サイバー犯罪(1)-闇の世界に落ちた天才ハッカー『マックスバトラー(アイスマン)』(4)
- 2022/03/22
- 05:05
偽造カードの取引される闇サイトに群がる犯罪者たちが、
多量のカード情報を、保持していることを見越して、
犯罪者たちのパソコンに侵入し、
自分で作成したウィルスで、
約1万件以上のデータを、入手したそうです。
しかし、『マックス・バトラー(ハンドルネーム:アイスマン)』は、
カード情報を不正に取り扱うサイトの中には、
捜査官や警察への協力者が、多数紛れ込んでいると考え、
常に、不安感を感じていました。
そのため、『マックス・バトラー(ハンドルネーム:アイスマン)』は、
自ら管理できるサイトを構築し、
偽造クレジットカード情報販売を行う事を考え、
「Sherwood Forest」という名前の闇サイトを、
立ち上げる計画を考えました。
そして、
2003年、相棒『クリス・アラゴン』に相談した所、
計画には、賛成でしたが、
「Sherwood Forest」という名前では、
語呂が悪いので、成功しないと言って、
闇サイトは、「カーダーズ・マーケット(Carders Market)」と、
命名されました。
その後、
カード情報を抜き出す事は出来ても、
偽造カードを作る技術が、無かったので、
様々な偽造カードを、
製造、販売している詐欺集団と手を組み、
少しづつ偽造カードの販売などを始めました。
そして、不正に入手したカード情報を元に、
偽造クレジットカードを作成し、商品を買い漁り、
それを、サイトでディスカウント価格で、
売りさばいて、荒稼ぎしたそうです
当時、
アメリカでは、『マックス・バトラー(ハンドルネーム:アイスマン)』の
「カーターズ・マーケット」以外に、
偽造カード販売で、利益を得ていたサイトは、5つありました。
そして、
「ライバルサイトを潰せば、収益を上げれる。」と考え、
他の5つのサイトへの攻撃を行ったので、
激しいサイバー戦争が、勃発しました。
『マックス・バトラー(ハンドルネーム:アイスマン)』は、
サイバー犯罪のプロ集団のライバルサイトを、
徹底的に叩きつぶす事が、
ゲーム感覚で、楽しくて仕方なかったので、
ほとんど寝ないで行い、
最終的には、
5つのサイトを、全滅させる事に成功しました。
そして、『マックス・バトラー(ハンドルネーム:アイスマン)』は、
一度叩き潰した後も、ライバルサイトに、
度々侵入しては、アカウントを消したりなど、
嫌がらせ行為を、繰り返していました。
当然、ライバルサイト側も、応戦していました。
しかし、ライバルサイトの一つ「ダーク・マーケット」の
主催者『ハンドルネーム:JiLsi』は、
『マックス・バトラー(ハンドルネーム:アイスマン)』と、やり合うことに疲れて、
仲間の『ハンドルネーム:マスタースプリンター』に、
サイトの運営を、任せる事にしました。
しかし、『ハンドルネーム:JiLsi』は、知りませんでしたが、
実は、
『ハンドルネーム:マスタースプリンター』の正体は、
「カーターズ・マーケット」の
首謀者『ハンドルネーム:アイスマン』を特定し、
逮捕しようとして、
アンダーグラウンドに潜入し、調査をしていた、
FBI捜査官『キース・ムラスキー
(ハンドルネーム:マスタースプリンター)』でした。
『マックス・バトラー(ハンドルネーム:アイスマン)』は、
「ダーク・マーケットに、FBI捜査官が紛れ込んでいる。」という噂を、
耳にしたので、
「ダーク・マーケット」が、ホストしているサーバに、侵入しました。
そこで、『ハンドルネーム:マスタースプリンター』のIPアドレスが、
「Pembrooke Assosiates」という企業から、
接続されている事が分かり、
さらに調査していくと、
FBI などが協力して設立した共同経営企業
「National Cyber Forensics and
Training Alliance (NCFTA) 」と関係がある事が、分かりました。
そして、『マックス・バトラー(ハンドルネーム:アイスマン)』は、
集めた情報を分析した結果、
『ハンドルネーム:マスタースプリンター』が、
FBI 捜査官であるという事に、気が付きました。
『マックス・バトラー(ハンドルネーム:アイスマン)』は、
『ハンドルネーム:マスタースプリンター』を、
サイバー空間での人民裁判にかけるという事で、
メンバーを招集しました。
しかし、間一髪で、『キース・ムラスキー
(ハンドルネーム:マスタースプリンター)』は、
『マックス・バトラー(ハンドルネーム:アイスマン)』が、
自分の正体を見破った事に気が付き、
急いでドメイン名の情報を、書き換えるなどして、
証拠隠滅を、行いました。
そのため、
『マックス・バトラー』のサイバー空間での人民裁判に、
招集されたメンバーが、調査を開始した時には、
すでに、
『ハンドルネーム:マスタースプリンター』とFBIと結びつける情報は、
跡形もなくなっていました。
『マックス・バトラー』は、
日頃から、周囲の人たちを、
FBI 捜査官や情報提供者と言っていたので、
またか!と思われてしまいました。(続く)
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