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マタギから聞いた話(24)-掟(1)

マタギの語り部でもある
シカリのSさん親子から聞いた話を続けます。

日本は、国土の約7割が山地なので、
山は身近な存在ですが、

古来より日本は、
山から流れる川や、
山に広がる森林地帯に衣食住の全てに渡って、
恩恵を受けているので、

山々に感謝し、
山に対する畏怖、畏敬の思いを抱き、

また、
山は天に近いので、
神様がいる神聖な場所と考え、
崇拝の対象とする山岳信仰が信じられてきました。

そして、
険しい地形や自然環境により、
僅かな不注意でも、
命を奪われかねない環境にあることから、

軽い気持ちの登山により、
危険な状況に陥る行為を、
山の機嫌を損ねる行為として禁忌とし、

神仏を祀る霊山への入山は、

一般の人は入ってはいけない「聖地」とされ、

登山修行の果てに救済があり、
特殊な力を身につけるため、

徳の高い僧侶や修行者しか、
登山は、許されていませんでした。

山岳信仰は、仏教と結びつき、
修験道という日本独自の宗教観を生みました。

登山は、宗教的な目的を持っていたので、

昔の日本には、
現在のような、レジャーのための登山は、
なかったのですが、

江戸時代中期になると、
一般の人々も山や山に祀られている神様を拝むため、
登山をしたいと思うようになり、

一般人の登山も許されるようになり、

その後次第に、
登山そのものを楽しむためなどのレジャーの登山も、
行われるようになりました。

ちなみに、
2013年、富士山は、
「富士山ー信仰の対象と芸術の源泉」として、
世界文化遺産に登録されましたが、

信仰の文字が入っています。

ちなみに、
現在、毎年、山開きが、
その年に初めて登山や入山が許される時に行われますが、

これは、レジャーのための行事ではなく、

元々は、
一般人が、山の神様に会うことが、
許される時期を決めるための、
宗教的な儀式でした。

現在では、
山開きをしていない時期でも、登山はできますが、
安全性の観点から決められている場合が多いので、
必ずそれに従うようにした方が良いと思います。

その神聖な山で、仕事をするので、
マタギには、掟がいくつかあるそうです。

1193年に『高階将監俊行』が、
神聖な山で仕事を行う猟師のための
『日光の狩人の秘伝書』を書いたそうです。

そこには、

「立火死火を忌む事。

月の15日水を浴びて精進し、巻物を読誦する事。

日に南無無量寿覚仏を2万2千遍読誦すれば、
立火、死火も厭わなくなる。

どこでも禽獣を捕ることは自由。

堂塔御宮でも、肉は食べても良い権利を持つ。

もし、智者や仏者が来ても、
右文三十三遍を読めば、はばかることなく、
そのまま肉を食べてもよいという権利を持つ。

これらの事は、子孫まで権利がある。」
と書かれています。(続く)
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プロフィール

ムーミン

Author:ムーミン
生まれは、福岡、
育ちは、大阪、
現在、秋田市で、
動物病院を開院。

長年、
水族館、動物園で、
獣医師として勤務していました。

短期間ですが、
犬猫行政、
食品衛生業務も
しました。

その後、
長年、
東北、沖縄の
動物病院で勤務しました。

大阪に住んでいた時、
ジュニアリーダーをしていたので、
キャンプなどの指導などをしていました。

旅が好きで、バイクや車で
北海道や東北、関東などを、

野宿しながら、旅をしていました。

そして、
海外14カ国を、旅をして、

海外の複数の動物園や水族館で、
研修しました。

詳しくは、
別のブログ「あっちこっち雑記」で。

祖先は、醍醐源氏の末裔で、
福岡県八女市黒木の
猫尾城の城主を
していました。

先祖は、足利尊氏と戦い、
多々良浜の戦いでは、
敗戦しましたが、

筑後川の戦いなど、
最終的には勝利し、

3代将軍足利義満まで、九州を治め、

中国の「明」と、貿易をしていました。

詳しくは動物病院HPで。

学生時代、
生物学と歴史は好きでした。

試験の時は、
事前に、関連事項まで詳しく調べて、

特に歴史の時は、
現地調査までする事があったので、

筆記試験の時は

関連事項まで、詳細に書くと、

テスト用紙の回答欄のスペースでは、

ものすごく不足したので、

裏まで書いても不足した時には、

2枚目の白紙をもらい、
ぎりぎりまで書いていました。

そのため、
歴史や生物のテスト用紙が配られる時、
あらかじめ、
白紙が、2枚配られるようになりました。

だから、
高校の時、歴史の先生から、
歴史関係の進路を、
ものすごく強く勧められました。

でも、
生物の方が好きだったので、
獣医になりました。

先祖は笛が得意で、
後白河法皇、後鳥羽天皇に、
褒められた事があります。

自分も、子供の頃、
ピアノを習っていたので、
音楽が好きです。

水族館、動物園勤務時代、
野生動物は、
殺気を感じると、
逃げるので、
殺気を感じさせない為、
歌いながら、
治療していたので、
歌が得意になりました。

尚、色々な事を書いていますが、
話し言葉や細かい所などは、
意訳の場合もあります。

リンクはフリーです。

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