感染予防(2)-狂犬病(13)-治療(3)-ミルウォーキー・プロトコル(2)
- 2022/09/22
- 05:05
「麻酔薬のケタミンと
精神障害モデル動物を作成するために、
使用される毒性の強い「ジゾシルピン(MK-801)」という薬が、
ラットの実験で、狂犬病ウイルスの阻止効果が、
見られた。」という、
パスツール研究所の『アンリ・チアン』の論文を見つけました。
そして、
狂犬病治療チームは、
免疫系が抗体を分泌して、
ウイルスを撃退するまで、
ウイルスから、身体と脳を守るため
昏睡状態にするという、
狂犬病の実験的治療を考案し、
『Jeanna Giease』の両親に、
実験的治療の同意を求めたところ、
承諾しました。
そして、狂犬病治療チームは、
脳の活動を抑えるため、
麻酔薬ケタミンと鎮静剤ミダゾラムの混合薬を投与し、
『Jeanna Giease』を、昏睡状態にしました。
そして、
抗ウイルス薬のアマンタジンを投与し、
「アメリカ疾病予防管理センター(CDC)」の
狂犬病ユニット長『Charles Ruprecht』のアドバイスで、
抗ウイルス剤リバビリンも投与しました。
すでに脳の中には、
大量の狂犬病ウイルスが存在していると考え、
不活化ワクチンや免疫血清を用いることは、
むしろ自然の免疫反応を妨げると考え使用せず、
自分の免疫系が、ウイルスを攻撃するのを待ちました。
6日間、昏睡状態が続いた後、
血液と髄液について、狂犬病ウイルス抗体を
調べたところ著しい上昇が認められ、
免疫系がウイルスと闘っていることが推測されました。
狂犬病治療チームは、初めての経験なので、
何が起こるのかまったく予想はつかなかったのですが、
昏睡状態から目覚めさせる時が、
最大の試練だと考えていました。
そして、
麻酔薬の量を徐々に減らし、昏睡状態から、
覚醒させることにしましたが、
完全に麻痺していて、反応がありませんでした。
しかし、翌日、(続く)
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