ラスプーチンとタフな犬の話(2)-ラスプーチン(2)
- 2010/08/08
- 08:08
祈りの言葉を唱えたそうです。
そして、
「眼をあけて笑ってごらん。もう苦しくないよ。」
と言ったそうです。
すると驚いたことに、
今まで息もたえだえだったのですが、
ベッドの上で、起き上がり、笑ったそうです。
そして、
「血をたくさん失ったので、冷たい水を飲ませます。」
と言いました。
「でも、水を飲んではいけないと医者に言われています。」
と皇后が言いました。
「いいから水を。」と重ねて言いました。
皇后は水を取りに、部屋を出て行きました。
その間、ラスプーチンは、
皇太子に元気になれる妖精の話をしたそうです。
やがて皇后が水を持ってくると、
「これが妖精の飲み物です。」と言いました。
皇太子は水を飲んだ後、深い眠りに落ちたそうです。
翌日の朝、皇太子は目に見えて顔色がよくなり、
元気になったそうです。
それを見た医者たちは、奇跡と言ったそうです。
その治療法は催眠療法の一種ではないかと推測されています。
以後、皇太子の病状が悪化する度に呼び出されました。
祈りを捧げると、不思議にも皇太子の症状が改善したそうです。
こうして皇帝一家から絶大な信頼を勝ち取り、
「我らの友」と呼ばれるようになりました。
その結果、皇帝一家は何事も
彼の予言に頼るようになったそうです。
そのため、ラスプーチンは宮廷人事などを
思い通りにすることが、
出来るようになりました。
ただし、ラスプーチンは、政治に強い関心はなかったそうです。
そして、アリスク皇后は、
「私の愛しい忘れえぬ師よ。
あなたが私の側に座り、
私があなたの手にキスをし、
私の顔が、あなたの肩に触れた時、
私は幸せを感じます。
待っているので、早く来てください。
あなたの事を思うと切ないのです。
永遠にあなたを愛するM(ママ)より。」と書いた、
手紙を、ラスプーチンに渡しています。
この手紙は、ラスプーチンのライバルの、
聖職者イリオドルが入手し、
ラスプーチンを陥れようとして、
ニコライ2世に見せたそうです。
すると、ニコライ2世は、
「確かに、アリスク皇后の筆跡だ。」と言って、
怒りながら、引き出しの中にしまったそうです。
しかし、ニコライ2世は、今までの実績があったので、
不問にしたそうです。(続く)
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