糞尿の話(16)-糞便利用(3)
- 2018/08/01
- 05:05
増殖した悪玉菌により発症し、最悪の場合は死亡し、
日本では、増加傾向にあり、
毎年約10万人以上の人が罹患しています。
2013年、オランダ・アムステル大学で、
画期的な治療法が開発されました。
その方法は、
「糞便移植」と言って、
健康な人の便を、
チューブで、患者の鼻から十二指腸に入れるそうです。
今まで行われていた抗生物質による治癒率は、
約30%でしたが、
人の便を使った方法の治療率は、
何と…、約94%でした。
日本の藤田保健衛生大学学校で、
「糞便移植」を行った結果、
偽膜性大腸炎のクロストリジウム・ディフィシル感染症では、
成績は良かったそうです。
特に、クローン病では、小腸に散布した結果、
著明な臨床的改善が認められたそうです。
費用は、1回で、検査料込みで、
15万円位かかるそうです。
ちなみに、
潰瘍性大腸炎での成績は良くなかったそうです。
これは、他の個体から、
便中の有用な微生物を取り入れるという事ですが、
そうなると、
「食糞餓鬼」は、健康のために、便を食べていたのか?
ちなみに、
便秘ではない個体が排泄してすぐの糞便は、
衛生上それほど問題はないそうですが、
排便後数時間以上経った物や、便秘をしている個体の糞は、
有害細菌の働きによって、
健康に悪影響を与える毒素が発生するので、
食糞してはいけないそうです。
ちなみに、この頃、食品業界も、
糞便に注目しています。
「ヒト由来の乳酸菌」と書いてあるチョコ、ヨーグルトなど、
沢山の商品がありますが、
これは、
「健康な人間の糞便」から、分離精製されたものです。
最初、ヒト由来と書いてあるのを見て、
誰の便から?と思い、食べる手が止まりました。
でも、自分は、大学院の時、
伝染病教室と微生物教室に在籍したので、
菌やウイルスの培養をしていましたが、
菌を培養している時点で、
純粋に菌のみになるので、
便から取り出したからと言って、
汚くないのです。
でも、やはり、子供?若い人?老人?男?女?
誰の便から、何故、その人を選んだのだろう?と思いました。
ちなみに、
動物では、汚いものとして感じていないので、
昔から、食糞はしていました。(続く)
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