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英雄が独裁者に代わる時ーニカラグア(4)-グリシ・シクニス

ニカラグアの人種構成は、
モンゴロイド系先住民と白人との混血のメスティーソ69%、
白人17%、黒人9%、先住民族5%だそうです。

そして、
公用語は、スペイン語ですが、

憲法により、先住民族は、

幼少期から自然に習得する言語の母語で、
教育を受ける権利を有するという事で、

先住民族ミスキート族のミスキート語でも、
授業を受ける事が出来るそうです。

日常的に使われている言語は、
移民も多いので、英語、中国語、
アラビア語、ドイツ語、イタリア語などだそうです。

ちなみに、
先住民族のミスキート族は、

その昔、戦いなどで、

他の民族に追われ、

密林の奥に逃げ込んだ人々の子孫だそうです。

密林に入ってからは、追われることがないという事で、

自分たちの事を、「もう追い立てられない人々
(ディス・キトラスマニ)」と言うようになり、

それが訛って、ミスキート族と言うようになったそうです。

ちなみに、混血による呼び方があり、

先住民と白人との混血は、「メスティーソ」、

先住民と黒人との混血は、「サンボ」、

白人と黒人の混血は、「ムラート」と言うそうです。

ミスキート族は、アジア系人種なので、

モンゴロイド系容貌の人もいますが、

多いのは「ムラート」の黒人系容貌の人だそうです。

だから、ミスキート族は、
顔を見ただけでは、人種が分からないそうです。



何故、黒人系容貌の人が多いのかは、
理由があります。

中米から南米は、ほとんどがスペインの植民地でした。

ただし、
植民者たちは、金銀財宝が目当てだったので、

金銀財宝が無さそうな、
先住民が住む密林地帯には、
関心が、全く無かったそうです。

そのため、
カリブ海の島々などにいた、

多くの黒人逃亡奴隷が、

逃げこむ先に最適という事で、

密林に逃げ込んだので、

ミスキート族と混血がすすんだそうです。

ちなみに、
ミスキート族には、

「グリシ・シクニス(Grisi Siknis)」と呼ばれる、
『Philip A. Dennis』によって、欧米に、紹介された、

精神状態に突然、異変が生じる病気が、
約100年以上前から、発生しているそうです。

「グリシ・シクニス(Grisi Siknis)」は、
15-18歳の女性に発生する事が多いそうです。

頭痛、めまい、吐き気などの前兆があり、

突然、金切り声で叫びながら床をのた打ち回り、

トランス状態となり、

取り押さえようとしても物凄い力を出して、
抵抗するので、相手が少女であっても、

抑えるのが大変だそうです。

「グリシ・シクニス(Grisi Siknis)」になった人は、
近くにあるナタや棒などを振り回しながら、

服を脱いて、
裸のまま外へ飛び出し、

川に飛び込むか、
ジャングルの奥地へ逃げ込むそうです。

「グリシ・シクニス(Grisi Siknis)」になった人の腹部が、大きく膨れ、

口からクモ、ゴキブリなどの昆虫や髪の毛が、
吐き出される事もあるそうです。

そして、
元の状態に戻るまでに、数日から数ヶ月、
ひどいと数年かかる事もあり、

その間、危険な行動を防ぐ為、柱に縛ったりして、

経験豊かな呪術師が、
独特の儀式を行い、薬草や呪文などで、治療するそうです。

元の状態に戻った人に、その時の事を尋ねると、

「森から悪霊がやって来て、
自分を連れて行った。」と言う事が、多いそうです。

これらの事は、
アメリカのセイラム魔女裁判を思い出します。
その話は、後日詳しく…。

「グリシ・シクニス(Grisi Siknis)」は、
人から人へと伝達する事があるそうです。

2009年、
ニカラグアの北東部のミスキート族の村で、

人口の約4分の1が、「グリシ・シクニス(Grisi Siknis)」になり、

頭痛、めまいの前駆症状の後、

未知の言語で話したり、髪、蜘蛛などの異物を吐き出し、

そして、霊、悪魔、怪物を見るようになり、

恐怖で、村中が、大パニックとなりました。

その時、
マスコミで、過熱気味に報道され、
関心が高まったので、

ニカラグア保健省が、

調査と治療のため、

精神科医、心療士等の視察団を派遣しましたが、

「「グリシ・シクニス(Grisi Siknis)」は、

西洋医学では治らない。

呪術師を呼ぶしかない。」という結論になったそうです

そのため、
国から高額で雇われた呪術師が、
派遣されたそうです。

しかし、全然治らなかったので、

別の呪術師を派遣したところ、

村人たちが、「グリシ・シクニス(Grisi Siknis)」から、
解放されたそうです。

そして別のミスキート族の村でも、
「グリシ・シクニス(Grisi Siknis)」の集団発生が、見られたので、

再び、ニカラグア保健省は、
ニカラグアの小学校教員の年収に相当する報酬を、
呪術師に支払い、解決させたそうです。

しかし、「グリシ・シクニス(Grisi Siknis)」は、
ほとんど研究されていないので、
その原因は、完全には明らかではないのですが、

ミスキート族が、本気で悪魔などを信じているので、

文化的精神的な問題、

あるいは、認知症の1種で、
医学者『小阪憲司』が、発見したお化けなどが本当に見える、
レビー小体型認知症かもしれません。

ちなみに、ニカラグアは、

中米一の繁栄を誇っていましたが、

現在では、最貧国に数えられています。

政治は、大切です。

ちなみに、独裁者でも、
未練の無い人はいます。(続く)
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プロフィール

ムーミン

Author:ムーミン
生まれは、福岡、
育ちは、大阪、
現在、秋田市で、
動物病院を開院。

長年、
水族館、動物園で、
獣医師として勤務していました。

短期間ですが、
犬猫行政、
食品衛生業務も
しました。

その後、
長年、
東北、沖縄の
動物病院で勤務しました。

大阪に住んでいた時、
ジュニアリーダーをしていたので、
キャンプなどの指導などをしていました。

旅が好きで、バイクや車で
北海道や東北、関東などを、

野宿しながら、放浪しました。

そして、
海外14カ国を、放浪し、

海外の複数の動物園や水族館で、
研修しました。

詳しくは、
別のブログ「あっちこっち雑記」で。

祖先は、醍醐源氏の末裔で、
福岡県八女市黒木の
猫尾城の城主を
していました。

先祖は、足利尊氏と戦い、
多々良浜の戦いでは、
敗戦しましたが、

筑後川の戦いなど、
最終的には勝利し、

3代将軍足利義満まで、九州を治め、

中国の「明」と、貿易をしていました。

詳しくは動物病院HPで。

学生時代、
生物学と歴史は好きでした。

試験の時は、
事前に、関連事項まで詳しく調べて、

特に歴史の時は、
現地調査までする事があったので、

筆記試験の時は

関連事項まで、詳細に書くと、

テスト用紙の回答欄のスペースでは、

ものすごく不足したので、

裏まで書いても不足した時には、

2枚目の白紙をもらい、
ぎりぎりまで書いていました。

そのため、
歴史や生物のテスト用紙が配られる時、
あらかじめ、
白紙が、2枚配られるようになりました。

先祖は笛が得意で、
後白河法皇、後鳥羽天皇に、
褒められた事があります。

自分も、子供の頃、
ピアノを習っていたので、
音楽が好きです。

水族館、動物園勤務時代、
野生動物は、
殺気を感じると、
逃げるので、
殺気を感じさせない為、
歌いながら、
治療していたので、
歌が得意になりました。

尚、色々な事を書いていますが、
話し言葉や細かい所などは、
意訳の場合もあります。

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