日本を守るために命をかけて戦った人々(2)-『中島正』少佐と『岡嶋清熊』少佐と『菅野直』大尉
- 2018/09/21
- 05:05
特攻の恒常化で、次第に思いやりを欠く言動が、
増えていったそうです。
『中島正』少佐は、特攻に関して、
「辛いとか、苦しいとかいうような気持ではなく、
説明しがたいある種の感動だった。
でも、俺は死なない。
神風特攻隊の記録を後世に残すため
内地に帰る。」と常に言っていたそうです。
ちなみに、
戦後、「神風特別攻撃隊の記録」などの
特攻隊を美化する本を書きました。
全員特攻を唱える『中島正』少佐に対し、
203空飛行隊長『岡嶋清熊』少佐は、
「特攻は邪道だ。
正々堂々と決戦をすべきだ。
俺の203空飛行隊からは、
1機の特攻も出さない。」と言って、
激論を交わしたそうです。
ある時、
『中島正』少佐が特攻で、桟橋の破壊を命じた時、
『岡嶋清熊』少佐は、
「いくらなんでも、橋だけでは、
命をかける人間にとって残念だ。
カラ船でもいいから、
せめて船を、目標にしてほしい。」と言いましたが、
『中島正』少佐は、
「目的は戦果じゃない。
死ぬことにあるんだ。」と答えたそうです。
『中島正』少佐は、
特攻機を護衛、戦果確認する護衛機に対して、
「敵から攻撃を受けても反撃してはいけない。
特攻機の盾になって、
全弾身に受けて進めろ。」と命令していたそうです。
ある時、
総撃墜数が計72機の撃墜王として有名な『菅野直』大尉が護衛機で、
第二神風特攻隊忠勇隊の護衛と特攻の戦果確認を務めた時、
ついでに敵機に被害を与え戻って来て、
特攻戦果を報告した時、『中島正』少佐は、
「戦果が大きすぎる。
何か勘違いしていないか?
レイテへ行って本当に体当たりをしたのか?
本当に目撃したのか?」と言ったそうです。
そのため、
『菅野直』大尉は憤って、
拳銃を5発、床に発砲したそうです。
ちなみに、
発砲に関しては、暴発の扱いになりました。
ある時、『中島正』少佐が、
隊員に「特攻の急降下攻撃法は、45-60度の角度で、
甲板か煙突か艦橋に突入するようにすれば、
成功する。」と講義したそうです。
『中島正』少佐が、退出した後、
残っていたベテランパイロットが、
「『中島正』少佐は、
自分で飛んでいないから知らないが、
舵の故障を狙って
20-30度で艦尾に突入し、
航行不能にして、
その後、潜水艦がとどめをさす。
高高度から、
45-60度の角度で行くのは、無理だ。」と訂正したそうです。
ちなみに、
『中島正』少佐は、1960年空将補で退官後、
横浜ゴムに入社したそうです。
晩年は心臓の具合が悪く、陶器作りの静養の日々を送り、
1996年、86歳で死亡したそうです。
『中島正』少佐と激論を交わした
203空飛行隊長『岡嶋清熊』少佐は、
「戦闘機乗りというものは最後の最後まで敵と戦い、
これを撃ち落として帰ってくるのが本来の使命。
敵と戦うのが戦闘機乗りの本望なのであって、
爆弾抱いて突っ込むなどという戦法は邪道だ。」と言い続けていたので、
上層部からは国賊と呼ばれていたそうですが、
最終的には、
命令に逆らえず、志願者を募る事になりました。
すると全員が手をあげたので、
3人の特攻隊員を選出したそうです。
『岡嶋清熊』少佐は、
戦後、防衛大学校海上防衛学教室教授、第4航空群司令を務め、
1966年、海将補で退官。退官後は、
細谷火工株式会社に入社したそうです。
1995年、81歳で死亡したそうです。(続く)
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