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糞尿の話(6)

中世のフランスの水道は、

週3回、7時間だけ水が使えるだけで、
毎日、24時間、水が使えるわけではなかったそうです。

そのため、
当時、月1回洗濯できれば良い方で、
衣類の生乾きや部屋干しの臭いどころか、
服にカビが生えて、服がカビ臭で臭いのは、
当たり前だったそうです。

また、
街や服が臭うだけではなく、
ほとんどの人が、
お風呂やシャワーを、利用しなかったため、
体臭などの臭いもひどかったそうです。

何故なら、フランスの水は、
マグネシウムとカルシウムが多い『硬水』なので、
これで顔や髪を洗うと、肌はボロボロ、
髪はパサパサになるからでした。

その上、
16世紀から19世紀までのヨーロッパでは、
風呂に入ると、水が体の穴を開き、
そこから梅毒などの危険な病原体が、
体内に侵入し、病気になりやすいと信じられたため、
入浴する人が少なく、体臭がひどかったそうです。

だから、
「ベルサイユのばら」の当時、
現実には、
パリの宮殿の中庭や通路、回廊などは、糞尿であふれ、
服からカビ臭がし、体臭も入り混じり、
街からも悪臭が漂っていたので、
華麗な世界ではありませんでした。

そして、
人々は、ゴミや汚物を川に捨て、
川の流れが速い日本と違い、
川の流れもゆっくりしているので、
いつまでも汚物が川に漂い、
川は、臭く、汚染されていたそうです。

ちなみに、当時、ロンドンにあった水道は、
飲水用の水の取り込み口が、
下水道の排水口よりも下にあったため、
下水道の汚物が飲水に流れ込む事もあったのですが、
ほとんどの人は、あまり気にしていなかったそうです。

当時の日本は、江戸時代ですが、
糞尿のほとんどすべてが、
専門の汲み取り業者によって、
植物の肥料用として、流通していたそうです。

同時代、江戸の水道である井戸は、
地面の底に木でパイプを作り、

きれいな川や池から、水を引いて、
24時間、水を流しっぱなしにしていました。

当時、江戸を訪れたフランス人などは、
「何故、街が、きれいなのか?
何故、人が多いのに臭くないのか?
何故、毎日お風呂入れるのか?
何故、服を毎日洗濯できるのか?
何故、治安が良いのか?」と驚いたそうです。

このように、国際都市が不衛生だった時代に、
江戸は、とても衛生的だったそうです。

だから、
「ベルサイユのばら」に憧れて、
その舞台を頭に描いて、
パリに行く日本人が数多くいますが、

実際は、
当時のパリの街を歩けば、

汚物が散らかり、沢山のブタがうろつき、
宮殿内も糞尿の臭いが漂っていたので、

実像に近づけるとしたら、

何度も糞尿を踏んだり、
ただし、踏み慣れているので、気にしません。

あるいは、
ブタにぶつかりそうになったりするシーンが、
描かれる事になります。
でも、
カッコ悪いので、
そのようなシーンは描かれないと思います。

でも本当は、パリではなく、

衛生面だけを考えれば、
清潔な江戸を舞台にした方が、
しっくりくるかもしれません。

江戸が清潔なのは、
人口が少なかったからだと考える人もいると思いますが、
違います。

当時、1650年頃の
パリの人口は、約45万人、ロンドンは、約41万、

そして、
江戸の人口は、約50万人だったと言われています。

人口密度も、時代劇で長屋のシーンが出てきますが、
1平方kmあたり約6万人と世界でもトップクラスの高さだったそうです。

だから、江戸が、人が少なくて、
衛生的だったと言う事ではなかったそうです。

ちなみに、江戸は、人が多かったのですが、
治安も良かったそうです。

何故なら、江戸は、厳罰主義をとっていたので、
それが抑止力になり、
犯罪は少なかったそうです。

当時の日本は、誇らしくて素晴らしい。

現在の日本も、
誇らしくて素晴らしくなって欲しいです。

この頃、外交に弱い上、
物事をごまかしたり、無責任な事を言ったりして、
世間を騒がせている政治家が多いのですが、
質が落ちているのかな?

本当に日本を良くしようと考え、外交も得意で、
世界に誇れる素晴らしい政治家が出てきて、
頑張って欲しいです。(続く)
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プロフィール

ムーミン

Author:ムーミン
生まれは、福岡、
育ちは、大阪、
現在、秋田市で、
動物病院を開院。

長年、
水族館、動物園で、
獣医師として勤務していました。

短期間ですが、
犬猫行政、
食品衛生業務も
しました。

その後、
長年、
東北、沖縄の
動物病院で勤務しました。

大阪に住んでいた時、
ジュニアリーダーをしていたので、
キャンプなどの指導などをしていました。

旅が好きで、バイクや車で
北海道や東北、関東などを、

野宿しながら、放浪しました。

そして、
海外14カ国を、放浪し、

海外の複数の動物園や水族館で、
研修しました。

詳しくは、
別のブログ「あっちこっち雑記」で。

祖先は、醍醐源氏の末裔で、
福岡県八女市黒木の
猫尾城の城主を
していました。

先祖は、足利尊氏と戦い、
多々良浜の戦いでは、
敗戦しましたが、

筑後川の戦いなど、
最終的には勝利し、

3代将軍足利義満まで、九州を治め、

中国の「明」と、貿易をしていました。

詳しくは動物病院HPで。

学生時代、
生物学と歴史は好きでした。

試験の時は、
事前に、関連事項まで詳しく調べて、

特に歴史の時は、
現地調査までする事があったので、

筆記試験の時は

関連事項まで、詳細に書くと、

テスト用紙の回答欄のスペースでは、

ものすごく不足したので、

裏まで書いても不足した時には、

2枚目の白紙をもらい、
ぎりぎりまで書いていました。

そのため、
歴史や生物のテスト用紙が配られる時、
あらかじめ、
白紙が、2枚配られるようになりました。

先祖は笛が得意で、
後白河法皇、後鳥羽天皇に、
褒められた事があります。

自分も、子供の頃、
ピアノを習っていたので、
音楽が好きです。

水族館、動物園勤務時代、
野生動物は、
殺気を感じると、
逃げるので、
殺気を感じさせない為、
歌いながら、
治療していたので、
歌が得意になりました。

尚、色々な事を書いていますが、
話し言葉や細かい所などは、
意訳の場合もあります。

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