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マタギから聞いた話(19)-誰もいない部屋

マタギの語り部でもある
シカリのSさん親子から聞いた話を続けます。

マタギのFさんが、猟をするために、
山に入ったそうです。

その年は、天候不順や台風などの影響で、
作物などが不作だったせいか、

その時は、
獲物がいなかったので、
普段はいらないような山奥に、
どんどん入っていきました。

しかし、猛吹雪となったので、
どこかで休みたいと思い、

周囲を見渡すと、
炭焼き小屋らしきものが、ありました。

小屋からは明かりが漏れてきていました。

Fさんは、誰かいると思い、その小屋に行きました。

そして、休ませてもらおうと、ドアを叩くと、

中年男性が出てきました。

中年男性は、
「食事と布団の準備をしますが、

自分は、急用があり、今から行く所があるので、

誰もいなくなるので、

留守をしてもらえれば助かります。」
と言って、食事と布団の準備をしました。

そして、しばらくすると、

中年男性は、

「じゃあ、今から出ますが、

壊れたものがあるので、
奥の部屋には行かないで下さい。

冷えると困る物があるので、

入口に薪が沢山あるので、

絶対に、

炉の火を消さないように、
お願いします。」と言い残し、

小屋を出ていきました。

Fさんは、食事を食べてから、炉を見ると、

火が小さくなってきたので、
薪を入れ火を大きくすると、
体がポカポカと温かくなり、眠くなりました。

そして、布団に入ると、

疲れていたので、すぐに眠りにつきました。

しばらくすると、Fさんは、目が覚め、
炉を見ると、火が小さくなってきたので、
薪を入れようと思い、布団から出ました。

すると、奥の部屋から、
カサカサと音が聞こえて来ました。

空耳かと思い、耳を澄ましていると、

今度は、誰もいないはずの奥の部屋から、
ガリガリと何かを引っ掻くような音が聞こえて来ました。

ネズミか何かいるかもと思い、

まずは、炉に薪を入れようと、
薪を持って、炉に入れて火を大きくしました。

Fさんは、疲れているので、
再び、寝ようと思いましたが、
気になり、寝ることが出来ませんでした。

そして、今度は、奥の部屋から、
ネズミではない、大きなフーフーという音が、
聞こえて来ました。

Fさんは、誰もいないはずなのに、

息遣いが聞こえるのは、
絶対に変だと思い、気になり、奥の部屋に行くと、
白い布にくるまれた物体がありました。

そして、その物体から、
たくさんの赤い液体が、垂れていました。

Fさんは、白い布にくるまれた物体は、

何?

赤い液体は血?

では血のついた物が、動いていた? 

フーフーという音をたてていた?  

と思うと気が動転し、

幽霊か?ゾンビか?

雪女か?妖怪か?

あるいは、壊れたものとは、
人が壊れた?と言うことは…、

殺人?自分も殺されるのか?と思うと、

訳が分からなくなり、

ものすごく怖くなり、
急いで、布団の方に戻りました。

Fさんは、銃を持っていましたが、

その銃で、戦えるかは分からないので、

布団を頭からかぶり、
布団から出ないようにしていると、

冷静さを取り戻しました。

Fさんは、
深い人里離れた山ではどんなことでも起きる!

そういえば、
男性が火を消さないようにと言っていた!と思い出し、

火は、
魔除けのためだったのか!と考えましたが、

とりあえずは、
山の神様に助けてもらおうと考え、

念仏を唱えていると、

いつの間にか朝になっていました。

そして、
外から声が聞こえてきたので、

Fさんは、慌てて、家の外に出ると、

そこには、この家の主人の中年男性が、
数人の男性と一緒にいました。

Fさんは、ここで殺さるののか?と身構えましたが、

中年男性は、「どうしました?
大丈夫ですか?」と声をかけてきました。

Fさんは、殺されることはないと思うとホッとし、

あれは、魔物だったんだ!と確信し、

中年男性に、
「魔物をよけるための火を焚いていましたが、
家の中に、魔物に入られてしましました。」と昨夜の体験を話しました。

すると、中年男性は、

「それは、

死んだ自分の妻です。」と言いました。

Fさんは、「すると、奥さんの幽霊ですか?」と、
おそるおそる聞きました。

すると、中年男性は、

「最初に言っておけば良かったのですが、

実は、
昨日、自分が、外で薪を集めている時、

家の中から、
食事の支度をしていた妻の悲鳴が聞こえてきました。

あわてて、家に戻りましたが、
妻は、何かの動物に襲われて、
殺されてしまいました。

おそらく、
今年は、山に獲物が少なくて、
食事の匂いにつられて、
動物が集まったからだと思います。

その後、
小屋の隙間から、妻の死体を狙って、
動物たちが集まって来たので、

村の人に助けを求めようと、

焦っていたのですが、

そこに、貴方が来たので、

知らない人に、妻の死体の事を言いにくかったので、
黙っていました。

暖炉の火を焚いて動物を来ないようにしてもらおうと思い、
火を消えないように頼んでいました。」と言いました。

そして、
Fさんは、夜中聞こえていた音は、
動物が、中年男性の妻の死体を食べようと、
小屋を引っ掻いていた音や動物の息遣いだと分かり、

ホッとしてから、
中年男性の手伝いをしたそうです。(続く)
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プロフィール

ムーミン

Author:ムーミン
生まれは、福岡、
育ちは、大阪、
現在、秋田市で、
動物病院を開院。

長年、
水族館、動物園で、
獣医師として勤務していました。

短期間ですが、
犬猫行政、
食品衛生業務も
しました。

その後、
長年、
東北、沖縄の
動物病院で勤務しました。

短期間ですが、
オーストラリアなど
海外の複数の動物園や水族館で、
研修した事があります。
詳しくは、
別のブログ「あっちこっち雑記」で。

祖先は、醍醐源氏の末裔で、
福岡県八女市黒木の
猫尾城の城主を
していました。
詳しくは動物病院HPで。

学生時代、
生物学と歴史は好きでした。

高校時代、
試験の時は、
事前に、関連事項まで詳しく調べて、

特に歴史の時は、
現地調査までする事があったので、

筆記試験の時は

関連事項まで、詳細に書くと、

テスト用紙の回答欄のスペースでは、

ものすごく不足したので、

裏まで書いても不足した時には、

2枚目の白紙をもらい、
ぎりぎりまで書いていました。

そのため、高校の時は、
歴史や生物のテスト用紙が配られる時、
あらかじめ、
白紙が、2枚配られるようになりました。

先祖が笛が得意だったのと、
子供の頃、
ピアノを習っていたので、
音楽が好きです。

水族館、動物園勤務時代、
野生動物は、
殺気を感じると、
逃げるので、
殺気を感じさせない為、
歌いながら、
治療していたので、
歌が得意になりました。

尚、話し言葉や細かい所などは、
意訳の場合もあります。

リンクはフリーです。

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