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マタギから聞いた話(26)-掟をやぶると…

マタギの語り部でもある
シカリのSさん親子から聞いた話を続けます。

マタギの掟では、

全身真っ黒なクマと

全身真っ白なクマと通常よりずっと大きなクマは、

山の神様の化身として、崇められていたので、

絶対に撃っては、いけないそうです。

他にも、
後ろ足にしこりのある
「こぶ熊」呼ばれるクマを撃つ事も、
禁止だそうです。

もし、間違って、仕留めてしまった場合は、
マタギを辞めなければならないそうです。

ある冬の日、マタギのTさんが、
猟のため、山に入りました。

しかし、数時間、山を歩きましたが、

獲物が見つかりませんでした。

今期は、不猟でしたが、

今日は、日が悪いと思い、
猟を、やめようかと思った時、

うまい具合に、クマを見つけました。

でも、強風と大雪となり、
視界が悪くなってきました。

クマが逃げそうになったので、
あわてて、すぐに狙いを定めて、撃ちました。

Tさんは、
仕留めたクマの所に駆け寄った所、

ツキノワグマならあるはずの

胸元の白い三日月模様が無いのを見て、

言葉を失いました。

Tさんは、
「必ずどこかに、白い毛がある筈だ」と探しましたが、
白い毛は1本も見つかりませんでした。

そのため、
Tさんは、掟に従い、マタギを辞め、
農業に精を出す事にしました。

でも、Tさんは、マタギに命を懸けていたので、
無気力になったそうです。

その後、
Tさんの家では、ケモノ臭い異種が漂い、
ケモノの息遣いが、聞こえるようになりました。

Tさんは、家の中や周囲を探しても、
動物はいませんでした。

ある夜、Tさんが夜道を歩いていると、
気配がしたので、

後ろを振り向くと、
白い三日月模様が無いクマがいました。

Tさんは、驚いて、もう一度見ると、
クマは、消えていたそうです。

その様な事が続いたので、

Tさんは、ストレスからだと思い、
気をまぎわらすため、
お酒の量が増えたそうです。

しかし、Tさんは、次第に痩せていき、
顔色も悪くなっていきったので、
家族や友人たちは、心配したそうです。

Tさんは、酔うと必ず、
白い三日月模様が無いクマの話をして、
「俺は、あいつに殺される。」と家族や友人に、
話をしていたそうです。

そしてある夜、
友人たちとお酒を飲んで酔っていた時、
突然、訳の分からない事を叫んだ後、
外に飛び出しました。

戻ってこないので、
友人たちは手分けをして、
周囲を探しましたが、
Tさんは、見つかりませんでした。

しかしその後、
Tさんは、山奥の川岸の岩に座った状態で、
死んでいたのを、
偶然に釣り人が見つけたそうです。

Tさんの遺体の周囲には、
クマの足跡と毛が、沢山残されていたそうです。

後日、Tさんの側にクマの幻がいたのを、
見たと言う人もいました。

そして、人々は、
Tさんは、山の神様の化身の全身真っ黒なクマに、
殺されたと、噂したそうです。

自分は、動物園勤務の時、
野生のツキノワグマやカモシカの捕獲を、

水族館勤務の時は、
マンボウやサメの捕獲をしたことがあります。

そして、南極にペンギンを…、

その話は、後日機会があれば、…。(続く)
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プロフィール

ムーミン

Author:ムーミン
生まれは、福岡、
育ちは、大阪、
現在、秋田市で、
動物病院を開院。

長年、
水族館、動物園で、
獣医師として勤務していました。

短期間ですが、
犬猫行政、
食品衛生業務も
しました。

その後、
長年、
東北、沖縄の
動物病院で勤務しました。

大阪に住んでいた時、
ジュニアリーダーをしていたので、
キャンプなどの指導などをしていました。

旅が好きで、バイクや車で
北海道や東北、関東などを、

野宿しながら、旅をしていました。

そして、
海外14カ国を、旅をして、

海外の複数の動物園や水族館で、
研修しました。

詳しくは、
別のブログ「あっちこっち雑記」で。

祖先は、醍醐源氏の末裔で、
福岡県八女市黒木の
猫尾城の城主を
していました。

先祖は、足利尊氏と戦い、
多々良浜の戦いでは、
敗戦しましたが、

筑後川の戦いなど、
最終的には勝利し、

3代将軍足利義満まで、九州を治め、

中国の「明」と、貿易をしていました。

詳しくは動物病院HPで。

学生時代、
生物学と歴史は好きでした。

試験の時は、
事前に、関連事項まで詳しく調べて、

特に歴史の時は、
現地調査までする事があったので、

筆記試験の時は

関連事項まで、詳細に書くと、

テスト用紙の回答欄のスペースでは、

ものすごく不足したので、

裏まで書いても不足した時には、

2枚目の白紙をもらい、
ぎりぎりまで書いていました。

そのため、
歴史や生物のテスト用紙が配られる時、
あらかじめ、
白紙が、2枚配られるようになりました。

だから、
高校の時、歴史の先生から、
歴史関係の進路を、
ものすごく強く勧められました。

でも、
生物の方が好きだったので、
獣医になりました。

先祖は笛が得意で、
後白河法皇、後鳥羽天皇に、
褒められた事があります。

自分も、子供の頃、
ピアノを習っていたので、
音楽が好きです。

水族館、動物園勤務時代、
野生動物は、
殺気を感じると、
逃げるので、
殺気を感じさせない為、
歌いながら、
治療していたので、
歌が得意になりました。

尚、色々な事を書いていますが、
話し言葉や細かい所などは、
意訳の場合もあります。

リンクはフリーです。

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