感染予防(2)-ルイ・パスツール(5)-炭疽菌(1)-2人のライバル(1)
- 2022/06/12
- 05:05
ライバルの医師、細菌学者『ロベルト・コッホ』が、
家畜の感染症で、人にも感染する人獣共通感染症で、
致死率が高い炭疽症の原因が、
炭疽菌(Bacillus anthracis)である事を発見したので、
それに刺激を受けて、
1877年より、『ルイ・パスツール』は、
炭疽菌(Bacillus anthracis)について、研究を開始しました。
そして、
『ルイ・パスツール』が、炭疽菌を牛に接種する実験をしていた時、
ほとんどの牛が、炭疽病を発症し、死亡したのに、
2頭だけ完治しました。
そこで、
より毒性が高い新鮮な炭疽菌(Bacillus anthracis)を、
治った2頭に接種してみました。
その結果、
いつまで経っても、病気を発症しませんでした。
『ルイ・パスツール』は、
「炭疽病に感染して治った牛は、
免疫が出来て、
炭疽菌(Bacillus anthracis)に何度攻撃されても。
炭疽病にかかることは無い。」と考え、
それ以降、
「軽い炭疽病にかかれば、感染しても動物は完治し、
炭疽病の免疫ができる。
では、どうすればそれを実現できるのか?
どんな方法を使えば良いのか.?
多くのワクチンを作製するために、
人工的に作製する安全な方法は?」と、
深く考え込み、
炭疽菌(Bacillus anthracis)を、空気にさらしたりなど、
色々な条件で、弱毒化させるための研究を続けましたが、
うまくいきませんでした。
『ルイ・パスツール』は、
ゴチャゴチャしていた頭の中を整理し、
考え方を切り替えるため、
夏季休暇を取ることにしました。
その頃、フランスの獣医師『Jean Joseph Henri Toussaint』が、
石炭酸により、炭疽菌(Bacillus anthracis)の不活化ワクチンを作製し、
アルフォール獣医学校で、20頭の羊で実験を行った結果、
ある程度の成果が得られました。
ちなみに、
フランスのアルフォール獣医学校は、世界初の獣医学校です。
そして、獣医師『Jean Joseph Henri Toussaint』は、
ワクチンの製法を書いたノートを、
封筒に入れて封をして、科学院に提出しました。
しかし、
完全ではなかったので、
獣医師『Jean Joseph Henri Toussaint』は、
『ルイ・パスツール』と共同で研究していた
医師『Pierre Paul Émile Roux』に、意見を求めました。
その時、
『ルイ・パスツール』は、夏季休暇を取っていたのですが、
医師『Pierre Paul Émile Roux』より、
新しいライバル
獣医師『Jean Joseph Henri Toussaint』の実験結果を聞いて、
夏季休暇を中断して、急いで研究に戻りました。
そう言えば、
自分が、オーストラリアのメルボルン動物園で、研修していた時、
メルボルン動物園の園長が、
サーフィンを楽しんだ後、
長期休暇を取り、ヨーロッパに行くけど、
何かあれば、休暇を中断し、戻ってくると言っていました。(続く)
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