ベトナムと猫(2)
- 2018/06/30
- 05:05
『グエン・タイン・ナム(DaoDua)(阮盛南)』が、
1963年に創設しました。
1909年にベトナムで生まれた
教祖『グエン・タイン・ナム(DaoDua)』は、
大金持ちで、フランスに留学した後、
仏教の素晴らしさを認識し、
その後、仏教修行を19年しました。
外国に行って、自国の素晴らしさに気が付くという事は、
よくあります。
自分も海外に行って、
日本の治安の良さや医療の保険制度の良さ、
食事のおいしさ、定食の種類の多さ、充実具合は、
ものすごく実感しました。
特に、日本のお米は、最高に美味しいと思います。
「ココナッツ教」の教祖『グエン・タイン・ナム(DaoDua)』は、
長く続くベトナム戦争の戦火が激しいさなか、
南北の統一を訴えていました。
1963年のある日、
ココナッツを食べた時に、幸せな気分になったので、
「ココナッツだけ食べれて、ココナツミルクだけを飲むと
世界平和が実現できる。」という教義がひらめいて、
お金持ちだったので、
ベトナムのフーン島(フェニックス島)の土地を買い、
建物を建て、
キリスト教、イスラム教、仏教、儒教、
カオダイ教など複数の宗教を融合した
「ココナッツ(ズア)教」を創設し、
1965年に、「椰子の実教団教主の苦行の人生」を出版して、
その考え方を広めたそうです。
ちなみに、
教祖『グエン・タイン・ナム(DaoDua)』には、
9人の奥さんがいたそうです。
そして、教祖『グエン・タイン・ナム(DaoDua)』は、
木の上で生活し、信者とは、筆談のみだったそうです。
そして、
平和の象徴として、
猫とネズミを、子供の時より、
一緒に飼育し、同居させました。

そして、
「猫とネズミのように終生の敵同士でさえ仲良くできるのだから、
ベトナム戦争も解決できる。」と主張しましたが、
最初は、誰も見向きもしませんでした。
ベトナム戦争当時、
ベトナムでは、
自分で右手の人さし指を切り落として、
銃を撃てないようにして、
入隊を免れた者が多かったそうです。
そして、軍は、
「頭のおかしな者を軍に入れると、
統率が取れなくなる。」と言って、
怪しい「ココナッツ教」の信者を、
徴兵しなかったそうです。
そのため、「ココナッツ教」には、宗教に関心がなくても、
戦争に行かないために、多くの人が入信し、
信者は、4千人から1万人以上いたと言われています。
でも、信者は、教祖見つからないようにして、
ココナツ以外を食べていたそうです。
そして、「ココナッツ教」は、
基本的には人畜無害な宗教でしたが、
戦争逃れをする人を予防するためと、奇抜過ぎるために、
政府から「カルト」だと目を付けられて、
ベトナム戦争終了間際の1975年に、
教祖『グエン・タイン・ナム(DaoDua)』は、
投獄され、教団は解体したそうです。
ベトナム戦争終了後、
しばらくして、
教祖『グエン・タイン・ナム(DaoDua)』は、
解放されたので、
「ココナッツ教」の再開を計画しました。
しかし、政府は、それを許しませんでした。
そして、
1990年、連行しようとする警察と、
引き留める信者に両手を引っ張られ、
教祖『グエン・タイン・ナム(DaoDua)』は、
はずみで建物から落ちて、頭を打って死んだそうです。
81歳で、体重は、30kg位だったそうです。
カラフルで独特の形をした建造物が目を引く
「ココナッツ教」の元の本拠地は、
現在では、
地方ツーリスト会社の管理のもと、
メコン川ツアーで行く比較的大規模な
ベンチャーアスレチック場の観光施設となり、
大人の入場料は、約数百円で、
世界中から、興味本位で人が訪れています。
「ココナッツ教」の元の本拠地には、
9本の龍が巻き付いた柱がありますが、

これは、9本の支流にわかれるメコン川、
そして9人いた奥さん達を象徴しているそうです。(続く)
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