山の老人(2)
- 2019/12/22
- 05:05
1165年頃より活躍したニザール派の指導者
『ラシード・ウッディーン・スィナーン』と言われています。
ペルシャ北部の山間部に、
イスラム教イスマーイール(山の長老派)派の
分派ニザール派があります。
ニザール派の指導者『ラシード・ウッディーン・スィナーン』が、
最も重視したのが、フィダーイーの育成でした。
フィダーイーは、忠誠を尽くし、
自己犠牲を嫌がらない者を意味するアラビア語で、
ゴルゴ13並の高度な暗殺技能、知識が教育され、
戦闘や暗殺において、積極的に用いたそうです。
フィダーイーは、
ハシーシュ(大麻)を飲まされ、高揚状態となり、
多くの要人たちを暗殺していったそうです。
フィダーイーの勇猛さは、
十字軍に非常に恐れられ、ヨーロッパに伝えられ、
「暗殺教団」伝説と
その指導者「山の老人」伝説を生み出しました。
ヨーロッパでは、ニザール派を知らなかったので、
イスラム教徒のシーア派と対立する
スンナ派が用いていた、シーア派を馬鹿にした言葉で、
「騒がしい下等な麻薬中毒野郎、暴徒」を意味する
「ハッシャーシュ(Ḥaššāš)(Assassini)」と呼ばれていましたが、
ニザール派による暗殺の話が広がり、脚色され、
次第に、暗殺集団を意味する言葉になり、
「アサシン(Assassin)」と呼ばれるようになりました。
ちなみに、
その後、フィダーイーは、モンゴル帝国に、
徹底的に叩かれ、弱体化していったそうです。
現在、ニザール派信徒は、
インド、パキスタンを中心に、中央アジア、インド方面、
タンザニアを中心に、東南アジア方面などに、
数百万人いるそうです。
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