感染予防(2)-狂犬病(9)-ルイ・パスツール(12)-狂犬病予防注射成功の陰で…、獣医師『Pierre Victor Galtier』
- 2022/08/15
- 05:05
『ルイ・パスツール』の故郷の近くの、
ジュラ州ヴィレール・ファレーという町で、
15歳の羊飼の少年『Jean-Baptiste Jupille』は、
凶暴になった狂犬病の犬から、
仲間の5人を助けるために、
両手を、犬に、深く咬まれながらも、
木靴で、立ち向かって、
狂犬病の犬を撃退したそうです。
その話を知った町長が、
勇敢な 『Jean-Baptiste Jupille』に感動し、
狂犬病を研究している『ルイ・パスツール』に、連絡を取りました。
そして、1885年10月20日から30日まで、
狂犬病に感染した『Jean-Baptiste Jupille』を、
『ルイ・パスツール』の指導のもと、
ワクチン接種や治療が行われたので、助かりました。
ちなみに、
パスツール研究所の正門の横には、
『Jean-Baptiste Jupille』が、
犬と戦っている銅像があります。

そして、『ルイ・パスツール』が、
『Joseph Meister』と『Jean-Baptiste Jupille』の
人での狂犬病ワクチン接種の成功を発表した結果、
『ルイ・パスツール』の所に、世界中から、
狂犬病ワクチンを求めて、多くの人々が、来たそうです。
記録によると、
1886年、約350人を治療し、
運び込まれるのが遅すぎた1人だけが、
狂犬病を発症しましたが、
他の人たちは、治療に成功しました。
ちなみに、『ルイ・パスツール』は、
1822年12月27日 生まれなので、
狂犬病ワクチンを完成した時は、60歳を超えていました。
そして、大行列の患者のための専用の施設が必要となり、
1887年、パスツール研究所の建設が始まり、
1888年、パスツール研究所完成し、
『ルイ・パスツール』が、初代所長となりました。
2代目所長は、
『ルイ・パスツール』の弟子
フランスの細菌学者、化学者『Émile Duclaux』、
微生物学者『Charles Chamberland』、
医師『Pierre Paul Émile Roux』が共同で、
3代目所長は、
『ルイ・パスツール』の弟子ですが、
『ルイ・パスツール』とは、
宗教的にも、政治的信念的にも、
病気に対するアプローチにおいても、
意見が一致しないことがあり、
しばしば衝突していた医師『Pierre Paul Émile Roux』です。
ちなみに、自分は、
マリンピア松島水族館の初代獣医師ですが、
大森山動物園では、3代目獣医師です。
ちなみに、
現在、マリンピア松島水族館は、
2015年5月10日に閉館したので、
職員(含:獣医師)と
飼育係が南極から連れてきたペンギンなどの飼育動物は
仙台うみの杜水族館に移籍しました。
ちなみに、水族館勤務の時、
ペンギン調査捕獲のため、
南極に行かされされそうになりましたが、
南極の寒さ、ブリザードなどの危険を感じたので、
絶対に嫌だ!と断って、
飼育係に行ってもらいました。
ちなみに、
南極から飼育係が戻ってきた時、
話を聞きましたが、
ブリザードで、物資が飛ばされたりして、
やはり、危ないこともあったそうです。
ちなみに、
車で行ける所なら行っていたので、
水族館勤務の時は、マンボウやタツノオトシゴ、ホヤなどの捕獲、
動物園勤務の時は、
カモシカやクマなどの保護には、嫌がらずに行きました。
その話は、後日機会があれば…。
ちなみに、
オーストラリア、ケニア、エジプト、
ヨーロッパ、アメリカなど14か国は、
命令ではなく、
自分が行きたかったので、放浪しました。
ちなみに、
『ルイ・パスツール』の前に、狂犬病ワクチンに関して、
有意義な研究をしていた獣医師で、
リヨン国立獣医学校の教授をしていた『Pierre Victor Galtier』は、
1883年、狂犬予防に関して法律の知識が必要となり、
法律の学位などを、取得したそうです。
たしかに、
自分は、「スーツ」、「グッド・ワイフ」などの、
アメリカの法律関係のTVドラマを、
全シリーズ見ているので、
法律の大切さは、分かります。
そして、
獣医師『Pierre Victor Galtier』は、狂犬病に関して、
1879年発表の論文「狂犬病に関する研究」や、
1886年出版の「狂犬病はその特性と予防の観点」などの本で、
「狂犬病は、全ての哺乳類に感染する事が出来る。
ヒツジに、狂犬病の犬の唾液を、7回、静脈内注射し、
その4ヶ月後、 状態は安定していたので、
さらに、15日間、犬の唾液を、注射したが、
狂犬病を、発症していないので、
この方法で、ヒツジは、狂犬病の免疫を、
獲得した可能性がある。
狂犬病の犬の唾液は、24時間後も、毒性がある。
狂犬病に感染したウサギは
麻痺と痙攣などの症状を起こすまでの潜伏時間は、
他の動物よりも短く、平均18日で、
症状が出たら、数時間から4日間で、死亡する。
消炎鎮痛剤のサリチル酸(アスピリン)は、
ウサギの狂犬病の発症を、予防しなかった。」と書きました。
ちなみに、
約5万年前、
歯の膿瘍に苦しんでいた、
ネアンデルタール人の化石を分析した結果、
消炎鎮痛剤の
サリチル酸が含まれているポプラの木を、
かじっていたことが、分かったそうです。
そして、
1881年、獣医師『Pierre Victor Galtier』は、
科学アカデミーに自分の業績を報告しました。
そして、
獣医師『Pierre Victor Galtier』は、徐々に認められ、
1887年、科学アカデミーから、賞を受賞しました。
しかし、
『ルイ・パスツール』の狂犬病ワクチンの大成功で、
世界から大絶賛されているのを見て、
本来なら、自分が名誉を受けるべきなのにと、
落ち込んだそうです。
その上、1904年、
妻と8人の子供のうち4人を失い、
ものすごく落胆し、生きる気力が無くなったそうです。
しかし、1908年、
獣医師『Pierre Victor Galtier』は、
狂犬病に対する予防接種に関して、
説得力のある実験結果を出したのは、
『ルイ・パスツール』より先で、
世界初だったので、
ノーベル賞の受賞対象候補になり、
とても、栄誉なことだと言って、喜んでいました。
しかし、
1908年4月24日、
獣医師『Pierre Victor Galtier』は、死亡したので、
ノーベル賞は、受賞出来ませんでした。(続く)
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