感染予防(2)-狂犬病(2)-名前の由来
- 2022/06/26
- 05:05
『アンナ・D・クロウ』が、マウス脳を使い、
狂犬病ウイルスの培養に成功しました。
1584年、
イタリアの科学者『ジローラモ・フラカストロ』が、
狂犬病は、
犬に咬まれると感染し、凶暴になるので、
ラテン語の「狂っている rabidus」から、
「狂犬病 rabies」と名付けたそうです。
ちなみに、
狂犬病ウイルスは、ラブドウイルス科リッサウイルス属ですが、
ラブドウイルスのラブドは、
ギリシャ語で、棒(rabdi)と言う意味で、
ウイルスの形から名付けられました。

リッサウイルスのリッサは、猟犬を狂犬に変えた、
ギリシア神話の女神の名前が、由来と言われています。
ギリシア神話によると、
猟師『アクタイオーン(アクタイオン)』は、
狩猟、貞潔の女神『アルテミス』から、
狩猟を学んだケンタウロスの賢者『ケイローン』に、
育てられ、狩猟の技術を学んだそうです。
ある時、猟師『アクタイオーン(アクタイオン)』が、
愛犬50頭の猟犬と、仲間と共に、狩りをした後、
休息のための場所を探していた時、
間違えて、
キタイローン山麓のガルガピアの谷間の、
女神『アルテミス』に捧げられた聖域に、
入り込んでしまいました。
ちょうどその時、ガルガピアの谷間の洞窟の泉では、
狩りの後の疲れをいやすために、
狩猟、貞潔の女神女神『アルテミス』が、
従者のニンフたちと共に、
水浴びをしている最中でした。
そうとも知らずに、猟師『アクタイオーン(アクタイオン)』は、
一人で、ガルガピアの谷間の洞窟の泉に入り、
入浴中の狩猟『アルテミス』の裸体を、
目撃してしまいました。
『アルテミス』は、処女神で純潔であったので、
狩猟、貞潔の女神『アルテミス』は、怒り狂い、
女神の裸を見たと言いふらすことが出来ないように、
猟師『アクタイオーン(アクタイオン)』を、鹿に変え、
狂気の女神『リッサ』に頼んで、
猟犬を狂わせて、
鹿になった『アクタイオーン(アクタイオン)』を、
食い殺させたそうです。
その時、狩り仲間たちは、
『アクタイオーン(アクタイオン)』が、
鹿ということを気が付かなかったので、
猟犬をけしかけていたそうです。
『アルテミス』の怒りは、
『アクタイオーン(アクタイオン)』が、
猟犬に食い殺されるまで、
消えることはなかったそうです。
確かに、狂犬病の犬です。
ちなみに、
リッサウイルスのリッサは、
舌の裏中央にある筋繊維の「リッサ lyssa」を意味するとも言われ、
『ガイウス・プリニウス・セクンドゥス(大プリニウス)』が、「博物誌」で、
「リッサ lyssa」を切断すると、狂犬病に感染しないと書いています。 (続く)
- 関連記事
-
- 感染予防(2)-狂犬病(1)-歴史
- 感染予防(2)-狂犬病(2)-名前の由来
- 感染予防(2)-ルイ・パスツール(7)-狂犬病(3)
- 感染予防(2)-狂犬病(4)-狂犬病爆弾-吸血鬼伝説
- 感染予防(2)-狂犬病(5)-ルイ・パスツール(8)-獣医師『Pierre Victor Galtier』の活躍
- 感染予防(2)-狂犬病(6)-ルイ・パスツール(9)-動物実験取扱注意
- 感染予防(2)-狂犬病(7)-ルイ・パスツール(10)-『Girard』に、初の狂犬病接種!ただし、承認前、厳重注意
- 感染予防(2)-狂犬病(8)-ルイ・パスツール(11)-狂犬病予防注射大成功!『Joseph Meister』
- 感染予防(2)-狂犬病(9)-ルイ・パスツール(12)-狂犬病予防注射成功の陰で…、獣医師『Pierre Victor Galtier』
- 感染予防(2)-ルイ・パスツール(14)-『Joseph Meister』…その後
- 感染予防(2)-狂犬病(11)-治療(1)
- 感染予防(2)-狂犬病(12)-治療(2)-ミルウォーキー・プロトコル(1)
- 感染予防(2)-狂犬病(13)-治療(3)-ミルウォーキー・プロトコル(2)
- 感染予防(2)-狂犬病(14)-治療(4)-ミルウォーキー・プロトコル(3)
- 感染予防(2)-狂犬病(15)-治療(5)-ミルウォーキー・プロトコル(4)