マタギから聞いた話(23)-道筋
- 2019/04/20
- 05:05
シカリのSさん親子から聞いた話を続けます。
ある冬の日、
30年以上チームを組んでいるベテランのマタギたちが、
いつものように、山に熊猟に出かけました。
その方法は、
下から勢子が熊を大声で追いやり、
上で待ち伏せしている撃ち手が、仕留める、
巻き狩りという物でした。
しかし、全員が配置についた頃、
開始を伝える為、無線で呼んでも、
Eさんの返事がありませんでした。
無線に出ないEさんを心配して、
捜索する事になりました。
しかし、Eさんの姿はどこにもありませんでした。
実は、5kmくらい離れたところで、
林道工事をしていた作業員が、
ぼーっと立っているEさんに、声をかけたそうです。
すると、Eさんはっと我に返って、
無線で仲間に無事を知らせたそうです。
Eさんは、
持ち場に行こうとした所までは、
覚えていますが、
どのようにして、そこまで行ったかは、
まったく覚えていなかったそうです。(続く)
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