イスラム(5)-エジプト(1)-古代犬チズムと古代エジプト王家の犬サルーキ
- 2023/01/01
- 05:05
イスラム教国のエジプトに、行ったことがあります。
モスクには、行きませんでしたが、
博物館、スフィンクスやピラミッド、
ルクソールの遺跡などを、見学しました。
エジプトでは、乾燥していて、喉が渇いたので、
売店の人が、自分の見ると、
笑いながら、オレンジジュースを出す位、買って、飲みました。
そして、
エジプトで、電車に乗る前に、
駅の売店で、封のされたコーラの瓶を購入し、蓋を開けたら、
瓶の下の方にハエが沈んで、
その部分のコーラの液体の色が変化していました。
少し躊躇しましたが、
再び売店に行って、交換している間に、
電車が出発するかもしれないし、
喉が渇いていたので、
ハエや変色している部分を飲まない様に、
気を付けて、上澄みを飲んだので、
お腹は、壊さなかったです。
イスラム教国では、犬は不浄と考えられていますが、
エジプトは、トルコと同じく他のイスラム教国とは、違って、
昔から、犬と共に暮らしてきました。
チズムは、エジプト原産の古代サイトハウンド犬種で、

チズムの末裔
古代エジプトの壁画の中にも、チズムと思われる犬が、


確認されています。
ちなみに、
チズムとは、古代エジプト語で、
猟犬を意味するそうです。
古代エジプトの王『クフ』王は、
チズムを、
古代エジプト語で、
偉大な者と言う意味の『アクバル』と名付け、
可愛がっていたそうです。
ちなみに、チズムの子孫は、
イングリッシュ・グレイハウンド、
イビザン・ハウンド、バセンジーなどだそうです。
しかし、
チズムは、飼育頭数が減少し、
その上、品種に改良の時などに使われて、
純血種の個体が、いなくなったので、
数十頭のチズムの雑種や、
子孫種などとかけ合わせて、
チズムを復活させようという試みが、
行われているそうです。
これは、日本の秋田犬の復活劇と同じです。
秋田犬の話は、機会があれば、後日…。
ちなみに、ファラオハウンドは、

ファラオハウンド
チズムや、
古代エジプトの冥界の神、
ミイラ作りの神『アヌビス』に似ているので、

守護神『アヌビス』
最近まで、3千年以上前から存在していた犬種だと、
考えられてきましたが、
ノーベル賞を受賞した一流の科学者が、3人もいて、
予算規模は900億円以上で、
がん研究が主力ですが、
伝染病研究や細胞学研究など、
幅広く生命科学研究を行う、
アメリカのシアトルにある、
有名なフレッドハッチンソンがん研究センターが、
2004年5月に発表した犬の遺伝子解析によると、
実は、ファラオハウンドは、
過去数百年の間に、
誕生した犬種だそうです。
ちなみに、ファラオハウンドは、
マルタ共和国原産で、
「Kelb tal-Fenek(ウサギ猟犬)」と呼ばれて、
地元に人しか知らないようなマイナーな犬種で、
細々と飼育されていたのですが、
1960年頃に、
ドイツ、スイス、イギリスなど、
外国のバイヤーの目に留まり、
エジプトの神『アヌビス』や、
エジプトのチズムに似ているので、
雰囲気を出そうということで、
ファラオ・ハウンドと名付けられ、
海外に売られることになり、
その神秘的な名前も受けて、
人気犬種となったそうです。
ちなみに、
紀元前1500年頃に完成した、
世界最古の愛玩犬の一種、マルチーズの原産国も、
マルタ共和国だそうです。
ちなみに、
現在のマルタ共和国(マルタ島)は、
猫の島で有名で、約70万匹が、暮らしているそうです。
ちなみに、
マルタ共和国(マルタ島)の人口は約51万人なので、
人より、猫の方が多くすんでいます。
ちなみに、現在、マルタ共和国には、
マルチーズやファラオ・ハウンドのブリーダーは、
いないそうです。
そして、
古代エジプト王家の犬として、
有名な狩猟犬のサルーキは、
約7千年前から飼育されて、
現在も人気の飼育犬種の中で、
おそらく最も古い犬種だそうです。

サルーキ
BC4000年のイラクのメソポタミア文明の
古代遺跡テペ・ガウラに残るサルーキの壁画が、
最も古い記録とされています。

そして、2004年のサイエンス誌によると、
DNA鑑定の結果、サルーキは、
オカミから、最も早くできた犬種だという論文が、
掲載されました。
イスラム教において、
犬は、不浄な生物とみなされていますが、
中東では、サルーキやスルーギが、
数千年間、狩猟犬として活躍していたので、

スルーギ
狩猟犬のサルーキやスルーギは、
例外で、
狩りのパートナーとして、
人間の心を癒し、
人間と喜びを分かち合う存在として、
神が授けた贈り物であるとして、
飼い主の家族として、常に大事にされて、
特別な扱いを受けているそうです。
そして、
中東では、サルーキやスルーギのオスは、
人間の女性よりも地位が高かった時代が、
あったそうです。
サルーキやスルーギが死んだ時は、
魂を天に送るために、
家族全員の頭髪・体髪を全て剃り落として、
喪に付す儀式もあったそうです。
この儀式は、チズムが死んだ時など、
古代エジプトでも、行われていたそうです。
そして、
紀元前2100年頃のエジプトの墳墓で、
魂の再生を願う儀式のため、
ミイラにされたサルーキが、発見されています。

サルーキのミイラ
ちなみに、
サルーキという名前は、非常に古い犬種のため、
不明な事が多いのですが、
イエメンの古代都市「サルク (Saluq)」からきたという説、
イラクの古代都市サルキーヤからきたという説など、
色々あります。
自分が、ピラミッドやスフィンクスを観光した時は、
ラクダを連れて、ラクダに乗らないか?とか、
ラクダと一緒に記念写真を撮らないか?とか、
言ってくる人が、ものすごく多かったのですが、
ラクダを扱う姿を見ていると、
動物を、可愛がって飼うと言うより、
使役目的で、動物を飼っている様でした。
ヤギも、使役動物として、飼っていて、
エジプトの大都会カイロの街中で、
ヤギなどが、うろうろしているのを見たし、
エジプトの飛行場の待合室にも、ヤギがいました。
現地で、エジプト人に聞いたのですが、
エジプトの一般家庭では、
ペットという概念は、
ほとんど存在していないそうですが、
エジプトには、動物愛護関係で有名な、
Brooke動物病院が、あるそうです。(続く)
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