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これは?(22)-花?-mantis(8)

花?


実は、中央にいるのは、東南アジアに生息する
ハナカマキリ(Hymenopus coronatus)の幼虫です。

今まで、ハナカマキリの幼虫は、
その外見に注目され、
周囲の花にそっくりな姿をすることで、
獲物に気づかれないように身を隠して、
獲物を捕るだけの
攻撃擬態(ペッカム型擬態)だ と考えられていました。

しかし、
派手な見た目以外にも、驚くべき方法を、
持っている事が最近分かりました。

ちなみに、ハナカマキリの初齢幼虫は、
赤と黒の混じった体色で、


悪臭を放つ
オオキンカメムシ(Eucorysses grandis)などの


カメムシに擬態して、
身を守っていると言われています。

これは、毒を持つ生物で、警戒色によって、
周囲に危険を知らせる動物と違う種が、
同じ警戒色を用いて、
捕食されないようにするというベイツ型擬態です。

成長し、幼虫になると、
色と形がランの花びらのようになり、
体色も薄ピンク色が混じった白色となって、
花のような姿に変貌します。



幼虫は腹部を上に反り返らせて、


その色も形態も花に似ているのに対して、
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成虫となると、白色になり、


腹部を反り返らせることが出来なくなります。

成体は、メスが体長7cm前後、オスは4cm程になるそうです。


オスは、交尾の時、メスに獲物と思われて、食べられる事もあるので、
慎重に近付いて、メスの隙を突いて、飛び乗って交尾をするそうです。

ハナカマキリの幼虫と成虫の待ち伏せ場所と
獲物の種類を調べてみると、

成虫は、花の上で待ち伏せし、


チョウ類など様々な種類の昆虫を捕食しますが、


幼虫は、葉の上で待ち伏せし、






幼虫の獲物の80%は、


トウヨウミツバチ(Apis cerana)でした。



そして、狩りの成功率が、
成虫では、60%程度であったのに対し、

幼虫では、90%でした。


観察していると、トウヨウミツバチは、
自然に幼虫に近寄ってきて、
幼虫の頭の真正面に回り、滞空飛行しながら足を伸ばして、
幼虫の頭に着地しようとする行動が、何度も見られました。

そのため、調べてみると、
ハナカマキリ幼虫の顎周辺から、

3-ヒドロキシオクタン酸(3HOA)と
10-ヒドロキシ-2-デセン酸(10HDA)の
2種類の物質が分泌されている事が分かりました。

この2つの物質は、
トウヨウミツバチも持っていて、

仲間のトウヨウミツバチを、
誘引する時に分泌するそうです。

ちなみに、
ハナカマキリ成虫には、
これらの物質は、持っていませんでした。

ちなみに、幼虫も成虫も、
花と同じ紫外線を反射しているので、

ミツバチやなど紫外線を見る事の出来る昆虫は、
カマキリと花の区別が、難しいそうです。

つまり、ハナカマキリの幼虫は、
視覚的擬態と、化学的擬態を持っていたのでした。

ds9

実に、奥深い…。(続く)
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プロフィール

ムーミン

Author:ムーミン
生まれは、福岡、
育ちは、大阪、
現在、秋田市で、
動物病院を開院。

長年、
水族館・動物園で、
獣医師として勤務していました。

短期間ですが、
犬猫行政、
食品衛生業務も
しました。

その後、
長年、
東北・沖縄の
動物病院で勤務しました。

祖先は、醍醐源氏の末裔で、
福岡県八女市黒木の
猫尾城の城主を
していました。
詳しくは動物病院HPで。

学生時代、
生物学と歴史は好きでした。

高校時代、
筆記試験の時は、
事前に、関連事項まで詳しく調べて、
時には、歴史の時は、
現地調査までしていたので、

回答欄のスペースでは、不足したので、
裏まで、時には2枚目の白紙をもらい、
ぎりぎりまで書いていました。

そのため、高校の時は、
歴史や生物のテスト用紙が配られる時、
あらかじめ、自分だけ白紙が、
2枚配られていました。

先祖が笛が得意だったのと、
子供の頃、
ピアノを習っていたので、
音楽が好きです。

動物園勤務時代、
野生動物は、
殺気を感じると、
逃げるので、
殺気を感じさせない為、
歌いながら、
治療していたので、
歌が得意になりました。

尚、話し言葉などは、
意訳の場合もあります。

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