日本の革命事件(2)-三島事件(3)
- 2020/12/27
- 05:05
総監室のバルコニーに、『三島由紀夫』が、
「楯の会」の『森田必勝』を従え、出てきました。
『三島由紀夫』と「楯の会」の会員の額には、
「七生報國(七たび生まれ変わっても、
朝敵を滅ぼし、国に報いる)」と、
書かれた日の丸の鉢巻がありました。
集まった自衛官たちは、
「『三島由紀夫』だ!」、「何やってんだ?」、
「ばかやろう!」、「出て行け!」など怒号が鳴り響きました。
『三島由紀夫』は、白い手袋の拳を振り上げて、
「おまえたち、静かにしろ!
俺の話を、耳を傾けて、よーく聞け!
男一匹が、命をかけて、諸君に訴えているんだ。
アメリカ人が作った日本の憲法を、
破棄して、
新しく、日本人が、日本人のための憲法を作るべきだ!
今、日本人の自衛隊が立ち上がらなきゃ、
永久に憲法改正ってものはないんだ!
このままだと、
日本の自衛隊は、アメリカの軍隊になってしまうんだぞ!
俺は自衛隊が、立ち上がる日を、
4年間、ずっーと待っていたんだ。
諸君は武士だろう。
武士ならば、自分を否定する憲法をどうして守るんだ。
どうして、自分を否定する憲法のために、
自分らを否定する憲法に、ぺこぺこするんだ。
ココで立ち上がらないと、
諸君たちは永久に救われんのだぞ。」と、
絶叫しながら、演説しました。
ちなみに、
2020年、アメリカ大統領になった
『ジョー・バイデン』は、
2016年8月15日、
宿敵『ドナルド・トランプ』を、批判する中で、
「日本が核保有国になり得ないとする
日本国憲法を、
私たちアメリカ人が書いたことを、
『ドナルド・トランプ』は、知らないのか?」と言っています。
自衛官たちは一斉に、
「引っ込め!」、「おまえは、馬鹿か!」、
「おまえは、何様だ!」、
「何の権利があって、
おれたちの大切な時間を、無駄にするんだ!」、
「下に降りてきてしゃべれ!」、
「おまえなんかに、何が解るんだ!」、
「何わけ分からない事を言ってんだ!」、
「ばかやろう!」、「クソたれ!」、
「おまえに、言われる筋合いはない!」などと、
激しい怒号が鳴り響きました。
そして、「われわれの仲間を傷つけたのは、
どうした訳だ!」と野次が飛ぶと、
すかさず、
『三島由紀夫』は、「抵抗したからだ!」と言い返しました。
『三島由紀夫』は、
「諸君の中に1人でも、
おれと一緒に起つ奴はいないのか!」と叫びましたが、
自衛官らは、誰も同意せず、
「気違い!」、「あほか!」、「そんな者、いるもんか!」、
「そこにいる馬鹿者を、ひきずり降ろせ!」、「銃で撃て」と、
罵声の嵐でした。
『三島由紀夫』は、
演説を2時間するつもりでしたが、
怒号の激しさが、予想を越えたし、
賛同者が出て、
盛り上がると思っていたのに、
反応が悪かったので、
わずか10分ほどで、やめました。
そして、
『三島由紀夫』は、「楯の会」の『森田必勝』と一緒に、
皇居に向って、「天皇陛下万歳!」を、三唱しました。
ちなみに、当日、「楯の会」の『森田必勝』が、
市ヶ谷駐屯地の連隊長だけが留守と、言っていたので、
『三島由紀夫』は、
自衛隊の精鋭部隊の普通科連隊に対して、
演説する予定でしたが、
実は、
精鋭部隊の普通科連隊の約900人は、
東富士演習場に出かけていて、
市ヶ谷駐屯地にいたのは、
通信、資材、補給などの後方支援部隊でした。
後日、K陸曹(匿名)は、
「怒号が鳴り響き、
『三島由紀夫』の訴えは、騒音が大きく、聞きにくかった。
『三島由紀夫』の訴えは、
自分も同じ事を、感じていたので、
一理あると、思った。
本来、
きちんと部隊別に整列して、
静かに、聴くべきだった。
静かに聞いていれば、その訴えを理解して、
その考えに賛成する者が、出ていた可能性もあり、
もしかしたら、自分も加担して、
革命を起こしていたかもしれない。」と言いました。(続く)
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