感染予防(2)-狂犬病(4)-狂犬病爆弾-吸血鬼伝説
- 2022/07/07
- 05:05
狂犬病が唾液中に存在する種子によって、
伝染すると仮説を立てました。
1650年、
リトアニアのロケット研究の先駆者、
砲兵将軍『Kazimierz Siemienowicz』は、
南東部の国境地帯は、
タタールなどと、長い間、常に、戦争状態だったので、
戦争を終結させようとして、
狂犬病の犬の唾液を入れた砲弾を、
色々な条件を変えて、発射していたそうですが、
当時の技術では、うまくいかなかったそうです。
『Kazimierz Siemienowicz』は、有名ではありませんが、
狂犬病爆弾が、成功していたら、
人類史上、最悪の人間として、
『アドルフ・ヒトラー』以上に、有名だったと思います。
1804年、ドイツの科学者『Georg Gottfried Zinke』は、
実験で、狂犬病の犬の唾液を、
犬、ウサギなどに、皮下注射したところ、
狂犬病に感染したと発表しました。
ちなみに、
1763年、アメリカ独立戦争に先だつ、
フレンチ・インディアン戦争では、
フランスとネイティヴ・アメリカンの同盟軍と、
イギリス軍が戦った植民地戦争でしたが、
イギリス軍は、病院から、
天然痘感染者の使用した毛布とハンカチーフを取り寄せ、
友好に見せかけて、
ネイティブ・アメリカンに配ったそうです。
ちなみに、
イギリス軍は、人痘法で免疫をつけていたそうです。
19世紀のアメリカの西部では、
アメリカの白人たちが、
森のなかに天然痘や麻疹の患者が使っていた、
毛布や衣類を置いて、
ネイティブ・アメリカンが拾うように、しむけていたそうです。
そして、詳細は不明ですが、
約40万ー150万人のネイティブ・アメリカンの人々が、
天然痘で死亡したそうです。
これらの話は、長くなるので、機会があれば、後日詳しく…。
1725年、オーストリアの首都ウィーンにいた
オーストリア女大公、ハンガリー女王、
ボヘミア女王『マリア・テレジア』に、
セルビアのMedvegiaという村で、
不審な死に方をした4人の村人がいるとの報告が来ました。
報告によると、
4人の村人たちは、全員、死ぬ前に、
「約1カ月前に、
干し草を積んだ車から落ちて、
首の骨を折って、死んだ男『アルノルト・パウル』に、
首を絞められた。」と、言っていました。
『アルノルト・パウル』は、生前、
「セルビアのGossowa付近で、
吸血鬼に襲われたことがあるので、
吸血鬼にならないよう、
吸血鬼の墓の土を食べ、
吸血鬼の血を体に塗った。」と言っていたそうです。
そのため、
『アルノルト・パウル』は、吸血鬼では?と噂されたので、
確かめる事にしました。
そして、『アルノルト・パウル』の墓を掘り返すと、
死体は腐っていなくて、
耳や鼻から血が流れ、爪も生え変わっていたので、
胸に杭を打つと、断末魔を上げたので、
火葬したという事でした。
不審死をした4人の村人たちについても、
掘り起こして同様の処理をしたそうです。
そのため、
オーストリア女大公、ハンガリー女王、
ボヘミア女王『マリア・テレジア』は、
オーストリアの医師『ゲラルド・ファン・スウィーテン』らに、
吸血鬼伝説の調査を、命じたそうです。
そして、調査の結果、
「死体の腐敗には、空気が必要ですが、
深い所に埋めると、空気が少なくて、
約8倍、腐敗が遅れる事がある。
耳や鼻からの血は、
肺の血液から、染み出てきたものの可能性が高く、
体の細胞が、完全に活動しなくなるのは、時間がかかるので
普通に亡くなった後、も爪や髪が伸びる事があり、
体に貯留していたガスが抜けた音が、
断末魔に聞こえる事がある。
死者に首を絞められたと言っていたのは、
心臓や肋間神経痛などの、
胸の病気だったのでは?
そして、吸血鬼伝説は、無知からくる迷信で、
根絶されねばならないものである!」と報告したそうです。
その報告を受けた『マリア・テレジア』は、
1755年、「ヴァンパイア、魔法、魔女など
迷信に基づく行為を禁止する法令」を、発令しました。
魔女裁判については、話がありますが、
ものすごく長くなるので、後日…。
ちなみに、
『ゲラルド・ファン・スウィーテン』は、
吸血鬼ハンター『ヴァン・ヘルシング』のモデルと言われています。
ちなみに、セルビアのMedvegiaという村では、
その事件の後、3ヶ月間で、17人が、突然死したそうです。
吸血鬼伝説の調査結果をまとめる過程で、
『ゲラルド・ファン・スウィーテン』は、
狂犬病についても、調査していて、
狂犬病は、犬の唾液が、
感染源だと考えられると報告したそうです。
ちなみに、
『マリア・テレジア』と愛犬の話がありますが、
長くなるのでその話は、後日…。
ちなみに、
『ルイ15世』も、吸血鬼伝説について、調査した事があるそうです。
それによると、
農民『アーノルド・パオレ』が、オーストリア兵として、戦っていた時、
「戦地で吸血鬼に、噛まれた。」と告白し、
その後、事故死しました。
その後、村の住民が次々と吸血鬼に襲われる事件が発生し、
怪しんだ村人が『アーノルド・パオレ』の墓を暴くと、
死体は腐敗せず、杭を刺すと、死体は悲鳴を揚げ、
血を吹いたそうです。
イギリスで、1944-1949年の間に9人を殺害し、
生き血を飲んでいた吸血鬼の話がありますが、
その話は、後日…。(続く)
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