マタギから聞いた話(20)-空腹
- 2019/04/14
- 05:05
シカリのSさん親子から聞いた話を続けます。
マタギのMさんが、
いつものように山で、足跡をたどりながら、
クマを追っていましたが、
なかなか姿を見つける事が出来ませんでした。
追い始めてから2日目の夜、
クマが警戒するので、火を使えないので、
茂みの中に身を隠して、携帯食を少し食べましたが、
空腹感がありました。
Mさんが、つい「腹減った。」 とつぶやくと、
「うん、確かに。
お前だけじゃあ、腹の足しにならん。
今日は、あっちの方を食うか?」 と、
どこからか野太い地響きのような声がしました。
Mさんは、怖くなり、
翌朝、日が昇るまで動けなかったそうです。
Mさんは、日が悪いという事で、
猟をやめて、帰ろうとしていると、
草陰にクマが見えました。
Mさんは、銃を構えましたが、
そのクマは動かず、様子が変だったので、
試しに地面を足でドンと叩くと、
クマは、倒れてしまいました。
Mさんは、
「死んでいたのか?」と近寄ってみると 、
皮だけになったクマの死骸だったそうです。
Mさんは、びっくりして、
大急ぎで逃げ帰ったそうです。(続く)
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