糞尿の話(13)-餓鬼(3)
- 2018/07/29
- 05:05
「施餓鬼会(施食会)」という法会は、
地域や宗派により異なり、
本来、「施餓鬼会」の期日は定められていませんが、
通常、7月15日あるいは、
8月15日頃に行われる事が多いそうです。
しかし、必要であれば、毎日、行われるそうです。
その方法は、
施餓鬼壇や供養壇、地蔵菩薩に、
五如来の「施餓鬼幡」を立てて、
「三界万霊」と書いた位牌や初盆の戒名を記した位牌を安置し、
浄水やおかゆなどの食物を供え、
法会を行います。

五如来の「施餓鬼幡」
五如来の「施餓鬼幡」は、密教の中心的な五仏を示し、
左から、
「離怖畏如来」は、「釈迦如来」の別名で、北方の仏様です。
「廣博身如来」は、本来中央に配される「大日如来」の別名ですが、
密教系では中心的な仏様です。
大日とは、宇宙の根本真理で、
その真理はあらゆるところに広がっていることから、
また餓鬼の喉を「広」大にして飲食を可能にし、
餓鬼を安楽にさせるという働きがあります。
「甘露王如来」は、西方の阿弥陀仏の別名です。
甘露とは飲むと不老不死になる神々の飲み物ですが、
転じて心身の健康を表します。
「妙色身如来」は、東方の仏様で、「阿閦如来」の別名です。
揺るぎない心、誘惑に打ち勝つ強い心を表しています。
全ての人が、心の奥底に秘めている「さとりの心(菩提心)」を、
鏡のように映しだす智慧を具えていることから、
餓鬼が、その鏡に映る自らの菩提心を見て、
反省し、姿形を円満にするそうです。
「過去宝勝如来」は、南方の仏様で「釈迦如来」の別名です。
密教の中心的な五仏が、
さまよえる餓鬼たちを、強力に供養するので、
普段十分に食べる事が出来ない餓鬼が、
飲んだり食べる事が出来るようになるので、
餓鬼は落ち着き、離れていくそうです。
「施餓鬼会」は、無縁仏や餓鬼を救うだけではなく、
日頃の自分自身に巣くう「餓鬼」の心を反省し、
自他ともに生かされている身をしっかり受け止め、
救われる功徳をお互いに積んでいく事を教えてくれるそうです。
全ての仏様のために心を込めて供養する行事なので、
お寺も力を入れている行事です。
ちなみに、
サウジアラビアやガンビア共和国などで、
「施餓鬼会」を行うと危険です。
何故なら、現在でも、
アフリカの国々やサウジアラビアでは、
魔女狩りが行われているからです。
サウジアラビアの宗教警察では、
魔女狩りにより、
毎年、数人処刑されているそうです。
2013年まで、
イギリス連邦加盟国だった西アフリカにある
ガンビア共和国では、
2009年、『Yahya Abdul-Aziz
Jemus Junkung Jammeh』大統領が、
親族の死に魔女が関与していると疑い、
魔女狩りを行ったそうです。
千人以上の女性が逮捕され、
死亡者も出て、国外脱出した住民も多かったそうです。
そして、魔女狩りを批判した野党指導者を、
スパイ容疑で逮捕し、その後消息不明となりました。
ちなみに、ガンビア共和国では、
2017年にイギリス連邦加盟国に復帰手続きを、
開始したそうです。
だから、それらの国で、
手品師がマジックを行うと、法律により、
処刑される危険がありますので、
気を付けなければいけません。
ちなみに、
魔法使い『ハリー・ポッター』の住むイギリスには、
1951年まで、「魔法行為禁止法」という法律がありました。
ちなみに、アイルランドでは、
1983年に「妖術行為禁止令」が廃止されました。
魔女裁判や魔法については、
まだ話がありますので、後日…。(続く)
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