糞尿の話(6)
- 2018/07/22
- 05:05
週3回、7時間だけ水が使えるだけで、
毎日、24時間、水が使えるわけではなかったそうです。
そのため、
当時、月1回洗濯できれば良い方で、
衣類の生乾きや部屋干しの臭いどころか、
服にカビが生えて、服がカビ臭で臭いのは、
当たり前だったそうです。
また、
街や服が臭うだけではなく、
ほとんどの人が、
お風呂やシャワーを、利用しなかったため、
体臭などの臭いもひどかったそうです。
何故なら、フランスの水は、
マグネシウムとカルシウムが多い『硬水』なので、
これで顔や髪を洗うと、肌はボロボロ、
髪はパサパサになるからでした。
その上、
16世紀から19世紀までのヨーロッパでは、
風呂に入ると、水が体の穴を開き、
そこから梅毒などの危険な病原体が、
体内に侵入し、病気になりやすいと信じられたため、
入浴する人が少なく、体臭がひどかったそうです。
だから、
「ベルサイユのばら」の当時、
現実には、
パリの宮殿の中庭や通路、回廊などは、糞尿であふれ、
服からカビ臭がし、体臭も入り混じり、
街からも悪臭が漂っていたので、
華麗な世界ではありませんでした。
そして、
人々は、ゴミや汚物を川に捨て、
川の流れが速い日本と違い、
川の流れもゆっくりしているので、
いつまでも汚物が川に漂い、
川は、臭く、汚染されていたそうです。
ちなみに、当時、ロンドンにあった水道は、
飲水用の水の取り込み口が、
下水道の排水口よりも下にあったため、
下水道の汚物が飲水に流れ込む事もあったのですが、
ほとんどの人は、あまり気にしていなかったそうです。
当時の日本は、江戸時代ですが、
糞尿のほとんどすべてが、
専門の汲み取り業者によって、
植物の肥料用として、流通していたそうです。
同時代、江戸の水道である井戸は、
地面の底に木でパイプを作り、
きれいな川や池から、水を引いて、
24時間、水を流しっぱなしにしていました。
当時、江戸を訪れたフランス人などは、
「何故、街が、きれいなのか?
何故、人が多いのに臭くないのか?
何故、毎日お風呂入れるのか?
何故、服を毎日洗濯できるのか?
何故、治安が良いのか?」と驚いたそうです。
このように、国際都市が不衛生だった時代に、
江戸は、とても衛生的だったそうです。
だから、
「ベルサイユのばら」に憧れて、
その舞台を頭に描いて、
パリに行く日本人が数多くいますが、
実際は、
当時のパリの街を歩けば、
汚物が散らかり、沢山のブタがうろつき、
宮殿内も糞尿の臭いが漂っていたので、
実像に近づけるとしたら、
何度も糞尿を踏んだり、
ただし、踏み慣れているので、気にしません。
あるいは、
ブタにぶつかりそうになったりするシーンが、
描かれる事になります。
でも、
カッコ悪いので、
そのようなシーンは描かれないと思います。
でも本当は、パリではなく、
衛生面だけを考えれば、
清潔な江戸を舞台にした方が、
しっくりくるかもしれません。
江戸が清潔なのは、
人口が少なかったからだと考える人もいると思いますが、
違います。
当時、1650年頃の
パリの人口は、約45万人、ロンドンは、約41万、
そして、
江戸の人口は、約50万人だったと言われています。
人口密度も、時代劇で長屋のシーンが出てきますが、
1平方kmあたり約6万人と世界でもトップクラスの高さだったそうです。
だから、江戸が、人が少なくて、
衛生的だったと言う事ではなかったそうです。
ちなみに、江戸は、人が多かったのですが、
治安も良かったそうです。
何故なら、江戸は、厳罰主義をとっていたので、
それが抑止力になり、
犯罪は少なかったそうです。
当時の日本は、誇らしくて素晴らしい。
現在の日本も、
誇らしくて素晴らしくなって欲しいです。
この頃、外交に弱い上、
物事をごまかしたり、無責任な事を言ったりして、
世間を騒がせている政治家が多いのですが、
質が落ちているのかな?
本当に日本を良くしようと考え、外交も得意で、
世界に誇れる素晴らしい政治家が出てきて、
頑張って欲しいです。(続く)
- 関連記事
-
- 糞尿の話(4)
- 糞尿の話(5)
- 糞尿の話(6)
- 糞尿の話(10)-便所(4)