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クマの『ヴォイテク』伍長(1)

1942ー1963年まで生きた、
『ヴォイテク(Wojtek、ˈvɔjtɛk)』伍長は、

第二次世界大戦中に、
ポーランド軍に所属したオスのシリアヒグマです。

1942年、イランのハマダーン付近で、
現地の羊飼いの少年が、
猟師に、親を撃たれて孤児となった
生後約3か月のクマの赤ん坊を発見しました。

少年は、クマの赤ん坊を、
育てる余裕がなかったので、
肉の缶詰3個程と引き換えに、
ポーランド人難民に譲渡しました。

ちなみに、
ポーランドは、
1939年にドイツとソ連に侵攻、占領され、
ドイツとソ連の5年以上の占領期間に、
ポーランドの全人口の20%が殺害されたそうです。

そのため、ポーランド人難民が出たそうです。

ポーランド人難民は、
クマをかわいいと思い引き取りましたが、
世話が大変で、手に余るようになりました。

近くに駐屯していたポーランド陸軍弾薬補給隊の兵士たちは、
子グマの様子を見ていて、傍観していられないと思い、
引き取ったそうです。

クマの赤ん坊は、『ヴォイテク』と名づけられました。

『ヴォイテク』は、
ポーランドの一般的な男性名『ヴォイチェフ』の愛称形ですが、

『ヴォイチェフ』の元々の意味は、
戦士、武人で、「戦を楽しむ者」、「微笑む戦士」、
「陽気な戦士」といった意味です。

クマの赤ん坊は、1歳にも満たなかったため、
始めのうちは、ミルクなど食事を、
うまく飲み込むことが出来ませんでした。

そのため、
兵士たちは、色々と試した結果、
薄めたコンデンスミルクを、ハンカチに染み込ませてから、
ウォッカ瓶に入れると、ミルクを飲める事が分かりました。

ボル (2)

ちなみに、
自分が動物園勤務していた時、
ゾウ、キリン、カモシカ、チンパンジーなど、
沢山の動物の赤ちゃんを、
人工保育をしたことがあります。

大森山動物園のゾウの『ハナコ』(メス)は、
南アフリカから、オランダ経由で来ましたが、

来た時には、輸送箱の中で暴れたらしく、
輸送箱は一部破損し、頭に傷がついていました。

ゾウは、食べた物の消化率が悪く、
1日200kg以上食べる必要があります。

アフリカでは、ゾウの群れが畑に入ると、
数時間で農作物を、
食べ尽くしてしまう事もあるそうです。

そのため、
何か月も大切に育ててきた作物を失った人たちは、

食糧不足に陥り、

食糧購入を優先させるために、

子どもの教育費や医療費を削減して、
ぎりぎりの生活をしなければいけないそうです。

そして、ゾウに、
人間が殺傷されるという人身被害も発生しているそうです。

そのため、
被害のない日本は、ゾウが好きですが、

現地では、日本ほど、
ゾウが好かれているわけでは無いそうです。

そのため、
作物を失った人たちが、仕返しや、
生活費を稼ぐための象牙を目的として、

ゾウが殺されているそうです。

ちなみに、
草食獣は、草のセルロースを分解することができないので、
腸内細菌の持つ酵素のセルラーゼを利用し、
分解するという消化システムがあります。

奇蹄類のシマウマやゾウなどの単胃動物は、

巨大な盲腸で、

腸内細菌に、セルロースを分解させています。

しかし、
栄養分のほとんどは、
小腸で吸収するのですが、
盲腸は、小腸の後にあるので、
栄養源の吸収効率が悪いそうです。

偶蹄類のウシやキリンなどの複胃(反芻)動物は、

胃を発達させ、複数の胃を持つようになりました。

ウシやキリンは、4つの胃袋を持ち、
第1、2胃で発酵させたものを、
また口に戻して噛み続け、

これを繰り返し、
最後に第3、4胃へと送られ、消化されるそうです。

この反芻により、
栄養を効率よく分解し吸収することが出来るそうです。

だから、

便に未消化物が多いのが、単胃動物のシマウマやゾウで、

少ないのが、反芻動物のウシやキリンです。

ちなみに、アフリカゾウの指の数は前肢4本、後肢3本、
アジアゾウは、前肢5本、後肢4本です。

ちなみに、
発情期のゾウのオスは、攻撃的になり、
親しかった人間にさえも攻撃をするので、

動物園では、側頭腺から液体が出たりするなど、
発情兆候が見えたら、

攻撃されないように、
距離を置いて、細心の注意をします。

全国のゾウの担当者の会議がありますが、
その時の内容が、
いかに攻撃を避けるかが、主な議題となります。

ゾウの『ハナコ』(メス)の親も人に殺されていたので、

来た当初は、人に対して反抗的でした。

しかし、1歳以下で哺乳が必要だったので、
哺乳していたのですが、

口を開けて威嚇して、
向かってきますが、

開けている口に哺乳瓶を入れて、
ミルクを与えると…、

結果、人好きになり、ものすごく懐きました。

ゾウの『ダイスケ』(オス)は、
来た当初から、普通に人に慣れていました。

ちなみに、
ゾウの『ダイスケ』、『ハナコ』は、
お座り、鼻上げ、足上げなどが出来ます。

ただし、
人に見せるためではなく、
治療の時、必要になると思い訓練しただけなので、
来園しても、見る事は出来ません。
  
そして、『ヴォイテク』は、
肉やパン、果物やマーマレード、ハチミツ、シロップなどを食べて、
順調に成長しました。

ただし、兵士たちと一緒にいたせいか、
タバコを吸うこともあったそうです。

でも、嗜好品で、最も好んでいたのは、
お酒、特にビールだったそうです。



ビールが好きになったのは、
哺乳瓶替わりに使用していたウォッカ瓶に、
残っていたアルコールが、
ミルクに混ざったためと言われています。

『ヴォイテク』は、
寝るため専用の特別製木枠がありましたが、

『ヴォイテク』は、寂しがり屋で、

兵士たちと一緒に眠ることを好んだので、

兵士たちのテントのそばに、
設置された特別製の木枠の中に寝ていても、

こっそりと夜の間に、

就寝中の兵士の毛布の中や
脱ぎ捨てられた軍服の中に潜り込んで寝て、

朝になって、

兵士の顔をなめて起こしたので、

兵士をびっくりさせる事も多かったそうです。(続く)
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プロフィール

ムーミン

Author:ムーミン
生まれは、福岡、
育ちは、大阪、
現在、秋田市で、
動物病院を開院。

長年、
水族館、動物園で、
獣医師として勤務していました。

短期間ですが、
犬猫行政、
食品衛生業務も
しました。

その後、
長年、
東北、沖縄の
動物病院で勤務しました。

短期間ですが、
オーストラリアなど
海外の複数の動物園や水族館で、
研修した事があります。
詳しくは、
別のブログ「あっちこっち雑記」で。

祖先は、醍醐源氏の末裔で、
福岡県八女市黒木の
猫尾城の城主を
していました。
詳しくは動物病院HPで。

学生時代、
生物学と歴史は好きでした。

高校時代、
試験の時は、
事前に、関連事項まで詳しく調べて、

特に歴史の時は、
現地調査までする事があったので、

筆記試験の時は

関連事項まで、詳細に書くと、

テスト用紙の回答欄のスペースでは、

ものすごく不足したので、

裏まで書いても不足した時には、

2枚目の白紙をもらい、
ぎりぎりまで書いていました。

そのため、高校の時は、
歴史や生物のテスト用紙が配られる時、
あらかじめ、
白紙が、2枚配られるようになりました。

先祖は笛が得意で、
後白河法皇、後鳥羽天皇に、
褒められた事があります。

自分も、子供の頃、
ピアノを習っていたので、
音楽が好きです。

水族館、動物園勤務時代、
野生動物は、
殺気を感じると、
逃げるので、
殺気を感じさせない為、
歌いながら、
治療していたので、
歌が得意になりました。

尚、話し言葉や細かい所などは、
意訳の場合もあります。

リンクはフリーです。

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