不食(6)-未来のための冬眠
- 2021/05/10
- 05:05
特殊な場合ではなくても、
人間は、ツキノワクマなどの様に、
冬眠ができるのかを研究するために、
ジュウサンセンジリス、トビイロホオヒゲコウモリ、
ヒメハリテンレック、
そして、
人間と遺伝子が約97%が共通している
霊長類ハイイロネズミキツネザルの4種の冬眠動物について、
研究しました。
これらの遺伝子を解析したところ、
いずれの種も独自に、
「並行加速領域」という、非コードDNAを、
発達させていることが明らかになったそうです。
「並行加速領域」は、
人間の肥満に関係するとされる、
遺伝子のすぐ近くに、多く存在すると言われているので、
肥満と問題の「並行加速領域」とのつながりを解明するため、
肥満になりやすいことで知られている遺伝子疾患の
「プラダー・ウィリ症候群」に関連する遺伝子を、解析したそうです。
「プラダー・ウィリ症候群」は、
1万5千人に1人の割合で発生する遺伝子疾患で、
筋緊張低下、性腺発育不全、知的障害、
肥満を四徴とする症候群で、
生まれたばかりの頃は、力が弱くうまく母乳を吸えないのですが、
成長すると、食欲を抑えることが、出来なくなり、
肥満となる事が多いそうです。
そして、「プラダー・ウィリ症候群」は、
特定の事物に固執する傾向があり、
一般人に比べて、約3倍の速さで、
ジグソーパズルを組む事が出来るそうです。
調査すると、
「プラダー・ウィリ症候群」に、
関係しているとされる遺伝子の近くに、
「並行加速領域」が、たくさん存在していることが、
明らかになったそうです。
『エリオット・フェリス』は、
「この結果が示しているのは、
冬眠に関係する遺伝子が、
人の肥満と関係する遺伝子のそばに、
たくさんあるということです。
冬眠するためには、沢山の脂肪を体に、
貯めなければいけません。
人間と冬眠動物のデータを合わせることで、
哺乳類のゲノムの中に備わっている、
肥満調整マスタースイッチの候補を、
見つけることができました。」と言っています。
そして、
カナダのカールトン大学では、
特に、霊長類の冬眠能力に着目し、
人間と遺伝子が約97%が共通している
霊長類ハイイロネズミキツネザルの研究を、
しているそうです。
冬眠能力を持つ霊長類ハイイロネズミキツネザルは、
栄養豊富な時期に、尻尾に脂肪を溜めて、
乾季で、餌が不足したり、気温が下がったりすると、
年間最大8ケ月間、尻尾に脂肪を使い、
体温を大幅に下げることなく、
冬眠状態に入るそうです。
ハイイロネズミキツネザルは、
周りの環境の変化に応じて、
遺伝子発現の制御に深く関係している、
マイクロRNAのオン/オフをしているそうです。
マイクロRNAのいくつかは、
冬眠中の筋肉の消耗と関係があり、
マイクロRNAのオン/オフを利用すれば、
脂肪分解に関わる遺伝子を、
何らかの形で抑制し、
炭水化物を処理する遺伝子を制御し、
冬眠すると考えられていて、
研究が進められているそうです。
そして、
硫化水素は、
大量になると死に至りますが、
実験で、硫化水素を調節した環境に、
マウスを入れると、
一時的に冬眠状態となり、
通常は生命維持できない低酸素の環境で、
何時間も生き延びる事が、分かりました。
これは、硫化水素分子が、酵素に結合し、
酸素を遮断するので、
酸素が必要なミトコンドリアの活動性が落ちるので、
代謝が低下し、
冬眠状態をになったと考えれられています。
そして、
冬眠状態からマウスを起こすために必要だったのは、
硫化水素をマウスから取り除くのみで、
その後の行動にも神経にも、異常は無かったそうです。
冬眠中の動物は、
正常時と比べて数%まで酸素消費量が低下し、
外気温よりも数度高い程度の低体温を呈しますが、
障害も無く、元の状態に戻ります。
そして、筑波大学では、
通常冬眠しないマウスの脳の視床下部の一部の
神経細胞群をを興奮させると、
マウスの体温、代謝が、数日間にわたって、
著しく低下し、冬眠に似た状態になる事を発見しました。
この神経細胞群を、
Q神経(Quiescence-inducing neurons
休眠誘導神経)と名付け、
このQ神経を刺激することにより生じる低代謝を、
QIH(Q neuron-induced hypometabolism)と名付けました。
QIH中のマウスは、動き、摂食が、ほぼ無くなり、
低体温となりました。
さらに、休眠しないラットのQ神経を興奮させたところ、
マウスと同様な低代謝が確認されました。
哺乳類に広く保存されているQ神経を選択的に刺激することで、
冬眠を通常はしない動物に、
冬眠様状態を誘導できることが明らかとなり、
人間でも冬眠を誘導できる可能性が、示唆されました。
太陽は、水素を燃料に核融合反応で輝き続けているので、
水素がなくなる、約50-76億後には、寿命が来ます。
太陽は、1億年に、1%ずつ明るくなり、
太陽が、誕生してから、
現在までに、明るさが、30%増したと推測されています。
核融合反応が起こると、
膨張させようとする力が生じますが、
太陽には重力があるので、
内側に収縮しようとする力も同時に働いてるので、
現在の太陽は、膨張と収縮の力が、
バランスよく保たれているそうです。
現在は、太陽の中心部で、
水素を使って、核融合反応が行われていますが、
中心部で、水素が使い果たされると、
外側で核融合反応が始まります。
すると太陽の外側部分で、
核融合反応による膨張の力の方が、
重力の収縮させる力よりも大きくなり、
約5億年後には、徐々に太陽は膨張し始め、
やがて、太陽が大きくなり、
地球の近くにまで来るので、
異常に暑くなり、海が蒸発し、
約17ー23億年後より前には、
地球は、生物が住めない環境になっていると推測されています。
でも、
もしかすると、その頃には、地球より遠い、
土星などが、生物が住める環境になっているかもしれませんが、
その数億年後には、太陽が無くなります。
その上、地球のある「天の川銀河(銀河系)」は、
250光年離れた「アンドロメダ銀河」と少しづつ近づいているので、
約40億年後には、衝突すると考えられています。
そうすると
星々がお互いの軌道を狂わせ、混沌とした状態に陥いり、
太陽の寿命前に、太陽系が無くなる可能性もあります。
そのため、
自立できる移動式宇宙ステーションで、
何世代も生きていけるシステムをつくり、
生活できる新しい移住先の星を探す必要があります。
その為には、何光年もかかる宇宙探検が必要です。
しかし、
何光年もかかるような、遠い宇宙を探検するには、
ワープ航法が実用化しない限り、人工冬眠状態が必要ですが、
長期間、動かない事による筋力低下予防など、
まだ、何億年も時間はありますが、
戦争をしたりなど、時間や労力を無駄にしないで、
全世界一致団結して、
研究を進める必要があります。(続く)
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