光る動物(24)(カイコ)-カイコを始めた黄帝の話(17)-蜚廉から風伯へ(9)
- 2017/12/07
- 05:05
高い学識や人徳、深い信仰を持ち、
慈悲深く、聖人と呼ばれる『比干』がいました。
ある時、『比干』は、
「国力が落ちている今、
悪い習慣は立ち切らなければいけません。
臣下たる者は、命をかけて、
諫言しなければならないので、
あえて言います。
「炮烙の刑」と言う残酷な刑罰を見て、
国民は嫌悪感を抱いています。
また、
現在、兵力が十分と言えないのに、
そのような刑で、無駄に国民が死亡すると、
兵力が落ちます。
将来の事をを考えれば、
やめるべきです。」と言って、
『紂王』に、「炮烙の刑」をやめるように諫言したそうです。
『紂王』の愛する狐狸の精霊『妲己』は、
「炮烙の刑」を受ける人々の緊張に満ち溢れた表情を、
見るのが好きだったそうです。
そのため、少しでも落ち度があったり、
『紂王』が気に入らない事をしたら、
すぐに、「炮烙の刑」が行われました。
「炮烙の刑」とは、火を盛大に焚かせ、
その上に銅製の丸太をかけ、
そこを、油をまんべんなく塗りたくった人が、
この銅製丸太を渡りきて、
そして、再びスタートラインに、
戻ってきたら釈放というもので、
途中、滑り落ちれば、
そのまま炎に焼かれて死ぬという残忍な刑罰でした。
『紂王』は、『比干』の諫言を聞くと、
「『妲己』の好きな「炮烙の刑」を止めろと言うのか?
聖人の心臓には、
口、両眼、両耳、両鼻孔の体の穴と同じく、
7つの穴が開いているそうだな。
今回は特別に、それを見てやる。」と言い、
『紂王』の叔父(父の弟)『比干』は、
その場で、手足を縛られ、
心臓を生きたまま取り出されました。
『紂王』は心臓を見て、
「7つの穴が開いていないではないか!」と言って、
心臓を地面に叩きつけたそうです。
『姫昌』は、
幽閉されている間、親交のあった『比干』が、
「炮烙の刑」の件で、心臓を取り出され、
殺されたと言うのを聞き、深く悲しみました。
「炮烙の刑」は、
見たり聞いたりしていたので、
『比干』の死をきっかけに、
「炮烙の刑」について考え、
それが残酷だと感じていたので、
自分の領土に戻ると、
元々、「炮烙の刑」は行われていなかったのですが、
自分の領土の条例で、明文化し、
すぐに廃止しました。(続く)
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