不死身の分隊長-『舩坂弘』(3)
- 2018/12/15
- 05:05
報復のため、艦隊に無線連絡しました。
無線連絡を受けた艦隊は、
『舩坂弘』さんのいる部隊に対して、
一斉にスコールのように、
ナパーム弾、砲弾を撃ち込んで来ました。
岩石を砕き、
黒い煙と土埃を吹き上げて破片が飛び交うので、
『舩坂弘』さんたちは、動けなくなったそうです。
砲弾が止んで周囲を見渡した『舩坂弘』さんは、
地面が変形しているのは当たり前ですが、
そこには、
少し前まで、冗談を飛ばしていた戦友たちが、
血まみれの体、あるいは肉片や腕、足、
内臓が半分はみ出している体や
壊れた頭などの遺骸が黒々と続き、
この世の物とは思えないような状況だったので、
アッと叫んだまま、
驚愕のあまり気を失いそうになったそうです。
『舩坂弘』さんは、
米軍の砲撃で左大腿部を撃たれ、
瀕死の重傷でしたが、
戦いが続いていたので、3日間放置されたそうです。
そして、押しつ戻しつの戦いの中、
ようやく日本の軍医がやって来ました。
そして、『舩坂弘』さんの傷をみた軍医は、
あまりの傷口の深さと大きさに、
治療せず、
『舩坂弘』さんに自決用の手榴弾を手渡して、
去って行きました。(続く)
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