『James Bowen』の人生を変えた猫の『Bob』(2)
- 2010/10/02
- 05:05
翌日も同じ場所にいたので、
気になって調べてみると、
去勢していないオスで、
首輪や名前の入ったタグは見当たらず、
脚と腹部が化膿して、腫れあがって、
脚を引きずっているのが、わかりました。
当時の、
『James Bowen』の1ヶ月の収入は、
路上ライブ代が主な収入源で、約3千円でした。
その上、
麻薬中毒の更正プログラムを受けていました。
でも、ネコ好きだった『James Bowen』は、
痛々しい猫を見捨てることができず、
とりあえず部屋に入れ、応急措置をして、
食事を与えました。
何とかしたいと思い、
動物福祉を推進するために設立された
イギリスの非営利団体
「英国動物虐待防止協会 (RSPCA)」の動物病院に、
連れて行きました。
ちなみに、
「英国動物虐待防止協会 」の
動物病院は、4つ以上あり、
他にも、
動物を世話するRSPCAセンター、
ショップなど、
英国内に数ヶ所に色々な施設があるそうです。
「英国動物虐待防止協会」のHP
猫の治療費は、
『James Bowen』の月収より高く、
3千5百円位かかったそうです。
そして、
これ以上野良猫を増やしてはいけないという事で、
無料で、去勢手術をしてもらったそうです。
ちなみに、
「英国動物虐待防止協会」の動物病院は、
安価ですが、イギリスの普通の動物病院は、
安価ではありません。
イギリスの普通の動物病院で、
獣医をしている知人がいますが、
動物病院の治療費は、
獣医さんが診察しただけで、
何もしなくても、
再診料だけで、約5千円以上かかるそうです。
そして、2週間後、
一命をとりとめ、傷も治り、
歩けるようになり、元気になったそうです。
『James Bowen』は、
猫を飼う金銭的余裕がなかったので、
飼い主を探しましたが、見つからなかったので、
猫を、公園に放す事にしました。
でも、
猫は、逃げていくどころか
『James Bowen』の後を、離れないで、
どこまでも着いて来ました。
走って逃げた時は、
しばらくすると、
部屋の前で座って、待っていました。
自分も子供の頃、
外にいた猫に少し餌を与えて頭を撫でたら、
ニャーニャーと鳴きながら、
ずっと家までついて来てきたという思い出があります。
でも、その時は、
ネコが飼えない所に住んでいたので、
残念ながら、飼育出来ませんでした。
『James Bowen』は、
遠くまでバスに乗り、猫を手放しても、
『James Bowen』のそばを離れず、
そのままバスに同乗してくるので、
「この猫も、自分と同じく、
どこにも行く場所がないんだ。」と思うと、
捨てることは、出来ませんでした。
そして、
『Bob』と名付け、飼う決心をしました。
『James Bowen』は、
当時の事を聞かれた時、
「『Bob』を、世話をするという責任が、
少し重荷だったけど、
同時に元気をくれたんだ。
僕以外の世話をするという事で、
僕の人生に意義が生まれたんだ。
『Bob』が来る前は、
自分の事でさえ、面倒を見切れていなかった。
でも、『Bob』を世話をするうちに、
自分の事も、
きちんとできるようになってきたんだ。
『Bob』は、無条件に愛してくれるから、
しっかりしないとと思ったんだ。」と
当時を振り返りました。
これが、『James Bowen』の人生を、
変える出会いとなりました。

(続く)
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