英雄が独裁者に代わる時ーニカラグア(3)
- 2020/12/13
- 05:05
国連による国際監視のもとで、大統領選挙を実施されました。
革命の英雄『ダニエル・ホセ・オルテガ・サアベドラ』は、
選挙での勝利を予想していましたが、
アメリカ系のマスコミが、
国民の信頼性を失わせるために、
『ダニエル・ホセ・オルテガ・サアベドラ』は、
同時多発テロの首謀者で、テロリストで、
苦しむ民衆を横目に、接収した豪邸に住み、
贅沢な食事をして、高級外車を何台も持って、贅沢をしていると、
単なるうわさ話に、本当の事も織り交ぜてたりして、
何度も報道したり、様々なキャンペーンを繰り広げたので、
親米勢力の国民野党連合『ビオレータ・チャモロ』が、
初の女性大統領に選出されました。
アメリカは、親米政府が出来たので、
危険な集団だった反政権勢力「コントラ」を、
すぐに解散させました。
内戦が終了したので、
約8万人の兵士がいた政府軍は、
約1万5千人に削減されました。
「サンディニスタ民族解放戦線 (FSLN) 」は、
再び、反乱を起こして、
政権を維持するという動きもありましたが、
『ダニエル・ホセ・オルテガ・サアベドラ』が制し、
無事民主的な政権交代が、実施されました。
その後、選挙で、何度かの政権交代がありましたが、
2006年11月5日、大統領選挙で、
革命の英雄『ダニエル・ホセ・オルテガ・サアベドラ』が、
カトリック教会を味方につけ、
貧困撲滅を訴えた結果、
再び大統領に就任しました。
ニカラグア経済を立て直すという事で、
ベネズエラから、
石油を介し、年500億円の援助金を、受けました。
そして、
これを元に経済を立て直しを行い、貧困率を改善させましたが、
実は、援助金の大部分は、
『ダニエル・ホセ・オルテガ・サアベドラ』の親族や
側近の子会社に、流れていたそうです。
以前は、全国民の意見を聞くために、
色々な意見を持つ政党が必要と言っていたのに、
アメリカの執拗な心理的、肉体的なダメージにより、
心がすさんだ『ダニエル・ホセ・オルテガ・サアベドラ』は、
党内の反対派を排除し、メディアを買収し、
自分に都合のいいニューズだけを流すようにし、
最高裁の判事や最高選挙管理委員会に、
自分の支持者を置き、
大統領の連続再選を禁じた憲法を改正し、
無限再選を可能とし、
2017年には、夫人を副大統領しました。
かつては、独裁者を憎んで、富は国民の物で、
平等な社会を目指すと言っていた英雄は、
金の亡者で、完全なる独裁者の、
最終形態に変貌しました。
そして、
石油価格が下落し、ベネズエラからの支援が激減すると、
社会保障費は、赤字となりました。
2018年4月18日、
『ダニエル・ホセ・オルテガ・サアベドラ』は、
医療無償化を行うと言っていたのに、
社会保障費の赤字改善のため、
憲法上の手続をしないで、
年金の減額や保険料の値上げといった
社会保険法改正を実施しました。
すると、学生らが反発し、
政府に不満を持つ人々が、抗議しました。
すると、
以前、『ダニエル・ホセ・オルテガ・サアベドラ』は、
人の死は見たくないと言っていたのに、
狙撃隊を組織し、
600人以上の市民を殺害し、
千人以上の市民を監禁、拷問をしました。
勤務先の病院で、
ケガをした反政府活動家を治療したという事で、
当時妊娠中だった看護婦が、
警察に捕まり、
腹を何度も殴られて、流産したそうです。
その後、
国内の至る所で住民相互の監視網が築かれ、
デモや集会といった反政府活動を、
抑え込むことになったそうです。
政府を批判した新聞社「ラ・プレンサ」、「ヌエボ・ディアリオ」は、
紙やインクの流通を止められ、紙面縮小したそうです。
そして、政府は、新聞社を、
物流制限だけではなく、脅迫し、弾圧したそうです。
そして、政府を批判した新聞は、廃刊したそうです。
そして、『ダニエル・ホセ・オルテガ・サアベドラ』は、
教育の充実を行うと言っていたのに、
国民の53%が、初等教育を終了できず、
文字も読めない人が多いそうです。
やはり、政治は大切です。(続く)
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