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朝鮮半島情勢(57)-北朝鮮(10)-「国家保衛省」(1)

1973年より、北朝鮮で、
「国家政治保衛部」の名称で発足し、

その後何度か改名した「国家保衛省」は、
最高指導者の直属機関で、

秘密警察と防諜任務を担当し、
スパイや反体制派の摘発、
脱北者の摘発を行っています。

「国家保衛省」は、
逮捕する時、法的手続き不要だそうです。

「国家保衛省」が逮捕した人の処分は、

独自の判断で、
強制犯収容所に連行しても、死刑にしても良いという、
強い権限を持ち、

政治犯収容所も管理しています。

脱北者らは、

「「国家保衛省」に捕まると、

歩いて入って、

意識を失い、横になって出てくる程、拷問が過酷で、

言葉にするだけでも、恐ろしいくらい、
二度と行きたくないような地獄のような所だ。」と言っています。

しかし、
「国家保衛省」の歴代のトップ保衛部長は、
悲惨な末路をたどっています。

初代「国家保衛省」のトップ保衛部長『キム・ビョンハ(金炳夏)』は、

1965年頃より、金一族に忠誠を尽くし、
金一族を妨害する人物を、大量に粛清してきました。

そして、『金正日』が、後継者に決まるまで、
他の人たちを、すべて排除していきました。

そして、
『キム・ビョンハ(金炳夏)』の一番の功績と言われるのは、

「出身成分(住民成分)」を、制度化した事です。

「出身成分(住民成分)」とは、
1966-1967年にかけて、

全国民の両親とその6親等が調査され、

さらに、3年の調査を経て、

住民再登録事業を行い、

『金日成』、『金正日』への忠誠度の順に、

「3大階層51個分類」を行いました。

大分類の3大階層は、
「核心階層」、「動揺階層」、「敵対階層」です。

「核心階層」は、
国に忠誠を尽くす人々で、

特権階級として数多くの恩恵を受け、
平壌を始めとする主要都市の居住者は、
全員が、「核心階層」です。

「動揺階層」は、将来国への忠誠を覆す可能性がある人々で、
監視の対象になり、

職場での昇進に、上限があるそうです。

「敵対階層」は、党に否定的な態度をとっている人々で、
特別監視対象、差別的待遇となり、

高等教育機関への進学は、不可で、

就職にも制限があり、肉体労働しか働けないそうです。

そして、「動揺階層」、「敵対階層」の約7万人が、
山間地、炭鉱地区や僻地、強制収容所への強制移住を命じられ、

「敵対階層」の約6千人以上が、
「反革命」の名目で処刑されました。

ただし、
該当者から2世代(孫の世代)を超え、
かつ優秀な人材であれば、
上の階級に行く事もあるそうです。

ちなみに、帰国事業で、
北朝鮮に行った在日朝鮮人は、

「動揺階層」か「敵対階層」に、分類されているそうです。

ただし、帰国事業以前から、
日本共産党員だったなどの理由で、

少数ですが、
「核心階層」に入った人も、いるそうです。

ちなみに、
現在の最高指導者『金正恩』の母『高英姫』は、

在日朝鮮人なので、

本来、
「動揺階層」か「敵対階層」に該当するのですが、

指摘することは、タブーだそうです。

ちなみに、
北朝鮮は、社会主義体制をとっているため、

北朝鮮には、身分制度や国民差別は、
存在しないと言っていますが、

脱北者は、存在していると証言をして、

最も深刻な人権侵害のひとつだと指摘されています。

ただし、
北朝鮮以外の共産主義国は、どこでも同じで、

例えば、中国でも、

権力中枢と繋がりが、

無かった資本家や貴族出身者などは、

資本主義の塊だと敵対視され、

財産を没収された上、

強制労働に従事させられ、
子孫までも差別されていますが、

現在の権力者たちは、
共産国になる前に、上層階級にいた人もいますが、

出自を問われることもなく、共産貴族となっています。(続く)
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プロフィール

ムーミン

Author:ムーミン
生まれは、福岡、
育ちは、大阪、
現在、秋田市で、
動物病院を開院。

長年、
水族館、動物園で、
獣医師として勤務していました。

短期間ですが、
犬猫行政、
食品衛生業務も
しました。

その後、
長年、
東北、沖縄の
動物病院で勤務しました。

大阪に住んでいた時、
ジュニアリーダーをしていたので、
キャンプなどの指導などをしていました。

旅が好きで、バイクや車で
北海道や東北、関東などを、

野宿しながら、旅をしていました。

そして、
海外14カ国を、旅をして、

海外の複数の動物園や水族館で、
研修しました。

詳しくは、
別のブログ「あっちこっち雑記」で。

祖先は、醍醐源氏の末裔で、
福岡県八女市黒木の
猫尾城の城主を
していました。

先祖は、足利尊氏と戦い、
多々良浜の戦いでは、
敗戦しましたが、

筑後川の戦いなど、
最終的には勝利し、

3代将軍足利義満まで、九州を治め、

中国の「明」と、貿易をしていました。

詳しくは動物病院HPで。

学生時代、
生物学と歴史は好きでした。

試験の時は、
事前に、関連事項まで詳しく調べて、

特に歴史の時は、
現地調査までする事があったので、

筆記試験の時は

関連事項まで、詳細に書くと、

テスト用紙の回答欄のスペースでは、

ものすごく不足したので、

裏まで書いても不足した時には、

2枚目の白紙をもらい、
ぎりぎりまで書いていました。

そのため、
歴史や生物のテスト用紙が配られる時、
あらかじめ、
白紙が、2枚配られるようになりました。

だから、
高校の時、歴史の先生から、
歴史関係の進路を、
ものすごく強く勧められました。

でも、
生物の方が好きだったので、
獣医になりました。

先祖は笛が得意で、
後白河法皇、後鳥羽天皇に、
褒められた事があります。

自分も、子供の頃、
ピアノを習っていたので、
音楽が好きです。

水族館、動物園勤務時代、
野生動物は、
殺気を感じると、
逃げるので、
殺気を感じさせない為、
歌いながら、
治療していたので、
歌が得意になりました。

尚、色々な事を書いていますが、
話し言葉や細かい所などは、
意訳の場合もあります。

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