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日本を守るために命をかけて戦った人々(13)-戦争を避けるための示唆(1)

アメリカのオクラホマ州立大学の
認知社会心理学者『ムザファー・シェリフ』を
中心とする研究グループが行った

「ロバーズ・ケーブ実験」が、

国の関係に通じる重要な示唆を、
もたらしてくれます。

「ロバーズ・ケーブ実験」とは、
1954年、オクラホマ州内の
ロバーズ・ケーブ州立公園で行われた
サマーキャンプにおいて約3週間行われた観察研究です。

対象となったのは、
プロテスタント系の白人中流階級の家庭の子どもで、
成績は中程度、問題行動の履歴なしなどの条件にあてはまる所から、
抽出されたお互いに面識のない約11歳の男児22人で、
実験は約1週間ごとの3つのステージから構成されました。

第1ステージは、
11人ずつの2グループに分け、
それぞれ別の場所で、
お互いのグループの存在を知らないまま活動し、
初対面の子ども同士が集められた場合に、
相互の関係性がどのように作られていくかを、

認知社会心理学者『ムザファー・シェリフ』は、
キャンプ場の雑役夫を装って、

各グループ内で観察しました。

最初の頃は、
お互いに探り合いながら作業していましたが、

しばらくすると、
張り切って仕切るタイプの数名が先頭に立って、
周辺を探索したり、ゲームに興じたりして、
他のメンバーがそれについていくという状況でした。

その後、
仕切るタイプの子ども同士の間で意見の相違が顕在化し、
彼らに対するフォロワーの評価も徐々に固まってきて、
キャンプの半ば頃には、誰がリーダーかわかるようになりました。

こうしたリーダー、それ以外の仕切るタイプの子ども、
フォロワーといった役割の違いは、
キャンプ中の様々な活動に反映されていき、
遊びや共同作業がよりスムーズになりました。

その後、危険な遊びを競い合ってしている時、
怪我をしても泣かずに黙っていた子どもが男らしいと評価され、
「泣き言を言わない強さ」がそのグループの規範となり、
独自の規範を設けるようになりました。

その後、
別のグループの声を聞きつけ、
別の集団がいる事に気が付くと、
別に害を加えていないのに、敵意を持ち、

全員が白人だったのに、
相手グループを「黒んぼのキャンプ客」と呼んだりして、
お互いを人種差別的な言葉で罵倒しあいました。

その時のアンケートでは、
お互いのグループが、
自分たちのグループの方が、
強くて足も速くて優れていると答えました。

そして、グループ内の結束を高めるため、
『ラトラーズ』と『イーグルス』と
それぞれがグループ名を決め、
グループの旗やTシャツを作り、
一致団結の機運が高まっていきました。

しゃべり方も、それぞれのグループで、
特徴のあるしゃべり方で、話すようになりました。

この事から、
【複数の集団が存在すると、

特に原因がなくても、

集団間に敵意が発生する。】ということが、
分かります。

だから、2つ以上の国があれば、

国際問題は起きるのです。

次の第2ステージでは、
魅力的な賞品を用意し、
野球や綱引きなどの勝敗がつくゲームで、
勝ったグループが、
賞品を獲得できる状況を設定しました。

対戦初日の野球と綱引きで勝利した『ラトラーズ』に対して、
『イーグルス』はそのくやしさから、
グランドに立てていた彼らの旗を燃やしました。

翌朝になりその事実を知った『ラトラーズ』は激怒し、
『イーグルス』メンバーとの殴り合いへと発展しました。

そして、2日目の対戦では、『イーグルス』が勝ちました。

『ラトラーズ』は、『イーグルス』に夜襲をかけ、
相手のズボンを持ち去り、
次の日には落書きしたズボンを旗代わりにして、
挑発しながら会場へと現れ、
罵声を浴びせかけ、険悪な雰囲気でした。

次の第3ステージでは、
関係が悪化した集団間の対立を、
解消することを目的としました。

まずは、仲直りのため、一緒に映画を見せたり、
食事会を開き、接触する機会を増やしましたが、
最後には、食べ物を投げ合うなど大乱闘となりました。(続く)
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プロフィール

ムーミン

Author:ムーミン
生まれは、福岡、
育ちは、大阪、
現在、秋田市で、
動物病院を開院。

長年、
水族館、動物園で、
獣医師として勤務していました。

短期間ですが、
犬猫行政、
食品衛生業務も
しました。

その後、
長年、
東北、沖縄の
動物病院で勤務しました。

大阪に住んでいた時、
ジュニアリーダーをしていたので、
キャンプなどの指導などをしていました。

旅が好きで、バイクや車で
北海道や東北、関東などを、

野宿しながら、放浪しました。

そして、
海外14カ国を、放浪し、

海外の複数の動物園や水族館で、
研修しました。

詳しくは、
別のブログ「あっちこっち雑記」で。

祖先は、醍醐源氏の末裔で、
福岡県八女市黒木の
猫尾城の城主を
していました。

先祖は、足利尊氏と戦い、
多々良浜の戦いでは、
敗戦しましたが、

筑後川の戦いなど、
最終的には勝利し、

3代将軍足利義満まで、九州を治め、

中国の「明」と、貿易をしていました。

詳しくは動物病院HPで。

学生時代、
生物学と歴史は好きでした。

試験の時は、
事前に、関連事項まで詳しく調べて、

特に歴史の時は、
現地調査までする事があったので、

筆記試験の時は

関連事項まで、詳細に書くと、

テスト用紙の回答欄のスペースでは、

ものすごく不足したので、

裏まで書いても不足した時には、

2枚目の白紙をもらい、
ぎりぎりまで書いていました。

そのため、
歴史や生物のテスト用紙が配られる時、
あらかじめ、
白紙が、2枚配られるようになりました。

先祖は笛が得意で、
後白河法皇、後鳥羽天皇に、
褒められた事があります。

自分も、子供の頃、
ピアノを習っていたので、
音楽が好きです。

水族館、動物園勤務時代、
野生動物は、
殺気を感じると、
逃げるので、
殺気を感じさせない為、
歌いながら、
治療していたので、
歌が得意になりました。

尚、色々な事を書いていますが、
話し言葉や細かい所などは、
意訳の場合もあります。

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