時代劇の大スター『鬼平』と『遠山の金さん』(3)
- 2018/07/10
- 05:05
「罪人を捕縛するだけでなく、
罪人を生み出さないようにする事が大切。」と考え、
犯罪者に手に職を与え、
訓練する更正施設「石川島人足寄場」を、
幕府に献言しました。
幕府はこれを認め、『鬼平(長谷川平蔵宣以)』は、
人足寄場の責任者も兼任することとなりました。
そして、人足寄場では、技術だけでなく、
道徳教育も行なわれ、
人足寄場の設置以来、
犯罪者の数は減ったそうです。
そして、
『鬼平(長谷川平蔵宣以)』は、
上司の老中『松平定信』に、
予算の増額を訴えましたが、却下されました。
「鬼平犯科帳」では、
『松平定信』は、『鬼平(長谷川平蔵宣以)』に対して、
理解ある上司でしたが、実際は、微妙な関係でした。
何故なら、
『鬼平(長谷川平蔵宣以)』は、
老中『田沼意次』に気に入られていましたが、
その後任である老中『松平定信』は、
『田沼意次』とは犬猿の仲だったので、
『田沼意次』のお気に入りの
『鬼平(長谷川平蔵宣以)』の事が、
あまり好きでは、なかったからです。
『鬼平(長谷川平蔵宣以)』は、
「石川島人足寄場」の成果が出て来たので、
そのまま続けたかったのですが、
資金不足のため、運営が厳しくなってきたので、
幕府から預かった資金の3千両で、
銭相場を活用し、
下落していた銅銭を買いあさり、
高値になったところで売りさばいて、利益をあげたり、
大名屋敷跡地を安く買い取って、
商人に、高く賃貸したりと、
型破りの方法で、運営資金を得たそうです。
このような方法は、
現在では、法的に認められませんが、
当時は、法律の想定外の方法だったので、
対応する法律が無く、問題なかったのですが、
当時でも、道徳的には、
認められるようなものではなかったので、
「何故、問題行動をしている『鬼平(長谷川平蔵宣以)』を、
「火付盗賊改」の長官に就けておくのか?」と
同僚の旗本たちは、不満を訴えたそうです。
特に、「火附盗賊改役」の
同僚だった『松平定寅』、『森山孝盛』らは、
事あるごとに『鬼平(長谷川平蔵宣以)』の事を、
上司に誹謗中傷していたそうです。
そのため、『鬼平(長谷川平蔵宣以)』は、
親しい知人に、
「本はあまり読んでいないが、
町奉行と火附盗賊改の事は、
父『長谷川平蔵宣雄』の事を見ているので、
熟知している。
だから、近頃の町奉行のやり方は、
見ていて残念に思う。
自分だったら、もっとうまくできる自信がある。
父『長谷川平蔵宣雄』と同じ町奉行になるのが、
夢だったが、
同僚が陰口を言う上、
上司が自分の事を嫌っているので、
出世の道は絶たれたも同然だ。
自分は、このまま、町奉行にならず、
酒ばかりを呑んで、死んで行くと思う。」と
愚痴をこぼしたという記録が残っています。
上司だった老中『松平定信』は、
自伝『宇下人言』で、
『鬼平(長谷川平蔵宣以)』の事を、
敢えて名を呼ばず
「『長谷川なにがし』は、功績はあるが、
怪しい事ばかりするので、
人々に、山師と言われたりするなど、
色々な評判のある人物だ。」と書きました。
「鬼平犯科帳」は、面白いので、
一度読んでみて下さい。
ちなみに、
「鬼平犯科帳」を読んだ時、
何故か、大森山動物園勤務時代の
師匠でもあり上司だったK獣医を思い出します。
でも、
『鬼平(長谷川平蔵宣以)』とは、
当然ですが、やっている事も違うし、
K獣医は、真面目で、怪しい事はせず、
型破りな事もしないし、順調に出世したし、
『さいとう・たかを』先生の描く
『鬼平(長谷川平蔵宣以)』と比べると顔も違うし…、
でも、真面目なので、
その雰囲気が似ているのかな…、分からない…。
とにかく、「鬼平犯科帳」を読むと、
毎回、思い出します。
ちなみに、
型破りやアウトローが主人公の漫画やアニメや映画、
特に「銀河鉄道999」や西部劇を見ると、
動物園・水族館界の型破りで、アウトローの代表選手で、
野生動物での自分のもう一人の師匠の
八木山動物公園のK獣医を思い出します。
ちなみに、
現在、八木山動物公園のK獣医は、
動物病院を開業しています。(続く)
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