日本の革命事件(2)-三島事件(2)
- 2020/12/26
- 05:05
刀身を拭いてから、刀身を『益田兼利』総監に渡しました。
『益田兼利』総監は、
「良い刀ですね。素晴らしい、本物は違う。」と言いながら、
『三島由紀夫』に、刀身を返して、元の席に戻りました。
『三島由紀夫』は、刀身受け取ると、
手ぬぐいを『小賀正義』に、渡してから、目線で指示し、
刀身を鞘に納めました。
それを合図に、『小賀正義』は、
すばや『益田兼利』総監の後ろにまわり、
持っていた手ぬぐいで、
『益田兼利』総監の口をふさぎ、
「楯の会」のメンバーが集まり、
ロープで、『益田兼利』総監を椅子に縛りつけ、
拘束しました。
『小賀正義』は、『益田兼利』総監に、
さるぐつわを噛ませ、
「呼吸が止まるようにはしません。」と言いながら、
短刀をつきつけました。
『益田兼利』総監は、
「「楯の会」の訓練ですか?冗談は、やめなさい。」と言いましたが、
『三島由紀夫』は、刀を持ったまま真剣に、
睨んでいたので、
『益田兼利』総監は、やばい!と思いました。
そして、「楯の会」のメンバーは、
机や椅子、植木鉢などで、バリケードをつくりました。
総監室の異常な物音に、部屋の外にいた職員が、
異常な物音が、不自然なため、
何かあったのでは!と思い、
中に入ろうとすると、鍵が閉まっていました。
ドアに体当たりし、隙間が、少し出来たところ、
「来るな!来るな!」と叫び声が聞こえ、
ドア下から、要求書が差し出されました。
要求書には、
「市ヶ谷駐屯地の自衛官を、全員集合させる事。
『三島由紀夫』の演説を、2時間、静聴する事。
「楯の会」残余会員を、召集する事。
演説中の2時間の間、一切の攻撃妨害をしない事。
一切の攻撃妨害をしない限り、当方より、攻撃はしない。
『三島由紀夫』の演説が終わったら、
『益田兼利』総監を解放する。
条件が守られない時、『益田兼利』総監を殺害し、
自分たちは、自決する。」と書かれていました。
そして、『三島由紀夫』らが、
『益田兼利』総監を、監禁した事が分かったので、
非常呼集がかけられ、警務隊にも連絡しました。
ドアのバリケードを壊し、部屋になだれ込むと、
剣道の心得があった『三島由紀夫』は、
「部屋から出ろ!」、「要求書を読め!」と叫びながら、
名刀「関の孫六」を、振り回したそうです。
防衛副長『吉松秀信』1佐は、
「何をするんだ。話し合おうではないか。」と説得しました。
『三島由紀夫』らは、小テーブルや椅子を投げつけたり、
自衛隊員を斬りつけたりしたので、
幕僚らは総監の安全も考え、一旦退散することにしました。
この乱闘で、自衛隊員8人が、
刃物による切り傷などにより、負傷し、
手の腱を切られて、
手の握力を失う後遺症が、残った人もいたそうです。
そして、約120人の機動隊員が、市ヶ谷駐屯地に、集合しました。
室外に退散した幕僚らは、
『三島由紀夫』らと話し合うため、
『功刀松男』1佐が、
再び、部屋に入ろうとした所、
名刀「関の孫六」で、額を切られました。
『三島由紀夫』は、
「これをのめば、総監の命は助けてやる。」と、
最初に廊下に差し出したものと同内容の要求書が、
再び、出されました。
幕僚幹部らは、要求を受け入れることを決め、
防衛副長『吉松秀信1佐』が、
「自衛官を集めることにした。」と『三島由紀夫』に言いました。
すると、『三島由紀夫』は、
「君は何者だ。どんな権限があるのか?」と聞いてきました。
防衛副長『吉松秀信1佐』が、
「防衛副長『吉松秀信1佐』だ!
現場の最高責任者である。」と言うと、
『三島由紀夫』は、腕時計を見てから、
「時間は、正午までだ!」と言いました。
そして、
『三島由紀夫』は、要求書の内容を、
『益田兼利』総監にも、説明しました。
『益田兼利』総監は、
「何故こんなことをするのか?自衛隊や私が憎いのか?
演説なら内容によっては、私が代わりに話す。」と言うと、
『三島由紀夫』は、
「自衛隊も貴方も憎いのではない。
妨害しなければ殺さない。
日本の自立を取り戻すため、
自衛隊に最大の刺激を与えて、
奮起を促すために来た。」と言いました。
市ヶ谷駐屯地に、
「業務に支障がないものは、
総監室のある本館の前庭に、
集合して下さい。」とマイク放送が、数回流されました。
警視庁は、『三島由紀夫』ら全員の逮捕を指示したので、
パトカー、警務隊も集まりました。
この頃、テレビやラジオも事件の第一報を伝えていました。
マイク放送を聞いた自衛官約千人が、
盾を持った機動隊員や、
新聞社やテレビなど報道陣が、集まっていた
総監室のある本館の前庭に集まりました。
11時55分頃、
総監室のバルコニー上から、
要求項目を墨書きした垂れ幕が、垂れ下がりました。
総監室のある本館から、約50mの所に、
「楯の会」の会員約30人が、集まっていましたが、
警察の監視下に置かれ、現場に召集させませんでした。(続く)
- 関連記事
-
- 日本の革命事件(1)-三無事件
- 日本の革命事件(2)-三島事件(1)
- 日本の革命事件(2)-三島事件(2)
- 日本の革命事件(2)-三島事件(3)
- 日本の革命事件(2)-三島事件(4)