これは?(36)-光る虫(1)
- 2012/09/01
- 05:05
シロアリの一種のCornitermes cumulansが、
巨大な塚をつくります。
その塚は、
雨期の最初の一週間だけ、夜間に緑色に鮮やかに光ります。

それは、
とても幻想的で、
1度見れば、忘れられない風景です。
この奇妙な現象は、昔から知られていましたが、
何故かは分かりませんでした。
保全生物学者『Kent H. Redford』が、
1980年に、当時ハーバード大学の学生で、
テングシロアリを食べるアリクイを研究していました。
そして、テングシロアリの塚が光る現象に興味を抱き、
調べた結果、1981年に、この発光原因は、
塚の表面から頭を出している、
新種のヒカリコメツキ(Pyrearinus termitilluminans)の
幼虫という事を発見しました。
一塚あたり平均180頭の幼虫がいるそうです。
そして、調査した結果、
ヒカリコメツキの幼虫が光る理由が、分かったそうです。
ヒカリコメツキの幼虫は、
テングシロアリの巣の内部ではなく、
塚の外面にトンネルを掘って生息しています。
テングシロアリの塚が見られるセラードには、
複数種のシロアリ類やアリ類が生息していて、
雨期の最初の雨を合図として、
コロニーからオスとメスの羽アリが出現し、
結婚飛行を行うそうです。
昆虫は正の走光性とよばれる性質を持ち、
光に虫が集まります。
そのため、ヒカリコメツキの幼虫は、
塚の穴の中から頭胸部を出して、
胸から緑色に発光し、羽アリをおびき寄せ、
羽アリを捕まえて食べるそうです。

穴の中から、緑色に発光している胸を出し、
羽アリをおびき寄せているところ
you tubeで、「Nat Geo WILD」の
「Bugs Light the Night | Brazil」と検索すれば、
捕食シーンを見れます。
ちなみに、you tubeの「Nat Geo WILD」では、
色々な動物の動画が見れます。
ちなみに、ヒカリコメツキは、
幼虫だけではなく、
蛹も成虫も光るそうです。(続く)
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