『ハンドルネーム:アイスマン』の正体が、
『マックス・バトラー』と分かり、いつでも逮捕出来る状態になりました。
そして、
『クリス・アラゴン』に、『ハンドルネーム:アイスマン』の正体が、
『マックス・バトラー』と分かったと伝えました。
すると、
『クリス・アラゴン』は、
「『マックス・バトラー』は、
クリックひとつで、ハードディスク内の証拠を、
一瞬にして消去する仕組みを構築している。
ハードディスク内のデータは全て暗号化されていて、
それらの復号キーは、パソコンの電源を落とせば、
コンピュータのメモリーから、消えるので、
パスフレーズを忘れたと言えば、証拠は無くなる。」と言いました。
そのため、
『マックス・バトラー』のパソコンが、稼働している時に、
身柄確保する必要性がありました。
そのため、24時間体制で、
『マックス・バトラー』の生活リズムの監視が行われました。
監視には、『マックス・バトラー』に気が付かれないように、
電話やインターネットを使用せず、
メモ用紙など、アナログ的に行われていたので、
『マックス・バトラー』は、インターネット上では無敵でしたが、
監視されている事は、知らなかったので、
油断していました。
そして、
『マックス・バトラー』は、
時々、パソコンの電源を入れたまま、
ベットで寝ている事が、分かりました。
そして、2007年9月、
パソコンのモニターのライトが部屋から漏れて、
『マックス・バトラー』が、寝ているのを確認して、
捜査員が突入して、逮捕となりました。
幸いにも、パソコンは、電源が入ったままの状態でした。
『マックス・バトラー』は、かなり動揺したのですが、
「自分より能力の高いハッカーは、いないので、
自分のパスフレーズは、
絶対に分かるはずがない!」と自信を持っていたので、
データの復号は、100%不可能だ!と考えていたそうです。
ちなみに、
パスワードは、通常8-10文字程度ですが、
パスフレーズは、セキュリティを高くするため、
数十文字以上の長い文字列から構成されているので、
それを解明するのは、かなり困難です。
しかし、裁判が始まり、
担当検事『ルーク・デンボスキー』から、
「!!One man can make a difference!」と、書かれた紙が、
『マックス・バトラー』の担当弁護士に、渡されました。
そして、『マックス・バトラー』は、担当弁護士から、
この紙を見せられると、「信じられない…」と言った後、
顔が、どんどん青ざめていきました。
実は、「!!One man can make a difference!」は、
『マックス・バトラー』の暗号化されたデータを、
復号するためのパスフレーズでした。
そして、『マックス・バトラー』は、独房に戻った後、
長時間、狂ったように、わめきながら、大泣きしたそうです。
『マックス・バトラー』のパソコンには、
カード情報や数多くのハッキングツールなど、
約180万件以上の情報があり、
データ総量は、5テラバイトだったそうです。
そして、
このことを聞かされた『クリス・アラゴン』は、
余生を思った以上に楽しく過ごせるだけのカード情報を、
『マックス・バトラー』が、持っていたということを、
この時に、はじめて知って、驚愕したそうです。
『クリス・アラゴン』は、
「『マックス・バトラー』は、お金には、無頓着だった。
『マックス・バトラー』は、単にハッキングする事だけが、
趣味だったんた。」と言いました。
実際に、『マックス・バトラー』も、
「『クリス・アラゴン』は、約1億円以上稼いだので、
稼ぎの半分はもらえると思っていたけど、
そういうことは、一度もなかった。
でも、楽しかった。」と言っています。
ちなみに、『マックス・バトラー』を、
有罪にできる証拠がそろったので、
『クリス・アラゴン』に、
捜査協力という形での司法取引を求める必要性が、
なくなったので、
『クリス・アラゴン』には、
司法取引なしの懲役25年が言い渡されました。
そして、『マックス・バトラー』の裁判では、
約200万件近くのクレジットカード番号を盗み、
約101億円の被害額を与えたと言われましたが、
『マックス・バトラー』は、
そのような多額の金額を得ていないと反論しました。
ちなみに、『マックス・バトラー』が、逮捕された時、
口座には、約936万円ほどしかなかったそうです。
そして、
サイバー犯罪史上最も重い、
懲役13年、
被害者へ約32億円の損害賠償が、命じられました。
これは刑が軽い様に見えますが、
『マックス・バトラー』が、非常に捜査に協力的だった事と、
捜査関係者が、『マックス・バトラー』の人間性に、
魅了されたからと言われています。
実際に、
事件を担当した検事『ルーク・デンボスキー』は、
裁判前に被告席にいる『マックス・バトラー』の所に行き、
握手を求めたそうです。
ちなみに、
アメリカの司法制度では、
被告人がいくら稼いだかではなく、
被害者がどれほどの不利益を被ったのかという視点で、
量刑が言い渡されるので、
約100億円の被害額に対してなので、
約30億円の賠償だそうです。
『マックス・バトラー』は、
「今回の事を、反省している。
でも、自分は有用で、
中国軍のネットワークや軍事産業に侵入出来る。
アルカイダをハッキング出来る。」と、
レポートを書き上げ、
刑期の短縮を願い出たそうです。
FBI捜査官『キース・ムラスキー
(ハンドルネーム:マスタースプリンター)』は、
宿敵『マックス・バトラー』の能力を認めていたので、
サイバー犯罪に関する情報共有、捜査支援、
被害防止のアメリカの非営利団体「NCFTA 」で、
講演を依頼したそうです。
そして、『マックス・バトラー』は、
2019年に、刑務所から出所し、
心から、猛反省し、
再び、「ホワイト・ハット・ハッカー」となり、
今度は、ダークサイドに落ちない様に気を付けて、活躍しているそうです。(続く)
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