糞尿の話(8)-便所(2)
- 2018/07/24
- 05:05
川に板を張り出し、その上で排泄し、
陶器のかけらで、お尻を拭いて、
川に流すというものでした。
飛鳥時代、川を屋内に引き込み、
排泄し、木片でお尻を拭いたそうです。
ちなみに、
1119年、『源師時』の日記「長秋記」に、
紙でお尻を拭いたとの記録がありますが、
当時は紙は高価だったので、
一部のお金持ちしか使えませんでした。
ほとんどの人は排泄後、
当時、紙(トイレットペーパー)が、高価だったので、
細長い木製の板の木べら「籌木(糞箆)」を、
使用していました。

秋田城から出土した、お尻拭きの「籌木」
トイレのことを「厠(かわや)」と言いますが、
「川を中に引き入れた」という意味の「川屋」、
川のそばに、排泄する建物あるという意味の
「側屋(かわや)」の2つが語源と言われています。
平安時代、貴族は、おまるのような箱「樋殿(樋箱)」に、
用を足し、溜まったら川に捨てていたそうです。
そのため、家中が臭かったし、
昔の日本では、風呂に入る習慣が無かったので、
「お香」を炊いて、臭いを、ごまかしたそうです。
また、
道端で排泄をする人も多く、
服を汚さないようにする為、
高下駄を履いて、排泄したそうです。
だから、昔の日本では、
中世ヨーロッパと同じく、街は臭かったそうです。(続く)