イスラム(6)-イランの犬事情
- 2023/01/10
- 05:05
怖くて、厳しいイメージがありますが、
「イスラム」という言葉は、アラビア語で、
「引き渡す、任せる、委ねる」という意味の
「aslama(アスラマ)」という 動詞の名詞形で、
「自分の全てを神へ引き渡して、
絶対的に帰依し、服従する」を意味する、
言葉だそうです。
つまり、イスラム教とは、
神に対して絶対服従し、神の啓示を守ることで、
平穏に生きるための宗教なのです。
ちなみに、
キリスト教の信者数は、約22億人で、
イスラム教の信者数は、約18億人で、
ヒンドゥー教の信者数は、約11億人で、
シーク教の信者数は、約2千4百万人、
ユダヤ教の信者数は、約千7百万人、
仏教の信者数は、約4億人だそうです。
イランは、ものすごく厳格なイスラム教国家です。
イスラム教は、
動物に対する残酷行為を禁じていて、
イランでも、動物病院は、存在して、
猫や鷹などを治療しているそうです。
しかし、2021年、
人が動物と同じ部屋で、生活する事は、
人と家族の関係が、
動物に対する気持ちや情緒的関係に、
取って代わられる事になるので、
イラン的かつイスラム教の生活様式が、
徐々に変わっていく恐れがあるので、
「有害な社会問題」だと非難し、
犬はもちろん、
猫、ワニ、カメ、ヘビ、トカゲ、
ネズミ、ウサギ、サルなどのペットの輸入、
飼育、繁殖、売買、車に乗せること、
散歩、家庭内飼育を禁止する、
違反者には、ペットは、没収され、
月収の10-30倍の罰金が科され、
動物を運んだ車は、3か月間押収されるという、
「有害で危険な動物に関する
住民の権利支持」と題した法案に、
議員総数の4分の1に相当する、
国会議員75人が署名したそうです。
しかし、その法案は、却下されたので、
現在、
イランでは、飼い犬を明確に禁じる法律はないのですが、
番犬や盲導犬以外の飼い犬については、
警察に、犬の声、犬による環境悪化などの苦情があれば、
「公共の秩序を乱す」として、処分される事もあるそうです。
ちなみに、イランでは、
政府や市役所の許可を得ていない10以上の闇業者が、
毎週金曜日に、スピッツやシベリアンハスキーなど、
約10種類の子犬が、約2万ー6万円で、売られているそうです。
そして、
都市部のイスラム教の穏健派の人々が、
「自由を求める行為の象徴」として、
少しずつ、犬を飼う人が、増えてきたようです。
ちなみに、犬を飼う人が少ないので、
イランには、ほとんど野良犬はいませんが、
最近になって、犬シェルターが、出来たそうです。
主な仕事は、路上で生活している野良犬が、
弱っていたら、治療して、
治ったらまた同じ所に、戻すそうです。
ちなみに、
イランでは、本当に、犬を飼いたい人だけが、
費用、環境、性格など、
飼う前に、ものすごく検討、熟考し、
覚悟を決めて、
犬を飼い始めるから、
日本のように、気楽に犬が飼えて、
気軽に手放す事が無いので、
飼い犬をシェルターに持ち込む人は、
ほぼいないので、
日本の様に、毎年、何万頭も犬が、
殺処分されるということは、
ほとんど、無いそうです。
ただし、ゼロでは、ないそうです。
ちなみに、『片野ゆか』著書の、
「ゼロ! 熊本市動物愛護センター10年の闘い」を、
読んだことがあります。
その本に書かれていたのですが、
熊本の動物愛護センターに勤務している獣医師の中には、
人事異動で、
熊本市動植物園に勤務していた獣医たちもいて、
動物愛護センターの職員たちが、
熊本での犬の処分頭数がものすごく多かったことに、
奮起して、
犬処分ゼロを目指して、活躍していた事を、
知らなかったので、びっくりしました。
ちなみに、『片野ゆか』著書の
「北里大学獣医学部 犬部!」も、読みました。
どちらも興味深く、良い本だと思いました。
ちなみに、
「ゼロ! 熊本市動物愛護センター10年の闘い」、
「北里大学獣医学部 犬部!」は、
秋田市立図書館「明徳館」で、借りる事が出来ます。(続く)