日本を守るために命をかけて戦った人々(4)-9回特攻した『佐々木友次』伍長(3)
- 2018/10/07
- 05:05
休み時間も無く、
6回目の特攻の命令が出ました。
『佐々木友次』伍長は、
何かの感染症(マラリア)に感染したらしく、
熱っぽく、体調が悪かったので、
「少し寝て、体力が回復にしてから、
特攻させて欲しい。」と言うと、
参謀長『猿渡篤孝』は、
「絶対にダメだ!寝ている時間など無い!
ただちに、どんな船でも良いから、見つけ次第、突っ込め!
今度帰ったら承知せんぞ!」と、
たいへんな剣幕で、まくしたてました。
そして、出撃し、
敵の高射砲をかいくぐって爆弾を投下し、
大型船を沈めてから、
ミンダナオ島の飛行場に着陸したそうです。
そして、
無線で、戦果と生きている事を伝え、
返信も来たので、
軍上層部は、
生きている事は知っているはずでしたが、
何故か、
軍上層部の大本営は、
『佐々木友次』伍長の特攻で、
敵の有力艦が大破炎上し、
『佐々木友次』伍長の2度目の「戦死」、
そして、「軍神」となったと発表しました。
その時、情報が錯綜し、6回目の特攻でしたが、
朝日新聞では、『佐々木友次』伍長、
3回目の出撃で、
特攻に成功という記事になりました。
当時の朝日新聞を要約すると、
【『佐々木友次』伍長は、
1回目の「万朶隊」に参加し、
体当たりと見方から認められる程、
1度は敵艦に近づいたのですが、
角度が悪かったので、機首を上げて、
再度、敵を狙っていると、雲に妨げられたので、
仕方なく、基地に帰着した。
2回目の出撃では、天候が悪く、帰還し、
今回が3回目の出撃。
第4航空軍司令官『冨永恭次』中将の教訓
「死するは易く、生きるは難し。
死に急いではならぬぞ。」を胸に秘めて、
今日は、待ちに待った特攻の日。
『佐々木友次』伍長は、特攻の直前に、
護衛機にちらりと目を配り、
そのまま、
敵艦に飛行機雲の尾を引いて突入していった。
猛炎と轟音の中に佐々木伍長の若い肉体が、
パッと万朶の桜と咲いた。】とあります。
でも実際は、『佐々木友次』伍長が、
基地に戻ろうとしましたが、
悪天候と燃料不足のため、
途中で不時着する事になりました。
そして、
機体頭部から地面に突っ込んだのですが、
奇跡的に機体は爆発せず、
着陸は成功しました。
でも、着陸の衝撃で意識を失ったそうです。
夜中で、不時着した地域が、
たまたま、日本軍の勢力範囲だったので、
命拾いしたそうです。
基地に戻ると、『猿渡篤孝』大佐は、
「この臆病者! よくもおめおめと帰ってこれたものだ。
お前は戦死した事になっているので、
今後は残飯を食べろ!
お前のような卑怯未練な奴は、
特攻隊の恥さらしだ!
なぜ死なない!次回は必ず死ね!」と怒鳴りつけたそうです。
しかし後で、
『佐々木友次』伍長は、同僚に、
「恩人『岩本益臣』大尉ら少尉以上の士官5人のため、
5隻のの船を沈めるまでは、死ぬわけにはいかない。」と言ったそうです。
7回目の出撃は、機体の尾端下部の車輪の故障で、
離陸が出来なかったそうです。
8回目は、護衛機も無しで、たった1機で出撃し、
敵輸送船団と艦船を発見しましたが、
「2百隻近い敵に、
1機で突っ込むことにどんな意味があるのか?」と考え、
機首を旋回させて飛行場に戻ったそうです。
そして、
最後の9回目の出撃となりましたが、
マニラ上空で機体が不調をきたし、
「これ以上、飛ぶことは危険だ。」と判断し、
飛行場に戻ったそうです。
この時、
『佐々木友次』伍長は、
マラリア感染による高熱で、
ふらついていたので、
医務室で治療を受けていると、
10回目の特攻命令が来ました。
しかし、特攻命令が出ましたが、
『佐々木友次』伍長は、動けませんでした。
すると、
複数の上官が来て、仮病だとか、死にぞこないなどと、
聞くに堪えられない位、罵倒したそうです。
そして、
マラリアによる激しい発作に苦しんでいる最中に、
終戦を迎えたそうです。
マラリアに関しては、
研究発表した事があり、見慣れています。
その事に関しては、このブログの最初の
「はじめにー新種発見ー血が好きな生物」に書いてあります。
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