微生物の知性(2)
- 2021/05/03
- 05:05
フランスのトゥールーズ大学の研究チームが、
1つのシャーレに、モジホコリを入れ、
もう1つのシャーレに餌を入れ、
2つのシャーレの間に、小さな橋を作成し、
橋の途中に障害物として、モジホコリの嫌いなカフェインを配置しました。
そして、試行錯誤しながら、
モジホコリは、橋上のカフェインを、嫌って避けて移動しました。
モジホコリは、数日後には、
橋上のより安全な最短ルートを、移動するようになりました。
そして、
今度は、橋の上の安全な最短ルートを覚えた少数のモジホコリと、
学習していない多くのモジホコリと結合させ、
再び同様な実験を行いました。
すると、変形菌の群体は、
障害物の場所を正確に知っているかのように、
橋を渡ったそうです。
今度は、カフェインを塩に変えて、
別のモジホコリに、学習させたそうです。
そして、学習した少数のモジホコリと、
学習していない多くのモジホコリと結合させ、
再び同様な実験を行いました。
すると、変形菌の群体は、同様に、
障害物の場所を正確に知っているかのように、
橋を渡ったそうです。
これは、学習していない多数のモジホコリが、
学習している少数のモジホコリに短時間で同化し、
橋上に、カフェインや塩があるという知識が、
新たに結合したモジホコリに、
渡され、共有された事を暗示しています。
脳がない単細胞生物の変形菌(粘菌)のモジホコリが、
迷路を解決する知能を、共有したという事は、
生物が進化の過程で知能を進化させたカギ、
あるいは未来のコンピュータが、
獲得すべき知性の根源に迫るカギとされていて、
さらなる研究が進められているそうです。(続く)
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