動物を愛するギャング(1)-動物好きのギャングで、戦争の英雄『モンク・イーストマン』
- 2021/08/01
- 05:05
『モンク・イーストマン(エドワード・オスターマン)』は、
レストラン経営者の子供として、
1875年に、アメリカのブルックリン生まれました。
ちなみに、アメリカのギャングは、現在、150万人いますが、
元々、スラム街のアイルランド人と
イタリア人のカトリック教徒で構成されていたそうです。
しかし、
東ヨーロッパなどのユダヤ系移民が多くなり、
ギャングは、ユダヤ系の割合が多くなり、
現在は、メキシコなど南米系のギャングが、
増えているそうです。
『モンク・イーストマン』は、
ペットショップを任され、働いていたのですが、
売り物用の動物に愛着が、湧いてしまい、
売り渋りなどが原因で、売り上げが伸び悩み、
ペットショップは、潰れてしまったそうです。
その後、ニューヨークに移住し、
有名クラブ「ニューアーヴィング・ダンスホール」の用心棒を務め、
約120cmの棒を持って、ホールを周回していたそうです。
すぐに、頭角を現し、
構成員千人以上のギャング集団
「イーストマン・ギャング」のリーダーになり、
賭けトランプ、管理売春、スリや略奪犯罪からの上納金、
政治組織への武力サービスなどで、
半年で、約50人を、病院送りにしたそうです。
そのため、
近隣の病院の看護師たちは、
緊急病棟を、「イーストマン・バビリオン(イーストマンの部屋)」と、
呼んでいたそうです。
そんな時でも、『モンク・イーストマン』は、
近所を散歩中に見つけた猫や傷ついた鳩を拾い、
コートの中に入れて、持帰ったので、
自宅には、数十頭の猫、
屋上に数十羽の鳩を飼って、
肩や頭に、いつも鳩を乗せて、散歩していたそうです。
そして、ペットショップを開業し、
ギャング稼業が本格化した後も、
ペットショップは、続けたそうです。
そして、
労働運動に最初に介入したギャングと言われ、
ストライキをする労働者やスト破りをする者を、
病院送りにしました。
誰を襲うかは、
誰が多く金を多く払ったかによって、決まったそうです。
1904年、『モンク・イーストマン』は、傷害罪で逮捕され、
留置場にいる間に、「イーストマン・ギャング」は、解散してしまいました。
そして、
「イーストマン・ギャング」は、1909年に出所した後、
強盗、アヘン密売などを行い、数回服役したそうです。
そして、
1917年、『モンク・イーストマン』は、
第一次世界大戦で、
アメリカ陸軍第106歩兵隊"オライアンズ・ラフネックス"に入隊しました。
『モンク・イーストマン』は、ものすごく戦争に向いていたらしく、
フランスで、ドイツ相手に最前線を死守し、
敵の砲台陣地を撃破したり、
負傷した戦友を助けるため、
危険な場所に飛び込むなど、大活躍しました。
そして、戦友と固いキズナで結ばれたそうです。
1919年、終戦で除隊しアメリカに戻ると、
『モンク・イーストマン』は、戦争の英雄として迎えられました。
そして、
1920年12月26日、深夜から明け方まで、
『モンク・イーストマン」が、仲間6人と飲んでいましたが、
酒密造取締官『ジェリー・ボーハン』と金のことで、
言い争いになりました。
そして、
その場を去ろうとする『ジェリー・ボーハン』を、
『モンク・イーストマン』が、追いかけて、
侮辱の暴言を発しながら、
コートの内側ポケットに手を伸ばしました。
そのため、反射的に、
『ジェリー・ボーハン』は、5発撃ちました。
そして、
『モンク・イーストマン』は、死亡しました。
『モンク・イーストマン』は、銃を持っていませんでした。
3日後、『ジェリー・ボーハン』は、自首しました。
そして、『ジェリー・ボーハン』は、有罪となり、
最長10年刑で、シンシン刑務所に送られましたが、
『モンク・イーストマン』の死に、多くの不審点があるとして、
審理差戻しとなり、
17か月後には、釈放され、真相は闇に葬られました。
『モンク・イーストマン』の遺族が、葬式を拒否したため、
固いキズナで結ばれた戦友たちが、
「大統領より国に貢献したこの男に、
国民は報いていないどころか、
ギャング呼ばわりしている。
我々は、
アメリカを救った貢献に、ふさわしい葬式で、
送ってやるべきだ!」と、
新聞にメッセージを載せ、葬式の募金を募りました。
そして、1920年12月30日、約1万人の群衆が見守る中、
軍葬の礼により、サイプレス・ヒル墓地に、埋葬されました。
そして、墓石には、
「Our Lost Pal, Gone But Not Forgotten
(大切な仲間を失ったけど、
君の事は、永遠に忘れない。)」と刻まれました。(続く)
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