光る動物(32)(カイコ)-カイコを始めた黄帝の話(25)-蜚廉から風伯へ(17)
- 2017/12/22
- 05:05
宮殿に戻って来ました。
宮殿の警護に当たっていた『飛廉』とその子『悪来』が、
『紂王』に声をかけると、
「戦況は最悪で、もう少しで「殷」が終わる。」と言いました。
そのため、
『飛廉』とその子『悪来』が、
「最後まで戦って、
王朝の意地を見せつけましょう。」と勇気づけたそうです。
そして、『悪来』は、「余裕を持ちましょう。」と言って、
「将棋」や「双六」の起源である「六博」の盤を持ち出して来て、
『紂王』の前に置きました。
しかし、『紂王』は、
しばらく駒を見つめた後、
「天命により、
約600年続いた「商(殷)」王朝の終焉の時が来た。
他人に終わりを与えられるより、
「商(殷)」王朝自身の手で…、
誇りを見せて、自らの意思で、終わせたい。
今後、「商(殷)」の祖廟は、自分の代わりに、
持ち去った兄『微子啓』が、守ってくれるだろう。
おそらく、
これから来る新しい時代は、
より良い時代になるのだろうが、
見る事は出来ない。
後世の人々は、色々言うだろうが、
自分の手で、「商(殷)」が終わる事に満足している。
「商(殷)」は終わりだ。お前らは、好きにしろ。」と言って、
笑いながら、その場から、力なく離れ、
王宮に火を放って、自決したそうです。
ちなみに、『発』の父『姫昌』の
宿敵『祟候虎(崇侯虎)』の子『崇侯応』は、
『紂王』が自決する最後まで、
『紂王』の近侍として仕え、
『紂王』が死んだのを確認した後、
その場で、『崇侯応』は、殉死したそうです。
『祟候虎(崇侯虎)』の孫『崇侯鸞』は、
後日、「周」に、服従したそうです。
そして、
『飛廉』は、
「『紂王』が自決し、「殷」は、終わった。
今後どうしたら良いのか?」と嘆いていると、
黙って、そばにいた『悪来』は、
おもむろに口を開け、
「いっそ周に帰順しますか?」と言いました。
そして、
『飛廉』は、「その手があった。」と言って、手をたたき、
宮殿にあった天子の印章の「璽符(玉璽)」を、
手みやげに、「周」の軍門に降りました。
そして、中大夫に任命されました。
『妲己』は、城の中に隠れていましたが、
見つかり、『発』の前に連れ出されてきました。
『発』は、その美しさに魅入られ、
しばらく見とれていました。
しかし、
『発』は、煩悩を振り払って、
「このまま生かしておくと、
『妲己』の魅力に負け、『紂王』と同じ様になる。
すぐに、首を斬り、「暴虐の女」と書いて、
小白旗の上に刺せ!」と言って、
晒し首としたそうです。(続く)
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