不食(5)-雪の中で-人の冬眠
- 2021/05/09
- 05:05
生き延びられる限界の生死を分けるのは、72時間と言われますが、
2012年2月17日、スウェーデン北部で、
幹線道路から1km以上離れた林道の奥で、
偶然、スノーモービルで通りかかった男性が、
積もった雪の下に、車の屋根があるのに気づき、
雪を払って車内を見ると、
何かが動いているのが見えたので、
すぐに、警察に通報し、警官や救急隊員らによって、
車の中に、閉じ込められていた45歳の男性が、
救出されました。
現場は気温が、-30℃まで下がる所で、
男性は車の後部シートで寝袋にくるまり、
食料のない中で、
2011年、12月19日より、約2か月間、
雪だけを食べて過ごしていたそうです。
発見当初は、体温が、約31度で、
ひどく衰弱していましたが、
ウメオ大学病院に運ばれて、治療を受けた結果、
回復したそうです。
男性を治療した医師は、
「生きていたのは、驚くべきことだ。
体温は31℃前後だったので、
そのおかげで、体力の消耗が抑えられたのだろう。
一種の冬眠状態にあったことで、
長期間生き延びられたのではないか?」と話しています。
救出された男性が、車に閉じ困られていたのは、
男性が、自然愛好家で、
ヘラジカの撮影をするために林道を通り、
雪に閉じ込められたとか、
借金が約1890万円あり、
うつの傾向があったことなどから自殺の可能性があるなど、
色々な事が、言われていますが、詳細は不明です。
スウェーデンのウプサラ大学の『Tommy Cederholm』教授は、
「人間は、食料が、無くても、水だけで最長60日間は、
生存が可能です。
実際に、1981年、IRAの『Bobby Sands』受刑者が、
北アイルランドの獄中で、
英統治に対するハンガー・ストライキを続け、
66日目で、死亡したと言う例があります。」と話しました。(続く)
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