日本を守るために命をかけて戦った人々(12)
- 2018/12/10
- 05:05
世界水準を超えた戦闘能力で無敵と言われ、
アメリカ軍の戦闘機F4F「ワイルドキャット」では、
「零戦とは格闘戦してはいけない。
低速時に上昇中の零戦を、
追ってはいけない。」と厳命されていました。
しかし、
アメリカは、航空機生産能力は、
日本の約5倍と国力の差があり、
日本は、零戦の良い後続機が出来ませんでしたが、
アメリカでは、1943年より投入された
戦闘機F4F「ワイルドキャット」の後続機、
戦闘機F6F「ヘルキャット」は、
全てにおいて零戦より優れていたので、
制空権はアメリカに移りました。
その結果、
零戦は、特攻での消耗品扱いとなりました。
日本の上層部は、
敵が最も重視しているのは、
人的資源と考えていました。
そのため、
大量の敵を殺傷していけば、被害の拡大を恐れて
無条件降伏を回避することが出来て、
日本国が護持されるものと期待し、
日本は、本土決戦となれば、
上層部以外の全国民を、
特攻にという作戦を立案しました。
その事を知ったアメリカは、
自軍の損害を最小限に抑えるため、
ソ連の対日参戦を強く要請し、
北方領土が侵略されました。
特攻は、戦闘機以外も、
ロケットエンジンを搭載した人間爆弾「桜花」、
人間魚雷「回天」、「蚊龍」、爆弾を搭載した水上艇「震洋」、
爆弾を抱いて敵戦車の下に潜り込んで自爆などがありました。
資料により、数値は多少の変化はありますが、
海軍の特攻隊員戦死者数は、約4千人、
陸軍の特攻隊員戦死者数は、約千4百人、
この他に第二艦隊戦没者、
「回天」を搭載して出撃し未帰還となった母艦潜水艦搭乗員、
移動中の乗船海没などにより地上戦に参加した戦没者を入れると、
合計で、約8千-1万4千人以上だそうです。
航空特攻による戦果は、沈没55隻、死亡2457人、
水中特攻(回天)による戦果は、沈没3隻、死亡178人、
水上特攻(震洋・マルレ)による戦果は、沈没11隻、死亡150人
損傷による除籍処分でみると、戦果は、
航空特攻による、沈没23隻、死亡436人、
水上特攻(震洋・マルレ)による、沈没5隻、死亡1人
という記録もありますが、
アメリカが、公式に認めている特攻での被害は、
空母撃沈2隻、空母撃破18、戦艦撃破5、巡洋艦撃破8、
駆逐艦撃沈3、上陸用舟艇撃沈14で、
命中率は、約5%以下でした。
ちなみに、
熟練パイロットは、最初の方で特攻していたので、
最後の方は未熟なパイロットが特攻を行う事になり、
燃料不足、航空機不足のため、
特攻には、
練習機や旧式機などで、はっきり言えば、
ボロボロ状態で行ったそうです。
アメリカは、特攻を受けてすぐに、
特攻対策として、
艦上戦闘機を増やし、
広範囲にレーダー防空対策を行い、
特攻機が来る30分前には、
臨戦態勢が出来て、
特攻機は、体当たり用の爆弾しか武器が無く、
飛行技術が未熟で、ボロボロの機体を使用し、
燃料もあまりなかったので、
ものすごく簡単に、撃ち落す事が出来たので、
後期には、特攻がものすごく困難になり、
成果も無くなっていったそうです。
特攻で、敵の護衛空母を沈没させたと言っても、
元々商船だったものなどを改造したもので、
軍艦ではないため防備が甘く、
特攻が主目的とした正規空母は、
一隻も沈まなかったそうです。
効率の悪さ、
そして、物資が不足しているのに、
特攻して、物資を消費する事を考えれば、
特攻は行わないと思うのですが、
国のトップが、将来を考えず、
あるいは、
トップが自分たちの事しか考えていなかったか、
破れかぶれになっていた、と言う事です。
だから、
世界の政治家は、
才知や徳のある賢者でないと困ります。
地球全体は、基本的には、弱肉強食の世界ですが、
せめて、人間だけでも、
地球全体の事を考え、手を取り合い、
お互いを尊敬し、思いやりの心を持ち、
戦争の無い世界に、向かって欲しいです。
特に、政治に興味が無く、行っても変わらないと言って、
選挙に行かない人が多いみたいですが、
シッカリ選ばないと、怪しい政治家が増え、
将来の雲行きが怪しくなり、
やがては、戦争が始まり、
自分達が苦しむ事になります。
その時に後悔しても遅いです。(続く)
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