感染予防(2)-ルイ・パスツール(3)-微粒子病(2)
- 2022/06/01
- 05:05
カイコの微粒子病の研究していましたが、
1867年、脳卒中で倒れ、左半身不随になりました。
しかし、不屈の精神で、研究を続け、
左手で、フラスコを持つ時は、
右手で左手の指を激痛に耐えながら、
一本ずつ開き、つかんだそうです。
そして、微粒子病は、
微胞子虫(Nosema bombycis )の感染ということを、
発見しました。
そのため、顕微鏡でよく調べて、
微胞子虫(Nosema bombycis )に感染した成虫が、
産んだ全ての卵を取り除いて、
病気の拡大を防ぐ事に成功しました。
1876年、
ドイツの医師、細菌学者『ロベルト・コッホ』が、
1)ある一定の病気には一定の微生物が見出される。
2)その微生物を分離できる。
3)分離した微生物を感受性のある動物に感染させて、
同じ病気を起こせる。
4)そしてその病巣部から、同じ微生物が分離される。という、
「コッホの4原則」により、
炭疽病の原因は、炭疽菌(Bacillus anthracis)であることを発見し、
「伝染病は、特定の細菌によっておきる。」という論文を、
発表しました。
これは、初めて細菌と病原性の関係が、
証明されたものだそうです。
ちなみに、「コッホの4原則」の原案は、
「ヘンレの3原則」と言われています。
『ロベルト・コッホ』は、ゲッティンゲン大学で学んでいましたが、
その時の恩師が、『ヤーコプ・ヘンレ』組織学教授です。
その『ヤーコプ・ヘンレ』が、
1840年に、発表した「ヘンレの3原則」で、
1)ある一定の病気には一定の微生物が見出される。
2)その微生物を分離できる。
3)分離した微生物を感受性のある動物に感染させて、
同じ病気を起こせる。というものです。
しかし、1840年代、
病巣部に特定の微生物が存在する事は、
分かっていましたが、
当時の技術では、
その微生物を単独で分離することが不可能だったので、
「ヘンレの3原則」の証明が、不可能でした。
医師・細菌学者『ロベルト・コッホ』が、
炭疽病の原因を炭疽菌(Bacillus anthracis)と発表したのと同じ頃、
生化学者・細菌学者『ルイ・パスツール』は、
病気の予防のために、政治が大切と考え、
上院議員に立候補しましたが、
残念ながら、落選し、落胆していました。
しかし、生化学者・細菌学者『ルイ・パスツール』は、
ライバルの医師・細菌学者『ロベルト・コッホ』が、
炭疽菌(Bacillus anthracis)を発見した事に影響されて、
政治活動をやめて、再び、研究生活を再開しました。(続く)
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