fc2ブログ

記事一覧

マタギから聞いた話(15)-肝試し

マタギの語り部でもある
シカリのSさん親子から聞いた話を続けます。

マタギのSさんが、子供の頃、

子供会主催の恒例だった、
真夏の夜の肝試しに参加したそうです。

大人たちから怖い話を聞いた後、

10分位で行ける山の祠に行き、
祠に置いてある印を取ってくる事になったそうです。

Sさんは、懐中電灯を持ち、目的地の祠に向かい、
山道を歩ていると、突然、突風が吹いて来たので、
手で目を覆うと、

わき腹をドンと何かに突かれ、思わず倒れました。

「何だ?」と思い、懐中電灯を向けると、
お地蔵様が、いました。

「お地蔵様に、ぶつかったのか?」と思い、
先を急ぎました。

そろそろ祠のある所に着くはずと思いましたが、
目的の祠はありませんでした。

そして、
速足で歩いていると、広場に出ました。

そして、その広場の先は、
延々と田んぼと畑が続いていました。

「この山道は、何度も通った事があるが、
広場は無かったはずだし、
田んぼや畑は、見た事が無い。

この場所は知らない。

ここは何処?」と不思議に思っていると、

広場の先に明かりのついた小さな民家がありました。

「この山に、家があるというのも、
聞いたことがない。

とりあえず、場所を聞こう。」と思い、
民家に行きました。

玄関で声を掛けましたが、
反応がありませんでした。

でも、窓から明かりが漏れていたので、
窓から中を覗くと、
年配の男性と女性が、座っていました。

Sさんは、大きな声で、窓を叩きながら、
「こんばんは!すみません。」と声を掛けましたが、
年配の男性と女性は、反応しませんでした。

Sさんは、反応がないので、
人形かと思いましたが、
呼吸するたびに体が動いていたので、
生きていると思ったそうです。

Sさんは、
以前、祖母から聞いた「迷い家」だと思ったそうです。

Sさんは、怖くなり「迷い家」から離れ、
元来た道を戻ろうとしましたが、

元来た道どころか、広場も無くなり、

どの方向に行っても、
延々と田んぼと畑の中が続いていました。

Sさんは、
知っている道を探しながら、歩きましたが、

知らない道は、ずーっと続いていました。

気が付くと、周囲が明るくなり、
夜が明けようとしていました。

一刻も早く家に戻りたかったのですが、

ものすごく疲れていたので、

少し休もうと座ると、

そのまま寝てしまったそうです。

そして…、

体をゆすられ、名前を呼ばれたので、
Sさんは、起きたそうです。

周囲を見渡すと、
目的地の祠の前に、いたそうです。

Sさんの周囲には、
親や沢山の大人たちがいて、
「今まで何処に行っていたんだ?」と聞いてきたそうです。

Sさんは、見てきたことを話しましたが、

大人たちは、「お前は、1週間前から行方不明となり、
祠の周囲や周辺を何度も探したが、
お前はいなかった。」と言ったそうです。

Sさんは、自分が1週間前もら行方不明だったと聞いて、
ビックリしたそうです。

周囲の人々は、Sさんが、神隠しにあったと噂したそうです。

その後、Sさんは、山の中の民家を探しましたが、
見つからなかったそうです。

Sさんは、

「やはり、あれは、「迷い家」だった。

「迷い家」に迷い込む事が、神隠しなのかも?

「迷い家」では、時間の流れが違うんだ。」と思ったそうです。(続く)
関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

非公開コメント

ジャンルランキング

ランキング

クリックすると、点が入るらしい

ランキング

最新記事 

カテゴリ

鳥 (4)
魚 (5)

プロフィール

ムーミン

Author:ムーミン
生まれは、福岡、
育ちは、大阪、
現在、秋田市で、
動物病院を開院。

長年、
水族館、動物園で、
獣医師として勤務していました。

短期間ですが、
犬猫行政、
食品衛生業務も
しました。

その後、
長年、
東北、沖縄の
動物病院で勤務しました。

大阪に住んでいた時、
ジュニアリーダーをしていたので、
キャンプなどの指導などをしていました。

旅が好きで、バイクや車で
北海道や東北、関東などを、

野宿しながら、放浪しました。

そして、
海外14カ国を、放浪し、

海外の複数の動物園や水族館で、
研修しました。

詳しくは、
別のブログ「あっちこっち雑記」で。

祖先は、醍醐源氏の末裔で、
福岡県八女市黒木の
猫尾城の城主を
していました。

先祖は、足利尊氏と戦い、
多々良浜の戦いでは、
敗戦しましたが、

筑後川の戦いなど、
最終的には勝利し、

3代将軍足利義満まで、九州を治め、

中国の「明」と、貿易をしていました。

詳しくは動物病院HPで。

学生時代、
生物学と歴史は好きでした。

試験の時は、
事前に、関連事項まで詳しく調べて、

特に歴史の時は、
現地調査までする事があったので、

筆記試験の時は

関連事項まで、詳細に書くと、

テスト用紙の回答欄のスペースでは、

ものすごく不足したので、

裏まで書いても不足した時には、

2枚目の白紙をもらい、
ぎりぎりまで書いていました。

そのため、
歴史や生物のテスト用紙が配られる時、
あらかじめ、
白紙が、2枚配られるようになりました。

先祖は笛が得意で、
後白河法皇、後鳥羽天皇に、
褒められた事があります。

自分も、子供の頃、
ピアノを習っていたので、
音楽が好きです。

水族館、動物園勤務時代、
野生動物は、
殺気を感じると、
逃げるので、
殺気を感じさせない為、
歌いながら、
治療していたので、
歌が得意になりました。

尚、色々な事を書いていますが、
話し言葉や細かい所などは、
意訳の場合もあります。

リンクはフリーです。

検索フォーム

月別アーカイブ