『西竹一(バロン西)』男爵と愛馬『ウラヌス』(13)
- 2020/01/08
- 05:05
戦地の硫黄島に行く前に、
馬事公苑にいた年老いた『ウラヌス』に、
会いに行きました。
『ウラヌス』は、
『西竹一(バロン西)』男爵の足音を聞くと、
脚を踏みならして、喜びを表現し、
首や鼻面をこすりつけて、愛咬してきたそうです。
ちなみに、
自分が動物園勤務の時、
チンパンジーは、麻袋の毛布で寝ていたので、
チンパンジーの『ボンタ』や『ノリコ』が、
寝る時に、麻袋を渡したりしたり、
起きる時に、麻袋を受け取ったりしましたが、
その時や、
食事の時や、
獣舎の近くを通る時など、
毎日のように、チンパンジーと握手をして、
スキンシップを取っていましたが、
動物園をやめてから、会いに行ったのですが、
無視されました。
確かに、何度も、治療のため、
吹き矢で注射していたので、嫌われていたかも?
ちなみに、
チンパンジーの握力は、
片手で300kg以上あると言われているので、
一般の人は、握手は、絶対にしないで下さい。
動物園勤務時、
アフリカゾウの『ダイスケ』、『ハナコ』を
治療したのですが、
治療をスムーズに進めるため、
お座り、お手、鼻上げ、来いなどを教えていましたが、
やめてから、会いに行った時、
遠くから合図を出したのですが、反応はありませんでした。
ちなみに、
ゾウの芸は、
見せるために、教えたのではなく、
治療の一環で行ったので、
ゾウの芸は見る事は、出来ません。
確かに、『ダイスケ』は、
何回も麻酔をかけ、治療したので、
嫌われてたかも?
そして、
『西竹一(バロン西)』男爵は、
『ウラヌス』を馬場に引き出し、
障害は越えずに、一周ゆっくりと回りました。
そして、厩舎に戻ると、『ウラヌス』は、
再び、首や鼻面をこすりつけて来たので、
『西竹一(バロン西)』男爵は、
『ウラヌス』の顔を、しばらくさすりながら、
「また来るからな。」と言って、
『ウラヌス』のたてがみを、一束切り取って、
懐に入れ、厩舎を、あとにしました。
そして、『西竹一(バロン西)』男爵は、
戦車第26連隊長だったし、
戦場には、馬はいませんでしたが、
命より大切だと言って、
ロサンゼルス五輪で、
使っていた藤の乗馬鞭を握りしめ、
特別製の軍服や帽子、そして、
特別製のエルメスの乗馬用ブーツで、
硫黄島に向かったそうです。(続く)


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