水族館と動物園に、獣医師として約10年勤務して、
現在は、秋田市でアズ動物病院を開院しています。

水族館勤務時代の名刺

動物園勤務時代の名刺(表)

原画(表)

動物園勤務時代の名刺(裏)

原画(裏)
ちなみに、ゾウの絵は、自分が手書きしました。
ホームページもあります。
古代から近代の歴史の話もありますので、
よろしければ、見てください。
また、冒険談などを
あっちこっち雑記に書いていますので、
よければ、こちらも見てください。
生き物だけでなく、色々な情報を書いていきます。
尚、ブログは、古い順に並んでいます。
新しい記事は、右のサイドバーの
最新記事の一番上にあります。
2010年は国連が国際動物多様性年と決めた年です。
まずは、発見された動物の話をします。
以前より、ペットとして人気があり、
流通していたインドネシア・ジャワ島の
淡水性のカニ「バンパイアクラブ」の
2種類(Geosesarma dennerle、
Geosesarma hagen)が、
調査により、新種という事が判明しました。

Geosesarma dennerle

Geosesarma hagen
調査したドイツ在住の
アクアリストの『クリスツィアン・ルカウプ』氏と
ドイツ・レーゲンスブルク大学動物学研究所の
『クリストフ・シューバルト』氏は、
「世界中の水生生物ディーラーは、
顧客が色鮮やかな生き物を、
欲しがることをよくわかっています。
だから、現地のディーラーたちが、
学者がまだ調査をしていない場所で採集を始めると、
突然の新種発見となる。
繁殖している人もいるが、
大半が野生から捕獲されている。
バンパイアクラブは、
狭い地域に住んでいるので、乱獲が心配。
今後は、
商業的に繁殖が行われるようになって欲しい。」 とのこと。
ちなみに、『クリスツィアン・ルカウプ』氏の出身地は、
「バンパイア(ヴァンパイア、ドラキュラ)」で、
有名なルーマニアのトランシルヴァニア地方だそうです。
ちなみに、
吸血鬼の起源は、
古代ローマ、ギリシャ、エジプトにまで、さかのぼりますが、
吸血鬼を、「バンパイア(ヴァンパイア」と呼ぶ様になったのは、
11世紀になってからで、
スラヴ人(ウクライナ、ベラルーシ、ロシア、
スロバキア、チェコ、ポーランド、クロアチア、
セルビア、ブルガリア、リトアニア)が話していた、
スラブ語で、
死からよみがえる人を意味する「バンピル」や.
飲むことを意味する「wempti」から来たと言われています。
ちなみに、
『ドラキュラ』は、
『ブラム・ストーカー』の小説の登場人物ですが、
この小説があまりにも有名になったので、
吸血鬼を意味するようになったそうです。
「ドラキュラ」のモデルは、
15世紀のルーマニアにあったワラキア公国君主
『ヴラド3世(ヴラド・ツェペシュ、ヴラド・ドラキュラ)』ですが、

設定として使われているのは、
『ドラキュラ』というヴラド3世の渾名(ニックネーム)と
その残虐性と出身地がルーマニアという点だけです。
ちなみに、『ドラキュラ』と言えば,
伯爵ということにはなっていますが、
ルーマニアの貴族階級には、この称号は無いそうです。
その上、
『ヴラド3世』は、ワラキア公国の君主なので、
爵位としては、正式には、
伯爵より上の位の大公となります。
『ヴラド3世』は、串刺しによる処刑法が好きで、
2万人を超える敵兵を、
串刺しにして並べた事もあるそうです。
そして、
男性は肛門、女性は陰部に、
木の杭を刺すのですが、
わざと、杭の先端を、鋭くしないで、
自分の重みでどんどん体が下に落ちてきて、
どんどん杭が、体に刺さって来て、
長い間、もがき苦しむのを見ながら、
食事をする事が好きだったそうです。

『ツェペシュ』は姓ではなく、
ルーマニア語で、
「串刺しにする者」という渾名だそうです。
『ヴラド3世』の父『ヴラド2世(ヴラド・ドラクル)』は、
神聖ローマ帝国から、ドラゴン騎士団の騎士に叙任され、
『ドラクル=竜公』と呼ばれていたそうです。
ルーマニアでは、
名前に「a」をつけると、息子という意味なので、
『ドラキュラ』はルーマニア語で、
『竜(悪魔)公の息子』という意味だそうです。
だから、
『ヴラド3世』が、『ドラキュラ』と呼ばれていたのは事実ですが、
『ドラクル』の息子なので、『ドラキュラ』ということです。
ちなみに、『ドラクル』は、
悪魔と言う意味もありますが、
本来は竜という意味なので、
『ヴラド3世』は、『悪魔の息子』ではなく、
『竜の息子』という意味で呼ばれていたそうです。
ちなみに、『ブラム・ストーカー』は、
小説『ドラキュラ』を書いた時、地図や文献で調査しただけで、
実際にはルーマニアには、行ったことがなかったそうです。
ルーマニアでは、
1989年に『ニコラエ・チャウシェスク』政権が、
ルーマニア革命によって打倒されるまで、
小説「ドラキュラ」は、発禁書だったそうです。
だから、ルーマニアの人々は、
最近まで吸血鬼『ドラキュラ』の事を知らなかったそうです。
『ドラキュラ』は、
キリスト教のシンボル十字架を恐れる
反キリストの悪魔ですが、
実際の『ヴラド3世』は、反キリストどころか、
れっきとしたキリスト教徒です。
そして、ルーマニアの地元では、
異教徒のオスマントルコを、撃退した英雄です。
その英雄を化け物扱いされたのですが、
『ドラキュラ』人気で沢山の観光客も来ているので、
地元の人は、微妙な感情をもっているそうです。
ちなみに、英国の『チャールズ3世』は、
『ヴラド3世』と血縁関係があると言っていました。
そして、
ルーマニアのトランシルヴァニア地方
シギショアラにある『ヴラド3世』の生家は、
現在、レストラン「ドラキュラ亭」となっていて、

トマトやイチゴなど赤い食材を使った
心臓や血をイメージした料理があります。


ちなみに、
バベシア、ヘモプロテウス、マラリア、ロイコチトゾーン等、
『ドラキュラ』のように血が好きで、
赤血球や白血球に寄生する生物、
住血胞子虫(住血原虫)がいます。
沖縄の動物病院勤務時代に、
犬のバベシアを治療したことがあります。
動物園で保護したフクロウに、
よくヘモプロテウスが寄生していました。

矢印は、鳥の赤血球に寄生したヘモプロテウス
動物園勤務時代、秋田なのに、
ペンギンにマラリアが感染し、
治療したことがあります。

矢印は、鳥の赤血球に寄生したマラリア
人は、鳥とは、見え方が違います。

紫色の小さな点々が、人の赤血球に寄生したマラリア

人の赤血球に寄生したマラリアの電子顕微鏡写真。
中央の黄色の小さい物体がマラリア。
赤くて大きい物体は赤血球。
動物園勤務時代、
日本で初めて、
住血胞子虫の「 Leucocytozoon Simondi 」(ロイコチトゾーン)を、
保護した渡り鳥(オオヒシクイ)から見つけ、
動物園・水族館の研究発表会で、発表した事があります。

中央の2個が鳥の赤血球に寄生したロイコチトゾーン
発表後、日本大学から依頼があり、標本を貸し出した事があるので、
日本大学の学生さんは、見たことがあるかもしれません。
その時、
日本大学の獣医学科の『井上勇』教授に、
標本の染色が良かったので、
染色のコツを聞かれました。
「染色液は、動物園の上司が、
作製方法に詳しかったので、
市販のではなく、
自分で、染色液のPHに至るまで、
細かく調節して作製しているから。」と答えました。
そして、『井上勇』先生から、お礼という事で、
各種住血胞子虫に感染した鳥の血液標本を、
もらいました。
尚、現在、「 Leucocytozoon Simondi 」の標本を含めて、
全て大森山動物園に置いてあります。
ちなみに、
現在は、忙しくて時間が無いので、
血液や細胞、細菌、真菌の染色は、
市販の物を使用しています。
ちなみに、
動物園・水族館の研究発表会は、
毎年、違う地域が担当になり、
全国大会と地方大会の2回行われていました。
研究発表すると、出張する事が出来て、
その地方の動物園・水族館を視察する事が出来、
そこで獣医や飼育係と顔つなぎが出来たので、
何回でも出張出来るように、
ものすごく沢山の研究発表のテーマを考えていたので、
その中から、
毎年、1-2題の研究発表をしていました。
ちなみに、最後は、
アライグマの先天性脂質代謝異常と
ゾウの薬物動態の研究のため、
血液検査等、各種検査をして、
データーを集めていましたが、
完成する前に動物園を去る事になりました。
ちなみに、現在は、診察に忙しいので、
研究発表をする余裕がありません。
探せば身近な所で新たな発見があるかも。
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