首を斬られた場合(2)-首なし鶏マイク-[閲覧注意]
- 2021/04/23
- 05:05
今回と次回の話は、
ショッキングな写真や映像があるので、閲覧注意!
昔から日本では、
シロウオ、ドジョウやタコ、イカの踊り食いや、
生きたままの魚やエビを、
調理して食べると言う活け造りがあるので、
踊り食いや活け造りは、虐待性があるとの認識は、
ほとんどありません。
ちなみに、
ドジョウ豆腐というのを聞いたことが、
あるかもしれません。
鍋に水と生きたドジョウを入れ、
過熱して、ある程度熱くなった所で、
冷たい豆腐を入れると、
熱さに耐えきれないドジョウが、
冷たい豆腐の中に逃げ入り、
そのまま豆腐と共に煮えあがる。
その昔、
肉食が許されなかった僧侶が、
周囲から、湯豆腐を食べているようにしか見えないので、
好んで食べていたと言われていますが、
実際、調理すると、
ドジョウが、豆腐の中に入る事無く、
そのまま、煮えてしまうそうです。
そして、入りやすいように、
あらかじめ穴を開けた豆腐を用意しても、
あまり、ドジョウが、豆腐に入らないそうです。
ちなみに、1594年、
『豊臣秀吉』の命により、
盗賊『石川五右衛門』が、
処刑される前に、
「石川や 浜の真砂は 尽くるとも
世に盗人の 種は尽くまじ
(自分は死んでも、
泥棒はいなくならない。)」と辞世の歌を詠んだ後、
母や子供などの家族9人以上と一緒に、
釜茹でされて、処刑されたと、
公家『山科言経』、スペイン人の貿易商
『ベルナルディーノ・デ・アビラ・ヒロン』ら複数の人々が、記録しています。
ちなみに、
ユダヤ教やイスラム教では、
殺してからなら、良いが、
生きたままの動物を食べることは、
禁忌とされています。
ちなみに、
オーストラリアでは、
食材を生きたまま料理する様子を、
公衆に見せることは、処罰の対象となっています。
『藤子・F・不二雄』先生の漫画「ミノタウロスの皿」は、
人間に酷似しているイノックス星人『ミノア』が、
自分を食べているイノックス星人ズン類から、
賞賛の言葉を聞く事が、
最高の栄誉であると誇りに思っているので、

人工心肺で意識を保ったまま、
活け造りの状態で、食べられる事を、
希望するという、考えさせられる衝撃的な話です。
でも、漫画や、
魚やエビなら、首を切られても、
動くことがあると思いますが、
鳥や哺乳類なら、普通に考えれば、
司教『サン・ドニ(ディオニュシウス)』のように、
首を切られても生きている事は、無いと思いますが、
鶏では、首を切られても、生きたと言う事例があります。
1945年9月10日、アメリカのコロラド州フルイタに住む、
『ロイド・オルセン』さんと妻『クララ』さんは、
自分たちの農場で、精肉市場に出すため、
『ロイド』さんが、斧で鶏の首を切断し、
『クララ』さんが、清掃するという作業をしていました。
そして、
今日の夕食用にと、生後5ヶ月半程の鶏を、
普段のように斧で、鶏の首を切断しました。
首を切断された鶏は、フラフラと歩きながら、
寝床である鶏舎へ戻って行きました。
『ロイド』さんは、鶏の首を切断しても、
時々、反射運動で、数分位なら動くこともあったので、
別段、気にしませんでしたが、
食べる気が失せて、そのままにしたそうです。

翌朝、『ロイド』さんが、鶏小屋を確認したところ、
首のない鶏は、生きていて、
落とされた頭を羽で抱くようにして、寝ていました。
そして、
頭部がないにもかかわらず、
普段のように餌をつつく動作や、
羽を取り繕う動作をしたそうです。
『ロイド』さんは、感心し、
その鶏を飼う事を決めました。
そして、口が無いので、
自分で食べる事は、出来なかったので、
毎日、スポイトで、切断面にある食道に、
餌と水を与えたそうです。

そして、
『オルセン』さんは、鶏肉を売りに精肉市場に行く時、
首のない鶏も積み込みました。
そして、知人たちに、
「首がなくても生きている鶏がいるかどうか?」と質問し、
ビールなどを賭けたそうです。
知人たちは、
そんな事は、無いと言いましたが、
結果、『オルセン』さんに、
ビールをおごる事になりました。
そして、「首のない鶏」の事が、
人々の話題となっていったので、
『オルセン』さんは、
「首のない鶏」に、
『首なし鶏マイク』と名付けました。
そして、『ロイド』さんは、
『首なし鶏マイク』を、検査のため、
ユタ大学に連れて行きました。
ユタ大学では、
驚きの色を隠せませんでしたが、
「首を切断する時、
頚静脈が凝固した血液によって、
運良くすぐに止血されたので、
出血多量にならず、死を免れた。
また、脳幹などの大部分が体内に残ったため、
奇跡的に命をつなぎとめたのだろう。」と推測しました。
そして、金になると踏んだ
見世物小屋のプロモーターの『ホープ・ウェード』さんが、
『オルセン』さんを訪ねてきて、
『オルセン』夫婦と『首なし鶏マイク』や、
双頭の牛など他の動物たちと一緒に、
全米で、見世物興行をしました。
ちなみに、『首なし鶏マイク』と一緒に、
『首なし鶏マイク』の切られた鶏の頭と言って、
ホルマリン漬けにされた鶏の頭も、
一緒に展示されたそうですが、
実は、
『首なし鶏マイク』の頭は、
首を切断した時に、猫に食べられたそうです。
ちなみに、
人は、鶏の頭は、食べないかもしれませんが、
小動物は、食べます。
動物園勤務の時、
鶏の頭は、狐などの小動物や、
猛禽類に、半分に割ったり、
ミンチにしたりして、与えていました。
その後「奇跡のマイク」としてLife誌など取り上げられ、
アメリカで、最も有名な鶏となりました。
そして、全米で、鶏の首斬りブームが起きましたが、
1-2日以上生きていた鶏は、いなかったそうです。
『首なし鶏マイク』の見学料は、25セントで、
1ヶ月で、約500万円以上の収益を上げたそうです。
そして、
『首なし鶏マイク』の価値を試算した時、
約数百万円以上だったそうです。
ちなみに、『オルセン』夫婦は、儲かったお金で、
干し草梱包機と2台のトラクターを購入し、
馬とロバを買い、シボレー小型トラックも買ったそうです。
しかし、動物愛護協会が、
首のない鶏を生かしておくのは、
虐待だと非難して、
『首なし鶏マイク』を、調査しましたが、
苦痛を感じる脳が無いので、
苦痛はないと断言したそうです。
その後、『首なし鶏マイク』は、
体重は、首を切断する前の、
4倍にまで成長したそうです。
そして、1947年3月、
興行中のアリゾナ州で、『首なし鶏マイク』は、
トウモロコシの粒を喉につまらせ、窒息死しそうです。
それは、首を切断されてから、
18か月たっていました。
『首なし鶏マイク』の死後、
ギネス記録に首がないまま、
最も長生きした鶏として、記録されたそうです。
ちなみに、死んだ『首なし鶏マイク』は、
アリゾナの砂漠に埋葬したそうですが、
野生動物に、食べられたそうです。
そして、『首なし鶏マイク』の故郷であるフルイタでは、
毎年5月の第3週末日を、
「Mike the Headless Chicken Festival
(首なし鶏マイクの日)」として、
エッグレースなどのお祭りがあり、

頭が無くても生き続けた
『首なし鶏マイク』の生命力を讃えているそうです。

また、『首なし鶏マイク』のTシャツや

像もあるそうです。

『首なし鶏マイク』について研究した、
ニューキャッスル大学『Smulders』博士は、
「首を切り落とすと、脳と胴体の接続が遮断されます。
短期的には脊髄の回路に酸素が残っているため、
ニューロンが活発化して足が動くことがあります。
ただし、通常15分程度のもので、
何時間もこの反応が続くことはありません。
おそらく、脳は80%近く残存していて、
心拍度数や呼吸、消化をコントロールする機能は、
手つかずだったのでは?」と推測しました。
2018年、タイで、
鶏が、動物に襲われたので、治療してくれと言って、
頭の無い鶏が、
獣医師『スパカディー・アルン・トン』の動物病院に、
運び込まれました。
そこで、首の断面に、抗生剤を塗布したり、
流動食を与えたりして、2週間生きたので、

その後、僧侶らが、
「この鶏が生きている限り、世話を続ける。」と言って、
世話をしているそうです。
見ない方が良いと思いますが、
YOU TUBEで、動物病院のスタッフが、経過の話をしています。
ただし、タイ語でしゃべっています。
自分は、タイで、アジアゾウに乗った事がありますが、
タイ語は、男性語とか女性語があり、難しかったです。
例えば、
「サワッディー クラッ(プ)/カー(こんにちわ)」は、
「サワッディー」は、「こんにちは」ですが、
言葉の最後に、
日本語の、「~です」「~ます」と同じ感じの意味で、
男性の場合は、「クラッ(プ)」、
女性の場合は、「カー」を付けます。
次回、
漫画「ミノタウロスの皿」のイノックス星人『ミノア』のように、
人工心肺で、頭だけでも、
意識を保てるのか?の話をしますが、
今回以上に閲覧注意です。(続く)
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