。初期の段階から存在したアリが、
後に出現した攻撃性の高いアリに負けて、
地下に追いやられた(可能性もある)」と主張している。

 「熱帯の土壌には未知の種が山ほどいるはずなので、
これからも発見の可能性はある。
環境破壊が進む前に急いで見つけなくてはならない」とラベリング氏は話している。
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